日光・細尾峠と粕尾峠

御嶽山で大規模な噴火があった。土曜日ということで多くの登山者が山頂付近にいて、逃げられずに命を落としてしまった方もいる。こんなに多くの人が同時に亡くなるとは・・ご冥福を祈ることしかできない。

さて、山にも行きたいのだが、土曜日は自宅で仕事、日曜日に結局サイクリングとなった。もう毎週のように遠出している。今回は、日光まで輪行して、足尾方面に向かい、日足トンネルの上を通る旧国道122号線の細尾峠に登り、足尾まで降りてから前日光山地を登って粕尾峠経由で新栃木まで。朝北千住まで向かう7kmと帰りの曳舟からの数キロを足して、ほぼ100kmのダブルヒルクライムサイクリングだ。細尾峠の標高差が日光駅からだいたい630m、足尾駅から粕尾峠までが500m弱。粕尾峠からは一部登りがあるが基本的には下り基調で延々と走る。

朝、北千住まで走って東口でいつものように自転車をバラす。6時31分発の快速に乗れば、乗り換えなしで東武日光まで行かれるが、それは5月の連休にやったし、あの快速電車はクロスシートで輪行袋を置く場所が無い上に混むから避けたい。しかし特急「けごん」に乗るのは芸がない。そこで、6時37分発の急行に乗って久喜でJR快速ラビットに乗り換え、宇都宮でJR日光線にまた乗り換えて行くことにした。東武特急に乗るよりは若干安いが、到着は9時ちょいすぎになって快速よりも30分ほど遅く、けごんよりは10分早く着く。コストパフォーマンスは東武快速が圧倒的だが、空いている、という点では今回のルートは申し分ない。

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日光駅

駅舎は明らかにJR日光駅の勝ちである。駅員さんも親切で、スイカの出入口が狭いので広い方を通らせてくれた。なぜか新郎新婦の記念撮影があり、外国人観光客も多い中で自転車を組み立てる。最近、サイクリングが終わってみるとアウタートップにギアが入らない、ということがあるので、後輪をはめてからギアチェンジを何往復かしてローからトップまできちんと入ることを確認する。

9時30分、日光駅を出発。国道119号を清滝方面へ。すぐに右手のコンビニで食料とコーラ補給。直線的な国道での上り坂が一番辛いが、のっけからそのような道である。神橋を渡って国道120・122号に乗るが、清滝インターで標高約700m。厳しい。細尾大谷橋で左折して、細尾町交差点から右の旧道に入る。国道をくぐってからつづら折れが始まる。カーブに番号が書いてあるが、いったいいくつまでカウントすれば頂上なのか?地形図などからだとつづら折れはとても厳しそうに見えるが、本当に厳しい斜度は入り口と山頂直下だけだった。もともと人道だった歴史ある道で、無理の無いような斜度でカーブが切られている。さすがにフロントはインナー(28T)だが、後ろは左カーブのコーナーイン側でだけローを使い、後は使わなくても上れる。上り始めは国道をものすごいスピードで通過していく車の音が聞こえる。路面には落葉や枯れ枝や小石が落ちていて油断ならない。マウンテンバイクが一台下ってきたが、ロードは誰一人向かってこない。路面が荒れているからだろうか?

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細尾峠のうんちく
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上りはじめは杉林

エッチラオッチラ上り、10時50分に山頂着。山頂直下のカーブ番号は38か39だった。若干休んで下りにかかる。下りのつづら折れの方が斜度がきつく、路面がよくないので慎重に走る。対向車も時々登ってくる。ブレーキのかけすぎで親指付け根が痛くなってきた頃、国道122号に合流。そのまま下り基調で快走して足尾駅に11時20分着。国道に出てからはかなり飛ばした。

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細尾峠トップ
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若干色づいてきた?

わたらせ鉄道の足尾駅もなかなか風情のある駅だ。待合室で軽く補給させてもらい、気の抜けたコーラを飲み干して11時30分出発。粕尾峠に登る。ここはオートバイに乗っていた頃来たことのある峠だ。やはりつづら折れが多く、交通量は細尾峠よりも格段に多い。オートバイや車に次々に抜かれる。国道でもこの峠道でもそうだが、オートバイのマスツーリングがとても多く感じる。昔のバイク乗りは基本ソロで走ったものだが・・一人では寂しいのかね??マスツーリングは威圧的だしうるさいし、時には排気ガスが臭いし、昔乗っていたから大きなことは言えないが、いらだちを感じる。来るなら一人で来い!それに旧車(ヤマハRZなど)の2ストローク、特に排気ガスが臭い。いまやそういう時代ではないのでは?

サイクリストはこちらの峠では数名とすれ違った。抜かれることもなく、追い抜くこともない。基本、誰も同じ方向へは走っていない。

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風情ある足尾駅

やっとのことで12時20分、粕尾峠山頂に到着。上っているうちに考えたのは、もう下り一方だから欲を出して横根高原まで登ってみるか、という計画に無いルート選択の是非。山頂に着いたら、車で25分かかると案内があった。ということは自転車だとその倍はかかるし、帰路も計算に入れないといけない。ということで横根高原はおあずけ。下りにかかる。

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粕尾峠トップ。この右手から横根高原への急坂が始まる

長いつづら折れである。粕尾峠にもカーブナンバーが振ってある。山頂は確か49くらいで、粕尾集落に近づくほどカウントダウンされていく。ナンバー1のカーブを曲がったら、途端に道が広めになって走りやすくなった。すぐに5月連休の薮漕ぎ担ぎサイクリングとなった大荷場木浦沢線への分岐を過ぎる。「山の神」というところでそばでも食べようかと思ったが、もう少し下ってからでもよかろう、と思ってぐんぐん飛ばす。だが路面状況はあまりよくなく、アスファルトのひび割れが至る所にある。あまりに下りが長いので、下ハン握ったりブラケットを握ったりするが、ブレーキレバーから手を放すことはできない。

思川がだいぶゆったり流れるようになってきて、釣り師たちが川に入っているのが見える。集落が大きくなってきた所で蕎麦休憩。行動食を食べていたのであまり腹は減っていないのだが、ここから先で止まって食べるチャンスを作れそうにないし、サイクリングが終わるまで食べないと電車の中で猛烈に腹が空くだろう。休憩するにも13時を回っていい時間だ。軽くざるそばを食べる。

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思川は透明な水がきれいな川

県道を右折して大越路トンネルに向かう上りに入る。直線的な上りでイヤな道だ。旧道もあるのだが、もう峠は十分。トンネル内でサイコンとライトが併用できるかどうか、確認する。どうやら、前回の房総でのトラブルは、LEDライトからの干渉のようで、皆さん工夫して乗り切っているようだ。手っ取り早いのはサイコンとライトを離すこと。ハンドルのエンドキャップ代わりに差し込むライトホルダーを買ったので、ここにライトを下向きに付けて点灯してみる。サイコンに影響はなし。しかもライトもいい場所を照射してくれる。このトンネル内だけは歩道を走った。

トンネルを出てからは道なりに進み、栃木市内へ入っていく。北風がだいぶ強いようだが、横風に煽られている感覚はなく、30km巡航で走れる。そのまままっすぐ進めば東北道栃木インターをくぐって新栃木駅までまっすぐだ。14時30分、新栃木駅着。証拠写真を撮り忘れた。自転車を再びバラし、輪行袋に入れて構内の時刻表を見たら、あと7分で区間快速浅草行きが来る。15時のそれに乗って、北千住で下車、各停で曳舟まで。本日2度目の自転車組み立て、あとは路地を出鱈目に走ったら自宅である。千秋楽に間に合った。