テクニカルツアー・戸隠五地蔵山

春分の日、インフィールドのワンデイツアーに今シーズン初めて参加。
登ったことのない山に行きたいと思い、戸隠の五地蔵山ツアーにした。
過去に何度か行った佐渡山の南南西の山で、高妻・乙妻への登山ルート上のピーク(標高1998m)だ。
地形図で見ると、どこを登るにしても急で、しかも尾根が細い。戸隠大橋から標高差900m。
かなり厳しめのワンデイツアーになりそうだ。

朝の集合が早いので、前日夜出発で道の駅「しなの」で車中泊。暖かい夜だった。
信濃町のチェーン着脱所でインフィールド車と合流し、戸隠大橋へ。参加者は6名になったようだ。
その参加者に今は白馬に住むMアネゴがいた。また1年ぶりの再会だ。

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Mアネゴの準備

さて、8時30分ころ出発して、牧場を西方面へ。小沢がすでに割れていて、スノーブリッジは1ヶ所しかなかった。暖かい上にもともと積雪量がないので雪解けが早く、見える五地蔵山上部にもクラックや全層雪崩の跡が見える。この状況を遠目で見ただけでスキーツアーの対象にすることを断念しそうな山だ。おそらく、新雪が降ったら雪崩の確率がかなり高そう。

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五地蔵山を仰ぎ見る

東に向かって爪のように伸びる3本の尾根のまん中を登行する。尾根が細くて下部では雪も消えている。キックターンで刻んでシール登行できればまだいいほうで、尾根上の雪がなく、スキーを脱いで土と落葉と雪(いまにも崩れそうな雪庇あり)のミックス帯を歩くのは難儀。午前中は風なく暑い。

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スキーを背負う。ジャケットの処理もスキーに巻くとはユニーク

1550mほどで一度緩やかなボウル上の地形のリップに乗るが、ここまでで約半分。その後さらに地形図では夏道の印のある尾根を詰め、13時近くになって山頂に着いた。お一人、シール登行がうまくいかなくて後ろに滑ってしまう方もいたが、他は難なくたどり着いた。薮を漕ぐような登りをしたり、枝をつかんで体を持ち上げたり、雪庇スレスレを歩いたりしなければならず、かなりスリリングでテクニカル、スキー登行に慣れた人でないと難しい。
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猿が目の前を悠々と
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最後の急登

ドロップは北東方面へ。相当雪が悪く、ストップ雪とザラメとクラストが入り交じっている上、強風で枝があちこちに落ちている状態だ。あんまりいい斜面とも思えず、テレマークターンもほとんどせず(できず)、安全に降ることに専念せざるを得ない。アルペンターンができるだけまだマシか?それにしても重くて疲れる雪だ。

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黒姫山(右)と佐渡山(左)を見ながら滑る

1540m付近の沢まで滑り降りて、東に向かってシール登行。こちらは難しいところもなく、左手に明瞭な1678mピークを見て1652mの台地に登る。シールを外して、ボウル上地形を滑り、標高差10mをシールなしで登る。ここでテレマークの機動力が発揮できる。ATスキーではちょっと辛く、ボードでは歩かなくては無理。最後に登った尾根の北側の沢を滑って牧場に出て終了。

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隈棚がいたるところに・・・

雪の悪さは一級品で、非常に疲れる雪質だった。しかし充実感はたっぷり。
新しいT2エコで初登りしたが、かかと内側にマメができた。つぶれるほどではなかったが、やはり汗でしめった靴下とインナーブーツの擦れが激しいようだ。メンバーの中に足の痛みを訴える人がいたが、それも登行がハードだったのが一つの要因だろうか。

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戻ってきた。五地蔵山、ありがとう

解散した16時過ぎからポツポツと雨が降ってきた。信濃町から高速に乗って、渋滞を避けて北関東道・東北道を経由する。東北道にも見られた渋滞が近づくにつれ見る見る解消し、ほとんど渋滞らしい渋滞に遭遇せず21時過ぎに帰着。