台風接近中のレスキュー練習

海の日。普段なら海岸沿いには近づかないほうが身のためだが、台風が接近していて人出はそんなに多くなさそう。吐月工房ご夫妻と午前中だけ安全な入り江でレスキュー練習してきた。

早朝はなでしこジャパンの決勝戦。当然キックオフ直後から観戦し、ハラハラしながらも追いつくなでしこたちに入れ込んだ。そしてPKによる優勝!すごい歴史を彼女たちはつくってしまった。負けたイングランド戦以外は全部観戦したけれど、大型化している他国のチームに対してなでしこは異色を放っていた。こういう技術の高いチームが優勝に値する、と断言してよい。


いつもの宮川湾だが、出艇場所の磯にはもう2m近いうねりが入ってきている。岩場の隙間から波しぶきが上がっている。こんな時に来たのは実は初めてだ。

カサラノを組み立て、海上に出る。いつもと様相が違って防波堤やテトラに囲まれた湾内でもゴミが浮き、濁っている。



蒸し暑いのでまず左右のロールから。なるべく水がきれいで波の影響を受けないヨットハーバーの隅っこでレスキューの練習。吐月工房夫人のレスキューはかなり久しぶりだそうだ。まずはそれぞれ沈脱して一人で再乗艇する練習だが、近くで吐月工房氏夫妻がやっているのを見て、やはり一人で再乗艇するなら、馬乗り再乗艇やフロートを装着したパドルを頼りに懸垂するよりは、フロートを利用したリエントリーロールが一番確実なのではないかと思った。コックピットに大量の水が入った安定性の悪いカヤックに乗り込んで着座するには相当の筋力とバランス感覚が必要になるからである。最初から着座姿勢で起こしたほうが、排水時のバランスにだけ集中できるのでメリットは大きい。
で、早速実演。片方だけ8割方空気を吹き込んだが、やはり体力を消耗しないで上がれるので、一人の時の不意沈では、落ち着いてリエントリーロールが着実にできることが肝要であろうと思う。フロートを使ったリエントリーは、ロールができなくても成功し易く、またロールの練習にもなる。


ここは足がつくほど浅くはありません

その後、実効性のあるグループレスキューに移り、私も一度沈脱してTXレスキューをしてもらう。これはこれで体力を使う。特に一番消耗するのはコックピット内の排水である。私が昨年からカサラノで使っているポンプは滑りが悪く、時々潤滑剤を吹いているが、すぐに潤滑剤が流れてしまうので、とても力を要する。
カフナの収納バッグに入れているオレンジのポンプの方が使うには良さそうだ。


スキンカヤックは沈脱すると全体に浸水するので排水が難しい。すぐに艇が沈んでしまう

その後何度かロールやスカリングレストをやって、正味1時間30分ほどで終了。バックスイープロールに今年初めてチャレンジしてみたが、やはり天地と左右の感覚が掴みにくく、最後のブレイスに失敗した。前と後ろだけでこんなに感覚が違ってしまうとは・・もう少し回数をこなさないと難しいみたい。スタンダードロールとロングブレイスロールは無難に成功。
ちょうど12時に撤収が完了した。船内も水浸しなので気休め程度にフレームに真水をかけてから拭いておく。仕上げに潤滑剤(最近はマリン用のCRC666を愛用)。船内を乾燥させるのはは適当に。

まるよし食堂で昼食を食べて帰路につく。ついでに台風の海岸がどうなっているか見たかったので、海沿いに三浦海岸まで走ってみる。入り江はまだ大丈夫だが、磯場はかなり激しく波濤が押し寄せていて、波しぶきで空気が白っぽい。しかし海水浴場のある三浦海岸はまだ少し波が高い程度か。それでも個人サーファー、ウインドサーフィンのスクール、SUPのスクールが海に入っているだけで、海水浴客はほとんど砂浜にいるだけだ。


宮川漁港の陸上にある防波堤から撮影してみた。まだ序の口の波であろう。