ステップソールで魚沼スカイライン縦走

新潟県のムイカリゾートから上越国際スキー場まで、2つのゲレンデトップを繋ぎ、雪で埋もれた魚沼スカイラインをステップソールスキーで縦走してきた。今回は一方通行のスキー行になるので、クルマでは行かず、新幹線と上越線を使う。まさに旅らしくなった。

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クルマで行くと出発地に停めた車両を回収せざるを得ず、また帰路の関越道渋滞が厄介だ。行きは始発の上越新幹線に指定席の余裕がわずかにあったが、帰りの越後湯沢からの新幹線は軒並み指定席が埋まっている。新幹線に乗り換えるなら、余席のある便のグリーン指定を買うか、自由席の熾烈な争いに加わるか、それとも上野まで70分くらいだから立っていくか・・でも14:53上越国際スキー場前発の各駅列車に終点の水上まで乗っていけば、接続よく高崎で乗り換えて上野までたどり着ける。これしかないと思って計画を進めた。結果、渋滞知らずで19時過ぎには帰宅できた。

列車でスキーに行くのは本当に久しぶりだ。下山後にクルマ回収地まで公共交通機関を使うことはあるが、自宅からスキーとザックを担ぎブーツ袋を抱えて列車に乗って行くのは遥か昔、妙高バックカントリースクールの春の至仏山ツアー(記念すべき初ツアー)や初めてプライベートで知人3人と根子岳に行った時以来かもしれない。大荷物を抱えて移動するのはカヤックの旅で慣れてはいたし、カヤックに比べればはるかに機動性もある。

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地味な色のスキーケースとブーツバッグ。派手な色のザック

ただし、列車での移動は事前に準備をしておかなくてはならない。クルマのように自分の都合に合わせて好きな時に出て行くことができない。これが面倒くさい。さらに待ち時間を無為に潰すのがイヤなので、実際に移動する時間と待ち時間が拮抗する飛行機は大嫌いなのである。

2日前に往きの新幹線の空席をネットで確認してビックリ。待ち時間最短で六日町駅まで行かれる新幹線はすでに指定席が売り切れている。その前後もすべて×(私が週末の新幹線事情を単に知らないだけ?)。結局、出発時刻を50分近く繰り上げて始発の上越新幹線「とき301号」の指定席を取る。輪行と同じで、車両最後尾の席だとスキーを背もたれの後ろに立て掛けられるが、そこは埋まっていたので車両最前列の2人席窓側を取る。結果的にはスキーを窓側に斜めに立て掛けられ、埋まっているはずの隣席も越後湯沢まで空席で快適だった。1日前、復路の乗車券のみ購入する。都区内まで3,600円あまり。これで寝坊さえしなければ往復ともに大丈夫だ。相棒のG3FINDR86はモンベルのポケッタブルスキーケースにストックとともに収納し、テレマークブーツとアウターパンツはカラファテのブーツ袋へ、BC用ザックのターギー45に登山関係の道具や食糧・飲料を入れていく。もしもの寒さに備えてレザーグローブを2双持っていったが、結局気温が高くてフリースのインナーグローブだけでコトは済んだ。フーディニの軽いアウタージャケットもザックから出さなかった。ビーコンやゾンデ棒など、基本林道歩きの単独行では不要な物も持っていかなくてよかった(単独でもビーコンを持っていくのはもしもの時、捜索上役立つかもしれないから、と考えているが今回は不必要だった)。ヘルメットは置いていった。ザック内の荷物が多くなった結果、現地でスキーブーツを履いてアプローチシューズをザックにしまうのにザック内部の余裕がなかった。しかしツェルトやファーストエイドキットは外せないし、アウタージャケットも非常時のビバークなどを考えると置いていけない。

さて24日は朝5時15分に自宅を出て、両肩に荷物を背負っていく。上野駅で待ち時間20分、越後湯沢駅で待ち時間30分。当初の予定と同じ8時過ぎの長岡行き各駅停車に乗って六日町駅へ。帰りに列車に乗る予定の上越国際スキー場駅で大勢が下車していった。六日町駅東口では八海山スキー場行きのバスが停車していたが、20分待って(この間にトイレでスキーパンツに履き替える)ムイカリゾート行きの送迎マイクロバスに乗り、9時ころ到着。リフト券売り場に列ができていたので、ゆっくり目に準備して(というか、ブーツを履いた後の脱いだアプローチシューズの収納に手間取る)いるうちに列が短くなり、これ幸いと1回券2枚購入。登山届も窓口で受け取って頂く。

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越後湯沢駅にて在来線に乗り換える(車掌さんがりりしくて美人でした)

2本のリフトに乗り、9:40ゲレンデトップへ。雪上車がつくった桝形山山頂へのハイクアップルートをたどって山頂直下へ。10時、縦走開始。未圧雪のスカイラインへ進入する。はじめは下り基調だが、尾根が狭くて道路幅しか通れるところがなく、尾根の向きによって雪の積もり方がいやらしいところが数か所ある。道路上は幅3mくらいのうねった雪面(うねりの高低差が30cm〜80cm)で、右側は40度以上の急斜面、左側も急斜面で雪庇あり、という条件でステップソールで歩くにはそれなりのテクニックが必要だ。ムリに直進せず、雪面にうまくあわせて、しかも北側のクラスト雪を蹴り込んで足場を作らないと危険な場面もあった。稜線を切り通している場所では上から雪庇が落ちてくる危険性も感じた(雪どけ水がポタポタ落ちているので怖い)。

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桝形山方面を振り返る(単独スキーヤーとすれ違った直後)

675mポイント近くだと思うが、向こうから単独スキーヤーが歩いてきた。すれ違い時に声をかけたら、地元の人で集落(おそらくスキートレースから八箇集落だろう)から歩いて登ってきたという。「ここいらはおれたちの庭みたいなもんだ」「今日は運動不足だからこうして歩いてきた」「帰りは同じ道で帰るか、スキー場に降りて仲間に迎えに来てもらう」などと言っていた。日曜日の午前中に運動不足だからとスキーを履いてハイクアップしてくる、なんていうのは最高の贅沢でうらやましい。こちらが、上越国際スキー場まで歩く予定だというと、「楽々だぁ」とのお返事。こんなマイナーな(でもかつての「山スキールート図集」に掲載されているクラシックなコースではある)コースで人に会うとは・・ちょっと嬉しくなる。

八箇方面へ下る林道との分岐で小休憩。11:00。このあたりからスカイラインの両脇が広くなり、谷もやや浅めになってくる。緩く下っていくと左手に樽山が見え、スカイラインの左手1段上に護国観音が置かれた場所があるようだ。スノーシュー、スキートレースが多くなってくる。右手は杉林だが、斜面が緩くなり、疎林になっている部分もあるので、そのまま標高差130mほど滑り込んでみた。明るくて良い斜面なのだが、中盤に大きなギャップがあり、勢いが付いたまま滑っていくことは危険だった。結局低速でギャップを見極めて滑り、560mあたりでシールを貼って登り返した。滑り5分、登り30分。シールをつけたままで護国観音まで登り、屋根で覆われた護国観音前で日光を避けながらシールを外して小休止。12:15。日差しが強くて日陰でないとまぶしく、液晶画面も見えにくい。

もう目の前が栃窪峠だ。12:30。道路は左手がシャトー塩沢スキー場(稜線上から営業しているのかどうかわからず。スキー客も見つけられず)の上の栃窪集落、右手は十日町方面だが塩ノ又集落。私は直進してスカイラインをたどる。稜線は広く、進行方向左手も右手も緩い尾根が延びていて少し遊びたくなるが、ステップソールでは板が走らなくて面白くないだろう。それにしても、今日は朝からずっと八海山から巻機山まで越後の白い山々がくっきり見える。右手の遠方には妙高・火打も確認できた。スカイラインを少し外れて緩く滑ったり登ったりしていたら、リフトが見えてきた。

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素晴らしい山並み

13:20、ゲレンデに入る。ゲレンデの雪はシャバシャバの重い雪。ボーダーが多いスキー場だ。頼むから人の目の前で5mおきにコケるのは止めてくれ。ステップソールでは緩斜面でスピードが落ちてしまい、とてもつまらない。何とか重い雪をアルペンターンでこなし、13:40に駅の目の前にあるアネックスに到着。13時台の列車が出た直後で、待ち時間が1時間以上あるので、ゆっくり着替えてスキーを乾かし身支度をする。ムイカリゾートに下山を連絡し、スマホから出した登山計画の下山報告も済ませる。それでも列車到着の30分前には無人の殺風景なホームに立ってしまう。列車時刻が近づくにつれて乗客が集まり、乗車する。幸い、座席は確保できた。

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上越国際スキー場前駅上り線ホームから八海山方面

水上まで春のような残雪の中を進んだ。土合から谷川岳に行っていた登山者が乗車してきた。みな一様にグレゴリーのバルトロシリーズなど大型ザックを抱えているが、テント泊は谷川岳近辺ではできないはずだから、やはり寒さ対策グッズがザックの中身を占めているのだろう。しかしあんなにバルトロシリーズが売れていたとは知らなかった。水上まで50分、水上から高崎まで1時間、高崎から湘南新宿ラインで上野まで2時間弱。3本の列車とも座席を確保でき、進むにつれてスキーやブーツ袋は場違いな荷物になっていくが、お尻が痛くなるほど座っていられた。19時過ぎ、無事自宅到着。渋滞知らずで快適なスキーハイキングであった。

この日の動画(iMovieで制作、2分40秒、約400MB)

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ゲレンデ部分を除いたデータ
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