18東北巡業登山旅行(その3・焼石岳東成瀬コース)

8月3日(金) 晴れ
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朝6時台にホテルを出て、空いた国道13号を北上、十文字から国道397号でジュネス栗駒スキー場方面へ。パークゴルフ場を過ぎてしばらく登ると左手に焼石岳登山口への林道分岐があり、比較的フラットな砂利道を数キロ進む。標高930mに駐車スペースがあり、登山口だ。すでに2台のクルマが駐車されているが、神戸ナンバーと滋賀ナンバー。ずいぶん遠くから遠征に来ている。

7時45分、登山開始。焼石岳登山は今回の東北巡業のメインだが、最初は岩手県側の中沼登山口か、つぶ沼登山口から登ろうと思っていた。しかし女房連れなのでなるべく短い登山ルートが好ましく、登山口の標高が高いほどありがたい。気づいてみると秋田県側の東成瀬村からのルートは好条件で、歩いている最中も変化があって飽きさせない。途中に避難小屋こそないが、結果的にこちらを歩いてよかったと思った。

登山者が極端に少ないので熊に警戒しつつ、歩き始める。まもなくすずこやの森ルートと合流し、大森山の中腹をトラバース。すでに岩手県に入っている。標高1050m前後だが、6合目くらいまでほとんど標高が変わらない登山道であり、歩きやすい。途中、5合目の「釈迦ザンゲ」で高台に登って視界を得られるが、ずっとブナの樹林帯である。
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釈迦ザンゲから西焼石岳方面

「釈迦ザンゲ」とはユニークな名前がついているものだが、そこからはゆっくりと標高を下げ、胆沢川に近づく。幅5m程度に細くなった胆沢川を3回徒渉する。最初は水が左から右に流れていたが、2回目の徒渉は右から左に流れている。3回目は左から右だ。沢が何本もあるみたいに感じられて頭が混乱してくるが、要するに川が蛇行しているところを串刺すように登山道が貫いていると考えると納得がいった。登山道に徒渉が入るのは変化があっていいが、増水時は渡れない。6合目は「与治兵衛」。胆沢川の水を秋田側へ引こうとした人物の名前だそうだが、いい名前だ。胆沢川から少し離れて尾根の上を登山道は延び、7合目「柳瀞」。ちょっとした広場があって小川もあり、浄水すればテント泊できそうだ。8合目が「長命水」。長命水はいい清水が2箇所からジャンジャンわき出ている。まもなく焼石沼があるが、過去にはこの辺で牛の放牧が行われていたらしい。電子地形図には沼のそばに建物が描かれているが、そんな建物はすでに撤去されて存在しない。沼の見学は下山時にして、平坦でお花畑になっている沼周辺を後にする。ようやく登りがきつくなってきて、9合目の焼石神社に詰めていく。登山道の脇には細くなった胆沢川の源頭部があるようで水の音がさかんにして、植物も豊富だ。樹林帯をすでに抜けているので日差しが強い。
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徒渉点
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ハクサンシャジン
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タカネナデシコ
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ヤマハハコ
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長命水

焼石神社で標高1430m。溶岩ドームのようになった焼石岳山頂に向かうルートは大きな岩の連続で歩きにくい。20分ほどで11時30分山頂着。山頂は3人ほど。休憩と行動食摂取。しばらくすると岩手側からおばさん3人組、さらに泉水沼の方から団体が登ってくるのが見えたので、11時50分には山頂から下る。同じ道の下りではなく、泉水沼方面に下り、東焼石岳方面への周回路を使って焼石神社へ散策する。登りに使った岩だらけルートを回避した。若干時間は要したが、焼石神社から下山する。焼石沼に近づくと、源頭部の沢水が一時的に集まっているだけなので水はきれいで浄水すれば飲めそうだ。沼のほとりは平坦地があって快適な幕営ができそう。
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山頂到着

長命水で帰りの水を汲んで長い下山ルートに入る。釈迦ザンゲで14時45分、登山口に降り立ったのが15時30分。東成瀬ルートを使った登山者がおそらく我々の他に4〜5人(先方に見かけるか追い抜かれた)、最後に作業者3名とすれ違っただけだった。静かで変化に富み、景色も良くて水も豊富、文句なしの登山路だった。こんな登山ルートを頻繁に歩ける秋田の人が羨ましい。
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泉水沼と山頂
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標高1500mに雪渓がまだ残っている
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焼石沼(正面のポコが焼石山頂)

駐車台数がゼロになった林道のどん詰まりから移動。横手市を過ぎて真昼岳のふもとの美郷町の公共温泉宿泊施設へ。久しぶりの和室でゆったり休んだ。真昼岳、和賀岳登山はまたの機会に。