バイク通勤(ナビ実験)

空冷エンジンの熱はすごい。信号待ちなど、エンジンをかけながら停車しているのは「股火鉢」を抱えるようでもの凄くキツイ。よって8月8日以降は暑すぎてバイクには乗っていない。

この間、バイクでスマホナビを使うにはどうしたらいいかと試行錯誤してきた。
よくスマホをハンドルにホルダーで括りつけている画像をweb上で観るのだが、昔は出かける前や途中で停車して穴が開くほど地図を見て、頭脳ナビにルートをたたき込んでからスタートしたのが普通なので、運転しながらスマホの小さな画面を見るというのがカッコ悪いと思い込んでいる。ハンドル周りのスッキリ度も低下する。年寄りの戯言、リターンライダーの冷や水に過ぎないが、バイクはある程度スタイリッシュに走るものだ。マシンも、ウェアも。

そういう点では、キャリアを装着することにすら逡巡している。シート後部面積が小さいオフロードバイクで林道ツーリングし、幕営しながら移動するにはキャリアは不可欠だったが、オンロードバイクにキャリアを後付けすると実に野暮ったくなる。シート後方に40Lくらいのダッフルバッグを置いて、はみ出す部分はコンパネを下に敷いて支えるくらいの方が到着後にコンパネを利用できそうだし、それでも荷物が多くなればサイドバッグを左側だけに装着すれば何とかなるんじゃないかと思う。だいたい、ロングツーリングでも移動するのは日本国内なので、必要なものは出先で買ってもよいし、オンロードしか走らないのであれば持って行く工具類もほとんど要らないだろう。

脱線が長すぎた。バイクナビの話。
スマホのアプリは頭脳ナビを補助するものとして位置づけ、スマホはポケットに入れておいて画面は見ず、音声案内だけで移動できないか?音声ナビは、車でも使っている「Yahoo!カーナビ」を使いたい。Googleマップもできなくはないが、ルート選択がマニアックすぎる(わざと幹線道路を外す)し、Yahoo!カーナビの定評は高い。

さらに、カーナビアプリの起動からナビ開始まで全て音声で操作したい。幸い、Yahoo!カーナビは「ねえ、Yahoo!」の呼びかけで行き先設定とルート選択、ナビ開始が可能である。

すると問題はロック状態のiPhone11からカーナビをSiriを使って立ち上げること。Siriなんて今まで真面目に使ったことないぞ!そもそも人前でHey Siriなんて言うの恥ずかしすぎる。家でコソコソと独り言を言ってSiriを立ち上げて操作してみるが、ロック状態からSiriに頼ってロック解除することはできない。したがってアプリを立ち上げられない。つい画面を見てしまうとfaceIDでロック解除してしまうが、画面を見ないようにすると「まず、ロックを解除して下さい」と言われてしまう。

これは事前にロックを解除しておく必要がありそう。さらに自動ロックがかからない設定にしておけばよかろう。スリープ状態から復帰してSiriに呼びかけるためのスイッチと、ヘルメットの中でどうやって音声を聴きSiriに語りかけるかに関わるスピーカーとマイクが課題になった。一番簡単な解決方法はインカムを購入することだ。Amazonでも手が出るくらいの価格で売られているが、インカムをヘルメットに仕込むとヘルメットの扱いに気を使わなければならなくなる。できればヘルメットを外してからも利用できるデバイスがいい。

リサーチすると、世の中にはすばらしい人がいるもので、「
バイクでSiriを活用するための独自研究によるノウハウ集
というウェブサイトが同じような問題を克服している。インカムスピーカーは音質がかなり悪いこと、Air Pod(第2世代)を用いるとさまざまな問題が一挙に解決すること(アップル純正のイヤホンであればHey Siriの呼びかけでSiriが起動するし、音質は向上し、さらにAir Pod Proなら外部音も取り込むことができる)がわかったが、Air Pod Proは3万円近く、価格が高すぎるうえ、カナル型ゆえ電子的に外部音を取り込むというのがどうなんだろうと思いはじめた(実際に試したことはナシ)。上記サイトでは有線のEar Pods(iPhone付属イヤホン)を用いることでマイクを口の近くに配置していて、マイク部分を長押ししてSiriを立ち上げるのではなく、ハンドル近くのスイッチで立ち上げる仕様にしていた。
Siriを立ち上げるスイッチについては上記サイトではiOS13の機能とBluetoothマウスを用いていた。マウスのケースを防水してハンドルに固定し、ハンドル左側にプッシュ式スイッチを延長する工作までやっていて、徹底している。だがこれは手がこんでいる分大げさすぎるし、ハンドルにスマホのみをマウントする以上に仰々しくなってしまう。

ということでスピーカー&マイク問題とSiri起動スイッチ問題が立ちふさがったのだが、結局うまいこと解決できたのである。
スピーカー&マイク問題は、骨伝導イヤホンの購入で解決。
aftershokzAeropexを実店舗で購入した。イヤホンの音質は有線イヤホン>Bluetoothイヤホン(音の圧縮があるため)>骨伝導イヤホンらしいが、もともとヘルメットを被っているのだから高い音質は求めない。それより耳を塞がないでも案内と外音が同時に聞こえることの方が大事だ。マイクは耳元になるので走行しながらSiriに語りかけることは困難だが、信号待ちでは十分いける。さらにこの骨伝導イヤホンは自転車やジョギングでも使えるらしい。スキーでも使えそうだ。実勢価格は18,000円程度。
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Siri起動スイッチは、Amazonでたまたま見つけたBluetoothによる音量・曲選択リモコンスイッチがSiri起動に使えることがわかり、約4,000円で購入した。「TUNAI Bluetooth 5.0 メディアボタン」というもの。英語のマニュアルしかないが、iPhone11であれば内部スイッチをいじらなくても右矢印スイッチを長押しすればSiriが起動する(Amazonのレビューでは内部スイッチを切り替えることでSiriが利用可能とあるが、それは古いiPhoneの場合)。もちろん、音量調整やラジオ・曲の選局や曲飛ばし・リピートにも使え、かかってくる電話にも対応するようだ。腕時計ほどのスイッチは裏面に磁石がついており、ゴムバンドでハンドルに固定した受け皿に吸い付いて走行中でも落下はしない。ひょっとしたらタンクに磁石で貼り付けるのもいいかもしれない。

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骨伝導イヤホンで耳を塞がないとしても、走行中に外部音以外の音をイヤホンを通じて聴くのは道交法上ご法度なのかも知れないが、曲を聴いたりradikoでラジオを聴いたり、信号待ちでSiriに天気予報を聞いたりすることは可能だ。最近のiOSに装備された「ショートカット」をうまく使うと使い道が広がる。職場からの帰りに女房にLINEで短いメッセージを送ることもできる。


その後もう少し左にしてウィンカーのすぐ右に置いた。置き場所がフラットにならないので家具の振動止め(4cm角)をベースに噛ませた。

注意すべきは、上にも書いたようにポケットに入れたiPhoneがロック状態になってしまうと途中の信号待ちでYahoo!カーナビなどのサードパーティ製アプリを立ち上げることができないこと(ショートカットを使ってプレイリストをかけたりLINEで音声によってメッセージを送ることはできる)で、走行前にYahoo!カーナビを立ち上げておくか、走行途中に停車してiPhoneをポケットから出し、ロック解除してアプリを立ち上げておく必要がある(このへんはショートカットのうまい活用によってある程度克服できるかもしれない)。ナビと音楽を併用するとたびたび音楽が遮られ、ナビ音声の音質はかなり低音質であること、ヘルメットを被る前に準備を整えておいた方がパスコードを打たなくていいことなどだろうか。カーナビは目的地近くなってから頭脳ナビのアシストとして用いるのがよいというのが結論である。