山陰・若狭の旅(3・浜坂〜大谷)

自然と早起きして出艇準備に取り掛かる。7時ちょっと前に出発。本日漕ぐのは、浜坂から岩美町の大谷まで。前日とほぼ同じくらいの20kmだが、またロックガーデンや洞窟でウロチョロしながら漕ぐと距離は少し長くなる。


朝の海はいいもんです

出発

山陰本線の駅でいうと、浜坂→諸寄→居組→東浜までは駅が海岸沿いにあるが、その先の岩美、大岩駅はだいぶ内陸だ。車は浜坂に置いていくので私はテントなど不要な装備は車において行くことにしたが、車の回収が面倒だ。

オオタガキ氏は過去に漕いだことのあるエリアとなり、次第に郷里に近づいているので土地勘もある場所で、私は付いていく感じ。コースは先日のような人気をあまり感じない海岸線ではなく、岩礁帯の岬と海水浴場がある浜が交互にあって人気も多くなる。まして週末の土曜日である。




虹が・・

まず東の洞門と西の洞門をカヤックでくぐる。迷路のようなロックガーデンを彷徨い、居組の港近くの島でいったん上陸して腰を伸ばし、泳ぐ。


大人の夏休み

東浜の海岸は条件によってはサーフエリアになるそうだが、今日は風も弱く波も立たず、とろんとしている。浦富海岸のロックガーデンがツーリングのラストを飾るハイライト。崖上の道路からデイキャンプグッズなどを持ち込んで思い思いに磯の観察に来ている人々がいる中をそろそろ漕いで、暑さに負けて船隠しのような洞門奥にカヤックを入れて再びシュノーケリング。結構多様な生物がウロチョロしているようで、海中を見ていて飽きない。


だいぶ岩の色合いが異なる。山陰ジオパークは飽きない。舟隠しの洞門の奥で。

浦富海岸の複雑なロックガーデン

すると、ポリ艇の集団が岩場にきていた。近くの網代港から出てきたカヤック体験のツアーらしい。挨拶だけ済ませて先に進む。網代の漁港の防波堤を内側から抜けるが、今まで漕いできた場所の水質がグッと落ちてしまったので閉口する。そのまま港に隣接した海水浴場に上陸。12時過ぎである。無事ツーリング終了。


郷里に向かって漕ぐ男は絵になる(砂丘が見える)

カフナや装備を干しながら、私は車の回収に向かう。海水浴場の駐車場管理の人たちに駅への行き方を聞くが、「歩いたら相当遠い」という漠然とした返答のみ。バス停でバスに乗れば岩美駅まで行かれるが、週末ダイヤで真っ昼間のバスはかなり待たないと乗れないだろう。頭に残っている地図の残像(ツーリング中に地図はオシャカになりました)を頼りに炎熱道路をひたすら歩く。2.8kmくらい離れた無人駅の大岩駅に到着するころには、暑さで死ぬかと思った。だが途中、田んぼの中に鷺の群れを見つけたのでよかったことにしよう。不思議なことに、漕いできた山陰海岸では海鳥が圧倒的に少なかった。洞窟でイワツバメ、時々トンビを見るくらいだった。

待ち時間15分で汽車に乗れ、浜坂駅まで戻る。駅からキャンプ場までまた炎熱地獄を歩くのは敬遠したかったのでタクシーを捕まえる。無事車を回収し、今日漕いだ海岸を眺めながら大谷に戻る。ありがたいことにオオタガキ氏が私のカフナも解体しておいて下さり、収納バッグに収めるだけで撤収完了。ご実家に向かうオオタガキ氏を岩美駅まで送り、別れる。

もう灼熱下でのパドリングで体にダメージが蓄積されているが、漠然ともう少し漕いで帰ろうかなと思い始めていた。明石のtelemarkstyle(ts)さんに連絡を入れ、無理を言って日曜日にご一緒していただくことにした。瀬戸内海方面は風が強いということで、京都あたりの日本海に移動することになる。こういう時クルマは気楽だ。

浜坂まで戻る間(東浜居組道路というトンネルが無料で通行できた)に夕立があり、国道9号線に乗ってからも湯村温泉で夕立に出くわした。ハチ北のスキー場近くを通り、福知山の手前から舞鶴に向かった。非常に快適な道路で、こういう道を法定速度で走っていると旅をしている感じがする。

午後に予約を入れた東舞鶴のビジネスホテルに投宿。

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