はるばる高畑

毎年恒例の会津高原高畑スキー場参り。
のんきな書き出しだが、高畑スキー場も多くのスキー場の例に漏れず、経営が苦しいらしい。合併により南会津町が成立した時点から存続が危ぶまれていたが、ついに閉鎖の可能性が高まってきたようだ。といっても即時ではなく、あと2シーズン後に最終判断が下されるとのことだ。

私は初めてスキーを履いてからまる40年が経つ。もちろん、スキーを履かなかったシーズンもあるが、子供の頃通った大糸線沿線のスキー場が次々に閉鎖されるのを耳にしてきた。その名も「
追憶のゲレンデ」などのブログを拝見していると、閉鎖されたスキー場が全国に広がっていることがわかる。かつてあれほど殷賑を極めたスキー場が、ローカルスキー場から順に姿を消していくのを目の当たりにしたり、噂を聞いたりするのは非常に悲しい。

高畑スキー場はスキーヤーオンリー。顧客対象の関東圏からですらアクセスが非常に悪いというマイナスポイントがあるにも関わらず、世間に迎合せず硬派を貫いているゲレンデだ。それでも関東一円のスキーヤーの一部からは熱烈な支持が集まっている。そんなスキー場を廃止に追い込んでいいのか?もちろん、私ごときがシーズン中の練習に通ったとてどうなるものでもないかもしれないが、それでも高畑を応援したい。ぜひ存続させてもらいたい。そんな思いではるばる日帰りスキーに向かった。女房も体調が良かったので同行することになった。

東北道西那須野インターから約80kmほど下道(大半は雪道&峠道)を走らないとならないので、朝5時過ぎに出発。東北道で見かけるゲレンデ通いの車のほとんどは別のスキー場に向かっていく。インター降りたところから圧雪路でやっかい。塩原温泉で前後にいた車はハンターマウンテンやたかつえスキー場に向かったようだ。しかし9時30分に高畑の駐車場に着いてみると、ほぼ満車である。実は福島県の技術戦と、千葉県の指導者研修が重なったようで、めずらしく盛況である。満車になるのはおそらくグループで来ていないからだろう。リフト待ちもないし、技術戦のためにコースを作ってあっても交錯するほど混む状態ではない。

いつもながら、ここ高畑に来るスキーヤーのレベルの高さには驚かされる。ほとんどがアルペンスキーヤーだが、講習や個人練習をしているスキーヤーの滑りは参考になるし、刺激を受ける。もちろん、ファミリーも多い。

10時ころから昼食を挟んで15時まで、川場での練習と同じ内容を意識して滑る。それにしても寒く、時折強い風で雪煙が舞っていくので、フードのないペアリフトでは辛い。圧雪斜面では一つ一つのターンで課題を意識して、非圧雪斜面にはトラックがだいぶつけられていたが楽しく滑ることができた。

このスキー場はさほど広くないので、目的を持って滑らない限り半日以内で飽きてしまうような斜面構成だが、急斜面から緩斜面までねじれの少ない幅の広いバーンは意識した練習にはうってつけである。リフトは遅いが、それでも半日滑れば元は取れて脚が売り切れるくらい滑れる。ちなみにリフト券は土休日で正規料金3,800円、割引券で3,300円。駐車場代もタダ。下道が長い分(沼田から丸沼のほぼ倍とみればよい)、高速料金は浦和から2,000円以内となり、サイフに優しい。ゲレ食だって、悪くはない&安い。

いい加減疲れ、小豆温泉窓明の湯でゲル化する。リフト券を見せれば500円で広々した湯船に浸かり、広間で休憩もできる。

帰りは気が遠くなるが、関越と違い渋滞はほぼないので頑張るしかない。大相撲千秋楽をラジオで聴きながら帰路につく。雪の峠道は女房には辛そうなので、旧南郷町・だいくらスキー場・田島町経由で15kmほど余計に走って西那須野インターに戻る(甲子トンネルを越えて白河インターに向かった方が若干短くて良かったかも)。途中、塩原温泉でハンタマ帰りの車が増えたが、特に問題なく21時過ぎに帰宅。