嶺岡中央林道

山岳・林道スペシャル(アプレ・チタンクロス号)で房総半島嶺岡中央林道を走った。

前日のうちに輪行袋に自転車を入れておく。今回はすべて舗装林道ということで、空気圧を少し高めにセッティングしたのだが、なぜか輪行袋の中でチューブがバースト。タイヤのビードまで外れていた。こんなことは初めて経験したが、室内ということもあってものすごい音がして肝を冷やした。先日買っておいたシュワルベのチューブに交換して事無きを得た。予備チューブはあと1本だけサドルバッグに入っている。

さて、房総半島に向かう交通手段はどうするか?
電車輪行だと2時間30分、車だとそれよりは短時間でアプローチできるが帰りの渋滞が気になる。
当日朝、結構早起きができたので、車に積んでいくことにした。何せ車は3月初めにスキーに行って以来、全く洗車していないので真っ白だ。帰りに洗車してくることにしよう。

7時台に道の駅「富楽里とみやま」の駐車場に着いて、自転車を組み立て、8時ちょうどに出発。下佐久間という集落で「嶺岡中央林道3号線」の標識を見つけて登り始める。嶺岡中央林道の存在自体はオフロードバイクでツーリングしていたときから知ってはいたが、当時から舗装化が進んでいたと聞いていた。当時ダートでないと興味はなかったので、走ること自体が初めてである。想像では、房総半島の低山の尾根をつないでいくアップダウンの少ない舗装林道なんだろうなと思っていた。

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嶺岡林道3号の入口
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岩井海岸が見えるポイント

想像は甘かった。エンジン付きの乗り物とは違い、自転車にとってはハードな坂道の連続である。まだ体が温まっていないうちから10%程度の坂を登る羽目になり、息を上げながら時速10km未満で走行する。林道だから対向車もないので蛇行もし放題。体に負担をかけないように、ギアはインナー・ローを使いながら上体を起こして呼吸のしやすい姿勢を取り、マイペースで登ることにする。それでも腰に負担は来る。標高は次第に上がり、250m近辺まで上がってくると、右手に2月に若人と登った伊予ヶ岳の絶壁山頂部が見えてくる。伊予ヶ岳方面へ向かう林道も派生していて、そちらはどうもダートの匂いがするのだが、今回は派生林道に入り込むのはパス。またいずれ来よう。
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シロウトには辛いです

気持ちよく下りに入って県道と合流したポイントで嶺岡林道3号線終了。右折して県道を下り、三差路で左折して少し登り、右手に現れる嶺岡林道4号線に入る。こちらは短く、山越えをした時点で終了。小さな集落から白石峠に登ると、ゴルフ場コスモクラシッククラブのゲートが右手にある。ゲートをくぐり、直線的な坂を登る。ここも10%近い坂道で、路面が悪い。少しでも負担を軽減しようと蛇行するのだが、時折ゴルフ場に向かう車に追い抜かれて気を使う。ゴルフ場手前のT字路で初めて自転車を降りて休憩。9時15分。

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激坂登って思わず休憩(ゴルフ場手前)

ここからは嶺岡中央林道1号線だ。標高は300m台に入っているのだが、結構アップダウンがあってしんどい。愛宕山の自衛隊峯岡基地の直下が最高地点で標高約350m。ここからは断然路面状況が良くなる。快走して国道410号に出る。目の前に国道からそれて尾根へ登っていく嶺岡中央林道2号線があるので、そこへ進路をとる。国道との交差点でいったん標高150mまで降りてしまったので、またしんどい登りだ。嶺岡浅間の直下320mほどまでエッチラオッチラ登る。路面状況は自衛隊と関係なくなったため、再び悪くなる。ピュアロードレーサーの23c以下なら結構神経を使う路面ではなかろうか。こういう場面でもアプレ・チタン号の30cという太タイヤはいい。「大山千枚田」方面への激下り派生路があるが、いったん降りてしまったらもう登る気力はないので尾根道を直進する。ここへ来てようやくツーリングのバイク2台ほどに抜かれ、対向車として自転車が3台やってきた。当然挨拶する。盛りを過ぎた桜も増えてきて、やや元気が出る。もう1週間前だったら満開だったかも?

ストレートの下りになると、もう太海が近い。瞬間的にものすごいスピードになってしまうのでコントロールしながら下っていくが、なかなかブレーキレバー操作にも神経を使う。アプレ・チタン号のカンチブレーキは、もう一台のスポルティフのキャリパーブレーキよりなぜか強力なので(セッティングがいいんでしょうね?)、ガツンと握るとおそらく前転する。しっかし長い下りだ。この下りを逆から登るのはカンベンしてもらいたい。さっきすれ違ったロード3名はここを登ってきたわけで、すごい根性だな・・と思っているうちに別荘やペンションなどが出てきて、鴨川松島の景色が見えたら林道は終了である。ここまで30km,まだ10時15分ほどだ。里ではこいのぼりが風で泳いでいる。いい季節になってきた。
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鴨川松島の雀島です

最初は太海で昼になるかと思ったのだが、走り始めが8時と早かったのでまだ昼には早い。曽呂川沿いの県道89号線で戻ることにする。ここはかつて車で走ったことがあるので状況はよくわかる。曽呂温泉を左手に見ながら川沿いの道路を詰めていくと集落が終わって道幅の狭い山道になり、180mくらいの峠を越えて国道410号に出る。南西に向かって少し走り、下というところから再び県道89号線で標高150mほどの小峠を越えて平久里川沿いに天神郷に出る。2月はここから伊予ヶ岳に登った。伊予ヶ岳の南から西に巻くように少し登れば、あとは下り一方で道の駅だ。
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棚田は代掻が終わり田植えを待つのみ

林道よりは相当走りやすくて楽なルートではあるのだが、わずかな登りの峠がボディブローのように効いてきて、天神郷からの登りでヘロヘロになっていた。途中ツーリング中のバイク集団に抜かれ、あまりのエンジン音のうるささに閉口する。何台も同じ型のバイクを連ね、同じような「整備不良」ともいえる爆音を轟かせながら走るのは、かつてエンジン付き二輪車に乗っていたときから好きではなかったが(私はほとんどソロでツーリングしていた)、こうやって非力な自転車に乗ってみるとますます好きになれない。同じ自転車のツーリング集団も見かけたが、ああやって集団走行するのは風よけになることはわかるけど、5人も6人もいると関わり合いにはあまりなりたくない。ソロから3人くらいがツーリングのベスト人数じゃなかろうか。

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道端の菜の花に癒される

道の駅到着が12時。全走行距離60km。平均時速16kmほど。距離は短いけど、山坂道なので十分走った気がする。もう走る気力湧かず。まず自転車を片づけ、車載する。輪行袋の肩掛ストラップを後部座席のヘッドレストにひっかけ、自転車をハンドル・サドルを下側にする(縦型輪行袋は横型にも使える)。古チューブを切って輪にしたベルトを使ってさらに補強(マンガの受け売りだけどこれは便利)。高速道路の往復だったらこの程度で十分だろう。

バラしの反省点としては、アプレ・チタン号のスポークが角張っているので、ブレーキレバーと接触しただけでレバーの方が少し削れたこと。輪行すると知らず知らずのうちに傷が生まれるけど、まあそれは旅の勲章ということで。でもカーサイクリングは旅情に少し欠けるな・・

道の駅で弁当を買って食べ、眠くならないうちに帰路につく。京葉道路の渋滞もまだ起こっていなかったので、順調に江戸川を渡って、燃料を補給して真っ白な車を洗車機にかけて帰宅した。残り時間を有効に使って洗濯&昼寝したことは言うまでもない。ちなみに、この日のプロレース、パリ〜ルーベの結論はガッカリするものだった・・・

これから5月にかけてサイクリングに最適な季節がくる。できたら、また東武線をうまく使って前日光の山坂道へ行こうと思っている。