外房カヤッキングまたまたオオタガキ氏と

09年11月23日:記
先日の内房ツーリングから2週間。禁断症状が出始めていたが、連休最終日にようやく海に浮かんだ。連休の天気予報をずいぶん前からウォッチしてきたが、22日は最悪、23日は雨から晴れの予報だった。直前になってから23日の未明に雨があがることが判明。非常にラッキーである。これも日ごろの行いのせいか?安心して朝5時30分に自宅を出発した。

外房、それも鴨川や勝浦は高速道路で直接たどり着けないので若干時間がかかる。鴨川へは君津インターで降りて屈曲路の山越えをして、長狹街道を使う。途中コンビニに寄って、鴨川駅南口の前原海岸には8時過ぎに着。オオタガキ氏は前夜に到着しており、すでにカフナを組んで自作セイルのセッティングを済ませていた。海岸のサーフポイントには波待ちのサーファーが数多く浮かんでいる。まるでオットセイの群れのようだ。

早速カヤックを組む。今回は久しぶりにカフナである。たまには漕がないと。が、しかし8月下旬以来3ヶ月も組み立てなかったカフナの船体布は縮み、非常に組みにくい。キールからテンションをかけることができず、チャインからテンションをかける。するとフレームが船内でたわみ、バウの1番リブのガンネル部分(ここは緩めに嵌まっている)が外れてしまう。一度やり直しでバウセクションを引っ張り出してもう一度テンション掛けをする羽目になった。2度目はバウハッチから手を入れてフレームをリブにはめ込んで事無きを得た。その間、オオタガキ氏は自作セイルの試運転に少し沖合に出ていった。

さて、10時出艇の予定だったが早く着いて準備ができてしまったので、9時20分ころ出艇する。うまく行けば12時ころに和田浦に着きそうだ。出艇場所の目の前にはテトラポッドがあるのだが、波はテトラを回り込んで左右両方からやってくる。うまく出ないと横波をくらう。出艇直後から50cmほどの波を被りながら何とか漕ぎ出す。テトラを回り込んでしまえば波長の長いうねりになるので漕ぎやすくなる。外房の海水浴場はだいたいそうだが、沖合では波長の長いうねりで漕ぎやすいのだが、波打ち際がかなりカヤッカー泣かせである。しかもサーフポイントと出艇場所の海水浴場が隣接していることが多く、ちょっと緊張する。

さっそく波の洗礼
何とか切り抜ける


鴨川漁港から鴨川松島あたりの小島を縫って、仁右衛門島に近づく。4月に漕いだ時はブーマーを回り込んで一番外側から回り込んだが、今日は外側のブーマーがきつそうに見え、仁右衛門島の先の岩礁地帯にわずかな水路を見つけたのでそこから通過してみる。狭い水路を漕いでいる時に波が引き、吸い込まれて岩に叩きつけられるかとヒヤヒヤした。波裏の岩礁地帯で少し遊び、水底を眺めて再び漕ぎ始める。太海浜をかすめ、房州大橋近辺ではやや大きなブーマーが見えた。近寄らないようにして、第二の難所、江見太夫崎と江見吉浦にさしかかる。

まだ曇天
ようやく晴れ間が
今回はカフナブラザーズです
仁右衛門島近くの岩礁
江見に向かう途中で晴れてきた


御神根島(ごしねじま)あたりはブーマーが立つのだ。今度はかなり沖合から遠回りして切り抜ける。するとエチゼンクラゲがいくつも漂っていた。

君ははるばる津軽海峡を越えてきたのか?


あとは和田浦まで海岸線は単調で、岸によるとサーフポイントに近づいてしまうので沖出しのまま和田浦海水浴場へ近づく。後方の風力発電の風車が回っていて、風の通り道になっているところもあり、普通に漕いでいると右(岸方向)へバウが振られるので右スイープしまくりながら先に進む。右手にオレンジ色の屋根のリゾートマンションがあるのだが、前回と同様になかなか視界の真横に来てくれないので、進んでいる感じがせず、だんだん苦痛に感じてくる。もう出艇してから2時間以上、全く上陸していないのだ。幸い風も波も穏やかなので不安はないのだが、疲れてくると景色が次々に変わっていった方が精神的に楽だ。

だいぶおとなしくなってきた


やっと和田浦海水浴場が近づいてきたが、波のパワーが強く、1mくらいの高さでブレイクしている。上陸ラインを選ばないと波打ち際はかなり危険である。波のセットを観察し、夏に一度海水浴に来て一番波の影響がなかった場所へ何とか上陸。ホッとした。ちょうど12時のチャイムが聞こえた。

写真だとおとなしそうだけど


きれいなトイレ前でカヤックを乾かす。13時台の列車は昼食を挟むと難しそうだ。カヤック内部もほとんど濡れていないので、外側の砂を払って外側が乾いたらパキパキと片づいてしまう。13時に片づけ終わり、オオタガキさんはパックカートを引きずり、私は久しぶりにパックを背負ってクジラ料理の待つ「
ぴーまん」へいそいそと向かう。

オオタガキ氏はクジラカツカレー、私はクジラ唐揚げ定食を注文する。店のオバサンが私の漁サンに裸足姿を見て、以前来た時のことを憶えていてくれた。満腹になったところで和田浦駅へ。1時間弱、駅付設の観光案内所ギャラリーで時間をつぶし、14時24分発の内房線普通列車で安房鴨川駅へ。運賃は230円。車窓からはすっかり晴れて午前中よりおとなしくなった外房の海が眺められた。

クジラ唐揚げ定食


前原海岸からは車で帰路につくが、たまには千葉の温泉に浸かって帰ろうと思い、オオタガキ氏を誘って太海から山の中へ入り、曽呂温泉へ向かう。県道から曽呂温泉に向かう道は田んぼのあぜ道で、車1台がようやく通れる道幅しかない。すれ違いはかなり困難。日帰り入浴料金は1000円とお高めだが、千葉の温泉はみな加温していることを考えると仕方のないところ。建物はやや古めで、何か懐かしい感じのする一軒家の温泉旅館である。3~4人でいっぱいになってしまう湯船は決して豪華ではないが、湯は南関東特有の褐色で、硫黄臭がする。アルカリ泉なので肌がヌルヌルしてくる。面白いのは、洗い場のシャワーや上がり湯もすべて風呂の湯と同じ褐色のものというところ。要するに鉱泉と普通の水道水を両方加熱するのが面倒なので1種類の加熱で済ませているのだが、こういう立ち寄り湯も珍しい。千葉県では相当古い部類の温泉らしい。

千葉の秘湯


秋の陽はつるべ落とし。内房で夕日を拝もうかと思っていたがどうにも間に合いそうにないので、山間部を走って君津インターへ向かう。君津インター近くからやけに大きく富士山のシルエットが見えた。連休最終日とあって大相撲中継の合間にはラジオの交通情報で各高速道路の大渋滞を報じている。東北道が40kmオーバーの渋滞、関越、中央、東名も20km台の渋滞が発生している。ここ千葉でも館山道の交通量は多め、アクアラインもトンネルで渋滞、京葉道路も千葉市内でドンドン渋滞が長くなっている。トンネルで渋滞するのは心理的にイヤだ。したがって京葉道路を千葉の松ケ丘まで走り、下道で357号に出た。しかし、片側2車線の国道も稲毛で事故渋滞である。2kmほどだったが、なかなか進まないので18時を回ってしまった。事故現場を過ぎると無かったかのように流れ始め、湾岸習志野から東関道に乗る。そのまま首都高へ入ってもいいのだが、浦安でネズミーランドからの帰宅渋滞らしい。湾岸市川で降りて、下道で帰る。以外とこの道は空いていて流れる上に首都高料金を節約できる。結局高速代は行きが1150円、帰りが950円で済んでしまった。7時ちょうど帰宅。

小春日和のいいシーカヤックデイだった。