湯の丸・池の平湿原

ウロコ板で手軽に遊べる場所をを調べて、湯の丸高原に行った。

5時30分に自宅を出て、久しぶりに関越・上信越道を走る。日曜日でも関越道はスキーに向かう車が多く、東北道とはずいぶん違う。上信越道に入ると交通量も減ってきた。ややほっとして小諸インターから湯の丸高原スキー場に向かう。先週武甲山山頂で見た浅間山が美しい。

8時過ぎに第6駐車場に到着して仕度をし、30Lのザックを背負ってリフト券を1回分買い、標高1910mのゲレンデトップから少し下って高峰林道から9時15分に歩き始める。今回のスキー板はFINDR86 XCD。積雪量の少ないこのエリアに不釣り合いなウロコ太板だが、細板と比べて歩きに支障はないし、ウロコがよく効くのでこの程度ならばシールは不要だろう。何より今シーズン買ったこの板を存分に使いたい。

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FINDR86 XCD。ウロコがよく効く。その分、スピードは出ない。

2061mのポイントまでは林道上を歩く。スノーシューの足跡が多い中、わずかにスキーのトレースも見られ、ウロコの跡も発見できる。たぶん、前日の土曜日に入った人のトレースだろう。林道沿いは針葉樹が濃くてとても滑れる感じはないが、1ヵ所右手に池の平湿原の外輪山から滑れそうな場所があった。帰りにここを滑ろうと思う。

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人工物があって山に入っている感覚は薄らぐ

1時間弱歩くと峠に着く。2061mの峠近辺には冬季閉鎖されている小屋と夏季駐車場がある。その先に東屋があって、そこから右手に登って行く。池の平湿原は三方ヶ峰の噴火口で、その外輪山に沿って登るのである。こちらもスノーシューのトレースやスキー板のトレースがあって明瞭。最初のピーク(村境の丘)は外輪山の内側を巻き、「雷の丘」と「雲上の丘」のあいだあたりに来ると夏はササ原になるだろうオープンバーンがある。とりあえず「雲上の丘」まで行って(10時30分ころ)、仕込んできたフランスパンを少しかじり、周辺を眺めてから1本目を滑る。

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池の平湿原と浅間山(山上に多めに出ているのはおもに水蒸気だろうか)

登る時からわかっちゃあいたが、ひどいクラスト。まともなターンができないので、シュテムターンで減速してターンを刻むしかない。日が当たり始めているのに緩む気配はなく、ほぼそのままの雪質で湿原近くまで滑り降りる。標高差は約100m。バックカントリースキーの醍醐味はほとんど味わえない。でも、ウロコ板で来ている意味はここから。シールの脱着なしに再び東屋まで登り、2回目にチャレンジ。湿原の回りを歩く2人連れと、東屋近くで10人ほどの子供を含む集団に出会うが、スキーの人はいなかった。

2度目は手前の「雷の丘」近くで少し早いカップラーメンランチを摂り、そこからまっすぐ滑り降りようと思った。しかし1回目に輪をかけた強烈なクラスト雪で、スキーヤーズライトに逃げて1回目とほぼ同じコースになった。後から軌跡を見たら、2回ともほとんど同じコースを滑っている。

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シーフードヌードルと池の平湿原

最初は4回くらい滑れるかと思ったが、こんなクラスト雪では楽しめない。今回は偵察ということで、もっとコンディションのいい時に再訪しよう。三方ヶ峰の小諸側には斜度が緩めの尾根が伸びていて、こちらから登るのも南岸低気圧通過直後には面白そうだ。

ということで、早々に尻尾を巻いて退散することにしたが、もう一度「村境の丘」あたりまで登って、林道に向けて疎林帯を見つけて滑ることにする。最初はカラマツの枝がジャマでうるさいが、スキーヤーズレフトに回り込んだら疎林部分を見つけた。ウロコ板お得意の斜登行して、滑る。ここも激しくクラストしていてスリル満点だ。斜登行を終えてからボトムの林道まで標高差50m。数字にするとつまらない雪遊びに思えてしまうが、クラストの上に質のいい雪が乗っていれば雄叫びになるはず。今日は4時間も遊ばせてもらった。移動距離約7km、累積登行標高差530m。

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タラタラと林道を降り、ゲレンデに出たら、雪面が硬過ぎて今まで以上に恐ろしい思いをした。山から下りてきた後のゲレンデでテレマークターンなどするつもりはハナからないのだが、アルペンターン時にウロコ部分のエッジが効かず、アイスバーン上で横に流れるのである。カルフ10thマウンテンでも滑り出しの違和感はここにあった。ウロコ板で硬いゲレンデを滑る時はもっと真剣に身体を倒し込んでエッジに体重をかける意識を持たないとコケる。

ということで、リフト待ちの列ができていたが、回数券をあらためて買い求めて列の最後尾につく気力はすでになく、そのまま車に直行。14時にスキー場を後にする。浅間サンラインで軽井沢まで抜けてから高速に乗ろうと一瞬思ったが、まだ時間が早いからすぐに高速乗れば関越渋滞に巻き込まれずに済む、と思い直して小諸から高速に乗ったら、これが凶と出た。佐久平から登って八風山トンネル手前でピタ止まり。トンネル内で事故があって佐久平から碓氷軽井沢まで通行止めになってしまった。もう事故処理が終わって開通するまで待つしかない。待たされたのは1時間30分。サイドブレーキ引いてエンジン止めてラジオ聞きながらひたすら待つ。こんなふうになるなら下道走ればよかったなと後悔。ピタ止まりが1時間を過ぎると各車から人が降りてトイレを探しに行くようだ。私も少し尿意を感じるが、一人なので車を離れている間に動き始めたら迷惑だから我慢する。数台前のツアーバスから女性が2人後方に向かって歩いていった後、車列が動き始めた。ツアーバスは路側帯で止まり女性客を待つ模様。それを過ぎてノロノロトンネルに進入したら、大型バスが走行車線に止まっていた。側壁に接触する事故だったらしい。

その後激混みになる横川SAは避け、トイレは甘楽PAで寄る。どうやら関越道も複数個所で渋滞が始まっている模様なので、本荘児玉で降りて17号、125号、122号をつないで白岡菖蒲から東北道に乗って19時過ぎに帰宅。ふぇー、腰が疲れた。やっぱり冬は東北道方面がいいわ。3月には1度か2度インフィールドのツアーに参加しようかと考えているけれど、集団に合わせて北信・上越方面へ移動(夜移動して車中泊、帰路ピークをはずす)するのがとても億劫になってきた。

南会津方面で単独でも危険のない場所で少し歩いて少し登るので満足するか、悩みどころだ。