2月に読んだ本から

・磯田 道史著「歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ」(中公新書)
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2月は何冊か新書を中心に読んだが、これが一番面白かった。著者はテレビ番組「BS歴史館」によく出てくる日本史学者で、「武士の家計簿」の著者でもある。番組を見ていてもそう思うが、著者は本当に面白そうに歴史を語るのがすばらしい。著作の中でも、興味に応じてさまざまなことを調べ上げ、一次史料に当たっている。エラそうな学者が好みそうもない忍者などについても真剣に調べ上げているところが庶民的で好感が持てるし、自宅にある古文書が東日本大地震の時にどうなったか、なども面白い。

東日本大震災を機に、著者は静岡県の大学に意図的に移ったという。東海大地震に備えて日本史史料からアプローチできないかというのが著者の考えのようだ。あの地震はさまざまな人々の人生を変えたのだなと思う。