2018年4・5月に読んだ本

4月、5月とも、なかなか読書が進まなかった。ここに出していない本を含めて3冊くらい平行して読んでいたり、小出しに読んでいたので理解も深まらないのを反省。通勤途中の電車ではなかなか本が開けるようなスペースはなく、もっぱらラジオクラウドの再生に終始していたのも読書が進まない一因だろう。

・本村 凌二著「教養としてのローマ史の読み方」(PHP研究所)

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ローマ史研究家による。非常にわかりやすく、高校生の大学受験用参考書にしてもよい。私はオールドスタイルの勉強しかしてこなかったので、こういう教養書を読むことが最終的には受験にも役立つと思ってきた。効率とテクニックばかりを追求する受験勉強は大嫌いだ。この本を読めば、ローマという社会が何によって駆動されてきたのかがわかる。

・岡地 稔著「あだ名で読む中世史」(八坂書房)
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こういう本は出あった時に買っておかないと後で手に入れようと思っても苦労する。
中世ヨーロッパには面白いあだ名をもつ王がたくさん出現する。「禿頭王」とか「短躯王」などがそれだ。
そこを期待して読んだが、むしろカール・マルテルのマルテルだとか、王朝名とされるカロリングなどについて掘り下げてあった。現代日本は名前のバリエーションがやたらとあるので、あまりバリエーションがない時代や地域について想像が及ばないかもしれない。


・石川 薫、小浜 裕久著「『未解』のアフリカ」(勁草書房)
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二人の共著になっているが、ほとんどの部分は石川氏が書いている。あまり理解が深まらないアフリカに対する視線を修正するにはいい本だろう。読んでいて少し誤植が気になった。