2018年8・9月に読んだ本

この夏はバラエティに富んだ本を読み、映画も比較的多く鑑賞した。
特に歴史マンガを単行本45冊ほど電子書籍で読んだ。

・幸村誠「ヴィンランド・サガ」(アフタヌーンKC)
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ヴィンランド・サガは既刊21巻。11世紀の北海・バルト海周辺のヨーロッパ各地が舞台。
最初は血なまぐさいし主人公に人間性が感じられないが、しだいに性格が変化していき、ノルマン人が拡散した世界の縁まで舞台が拡大していく。「ヴィンランド」のタイトルから推測するに、北米大陸へ向かうことになるだろう。2019年にアニメ化決定とのことだ。

・惣領冬実「チェーザレ」(KCデラックス・モーニング)
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チェーザレはチェーザレ・ボルジアを主人公とした話。既刊11巻で、ようやく神学部の学生から司教になったところで停まっている。惣領冬実さんは女性漫画家なので、人物の輪郭線が細くてみな一様にイケメン。用語解説や執筆協力の専門家の文章なども載せられていて、舞台はほとんどピサなのに、登場人物も多くて読み進めるのに時間がかかる。教皇、メディチ家の当主、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、コロンブス、サヴォナローラなどが現れる。

・カガノミハチ「アド・アストラ」(ヤングジャンプコミックス)
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アド・アストラはハンニバル率いるカルタゴとスキピオを中心とするローマの戦いの物語。全13巻。カガノミハチの絵はきれい。全編に渡って人が次々に殺されていくので注意。



・浅見克彦「SFで自己を読む 攻殻機動隊・スカイクロラ・イノセンス」(青弓社ライブラリー)
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電子書籍版にて。攻殻機動隊とスカイ・クロラを論じているので飛びついたが、わかったようなわからないような・・読了するのに時間をかけ過ぎたのも敗因の一つ。

・高橋理「ハンザ『同盟』の歴史」(創元世界史ライブラリー)
・岡本隆司「世界史序説 アジアから一望する」(ちくま新書)
・佐藤彰一「剣と清貧のヨーロッパ」(中公新書)
・澤井繁男「ルネサンス再入門」(平凡社新書)
・長谷川修一、小澤実 編著「歴史学者と読む高校世界史 教科書記述の舞台裏」(勁草書房)
・大橋康一「実感する現代史 現代史」(ベレ出版)

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以上が歴史関係本。『ハンザ』は学術書。『世界史序説』から『ルネサンス』までは新書。『世界史序説』はアジアからの視点で世界史を語っている。『剣と清貧の・・』は修道会について述べているが、本腰を入れて読めなかった。『ルネサンス・・』は電子書籍で。少し視角が変わったルネサンス。
最後の『現代史』は他にあまり例を見ない本で意欲的だが、どう考えても間違っている言葉や不可解な表現がわずかながらある。9月末の時点で半分ほど読み進めた。


・ドリアン助川「線量計と奥の細道」(幻戯書房
・鶴岡由紀子「ばりこの秋田の山無茶修行」(無明舎出版)
・中島岳志「保守と大東亜戦争」(集英社新書)

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エッセイなど。ドリアン助川の『線量計と奥の細道』は、東日本大震災後まもなく何度かに分けて芭蕉の足跡を自転車を使ってたどった旅行記。場所ごとに線量計を出して測定している。この本で綴られている心情を、東北以外に住んでいる人たちは忘れかけているのではないだろうか。ドリアン助川氏が先日新聞に寄稿した樹木希林追悼の文章が出色だった。『線量計・・』でもそうだが、心に刺さる文を書く人だ。

『秋田の山無茶修行』はウェブサイトを運営する「ばりこ」さんが書いた山のエッセイ。焼石岳に登る前日、秋田県の湯沢市の書店で購入。文章が上手くて、HPとはまた違った角度から秋田の山を楽しんでいる。ばりこさんはその後仙台へ引っ越してしまったようだが、秋田の山へは足しげく通われているようだ。焼石岳登山のルートはたまたま同じ東成瀬村からのルートになった。

中島岳志の「保守とは何か?」を問うた新書が『保守と大東亜戦争』。久しぶりに彼の著作を読んだ。「保守」とは永遠の微調整、フランス革命時の理性絶対化を疑うことから始まっている。設計主義的な社会主義とはもちろん相容れないが、設計主義に近い右派思想も保守とは言えない。
読んでみて感じたことだが、やはり最近の一部の人たち(政権に近い人びと)の言説はおかしい。「保守」を名乗るならば、もっと腑に落ちる丁寧な言葉を用いて訴えるべきなのに、他者を認めず話も聞き入れない上滑りで独善的な言説が上から下まで何と多いことか。論点ずらしや逃げ口上、居直り発言など圧倒的に知性が足りない。休刊(廃刊?)した雑誌に掲載された勘違い論文、さらに勘違い論文の擁護論(ヘイトの上塗り)に至っては語る価値もない。

・中川健一「全国2954峠を歩く」(内外出版社)
・小川哲周・オゾングラフィックス「埼玉峠ガイド85」(オゾングラフィックス)
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いずれも電子書籍で。最近肩が痛いので自転車で峠に向かうことがなくなってしまったが、調子が良くなったら歩いてでも峠には行きたい。願望も込めて峠本を眺めた。
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