2017年4月に読んだ本から

・池田 嘉郎著 「ロシア革命 破局の8ヶ月」(岩波新書)
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ロシア3月革命から11月革命の成就までを描いた本。多くの人名が現れるので、ロシア革命の概要を知らないとなかなか入り込めない。しかし最新の学説をまとめている。

・塚田 穂高 編著「徹底検証 日本の右傾化」(筑摩選書)
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今月もっとも面白く読み進められた本。本当に日本の世論は右傾化しているのか、右傾化の背景には何があるのか。さまざまな著者の文章がそれぞれ深く、興味深い。個人的には最近のネットによく上がっている「ニッポン偉い!」という論調の文章を苦々しく思っているし、公共放送の番組内容は「ニッポンチャチャチャチャンネル(NCC)」と化しているように思っているので、この状況は何とかならないかと思っているのだが、政権与党と宗教団体の結びつきは強く、そう簡単に何とかなりそうな状況にはない。

・毛利 眞人
「ニッポン エロ・グロ・ナンセンス」(講談社選書)
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大正末期から昭和初期の歌謡曲に見られるエロ・グロ・ナンセンスを解明した本。「テロよりエロ」や「イット」という流行語に興味を持った。

・和田 靜香
「スー女のみかた 相撲ってなんて面白い!」(シンコーミュージック)
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よく行く書店で平積みになっていて、気になっていた。著者はこの本の中で実際に相撲を取り始め、大会にも参加している。その行動力には脱帽。内容も、ただ単にミーハーな相撲ファンというわけではなく、外国人力士に対する見方などはとても健全である。もういいかげん、「日本人力士」「外国人力士」などという分類はやめたほうがいい。