2016年11月に読んだ本から

・立石 博高・内村俊太 著・編集「スペインの歴史を知るための50章」(明石書店)
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このシリーズは弊社図書館にすべてあるので今まで自分で買ったことはなかったが、最新刊だったので買ってみた。所々の小ネタが面白い。

・米山 悟 「冒険登山のすすめ」(ちくまプリマー新書)
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弊社図書館で借りた。NHKカメラマンで、私と郷里を同じくする著者は高校生時代から一人で山に入っていたようだ。と思って読んでいたら、高校生時代のエピソードが2箇所ほどあり、私と同じ高校の出身者であることが判明。生まれ年も1年しか違わないので、1年後輩か同じ学年か?同じ学年とすると、知っている山岳部メンバーの中にはいなかったような気がして、他に同じ学年に一人で山に入る人はいそうにないので、勝手に一つ下の学年に所属していたと解釈した。
思わぬ出会いだ。著者は北大に進学して山岳部に入り、北海道の山を少数精鋭で登っていたらしい。大学の時の山の経験をベースにしてこの本は書かれており、スキー登山やイグルー作りなどについてもページを割いている。
一日で読んでしまったが、あまり類を見ない登山入門書で、決して少年だけに向けた本でなく、よいと思った。

・吉見 俊哉、平田 宗史、入江 克己、白幡 洋三郎、木村 吉次、紙透 雅子 「運動会と日本近代」(青弓社ライブラリー)
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弊社図書館で借りた。運動会は日本の近代史の中でどのように定着していったかがテーマとなっている。簡単に結論を言えば国策と集落や村の「祭り」が合体したもので、上からと下からの動きが学校行事にとどまらない広がりを持つようになった原因だ。都会の学校はあまり地域の人々に開かれた運動会にはなっていないが、私が経験した昔の地方の小学校の運動会は確かにそういう側面が少し残っていた。競技としての運動会と祭りとしての運動会が両面あったと思う。
それにしても、今となっては競技名からは容易に想像できない競技が昔は行われていたのだなあ・・

・宮本 常一 「私の日本地図2 上高地付近」(未来社)
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本屋の新刊本として並べられていたので自分で買った。宮本常一の著作はそれなりには読んだけれど、最近「私の日本地図」が15巻本で復刊していたとは知らなかった。この本は15巻の最後に出たもので、これでシリーズは完結。しかし残り14冊をすべて買う気にはならないので、近いうちに借りて読もうと思う。弊社図書館にはこのシリーズがない。もう50年前の紀行文だから、入れてもらっても読者は私だけということになりかねない。
1965年に宮本たちが調査した梓川沿いのダム建設当時の集落の記録がモノクロ写真とともに残されている。松本から高山に抜ける国道はまだ狭い上に未舗装だということがわかり、乗鞍高原(番所)の集落の素朴さや白骨温泉の鄙びた感じがとてもよい。
変わらぬものは松本城天守閣のみだ。