3月に読んだ本から

・山岡淳一郎 著「原発と権力 戦後から辿る支配者の系譜」(ちくま新書)
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歴史的に原発政策を描いた本としては、かなり面白い本だと思う。
原子力発電が核の平和利用で終始一貫しているはずはないのである。明白に核武装を予期した原発開発が行われ、各時代の権力者は原発を利用して権力の維持・拡大に努めてきた。総理大臣になれなかった正力松太郎をはじめ、岸信介・佐藤栄作兄弟、田中角栄、中曽根康弘らが、原発導入や米軍の核持ち込み、ウラン燃料の輸入先確保、核燃料サイクルをめぐってさまざまな駆け引きを行っていく。本の帯にあるように、裏面史を描いてもいて、ちょっと恐ろしくなることもあった。

・隆慶一郎 著「吉原御免状」(新潮文庫)
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八丈島で再読。第一級のエンタテインメント剣豪小説だが、遊廓吉原の成り立ちについてかなり精緻に調べ上げてある故に面白いのだと思う。後半は隆慶一郎の一連の小説ネタをそんなにバラしていいのと思うくらい開陳していて、「影武者徳川家康」をはじめ、ばらしたネタからスピンオフした小説まで読みたくなる。
私はあまり小説を再読するという習慣がない方だと思うのだが、面白いものは一定期間を置いて再読したくなる。日本の時代小説なら他には「柳生武芸帳」(五味康祐)。外国小説なら「カラマーゾフの兄弟」。映画なら、「男はつらいよ」。

余談
先日、山田洋次の「家族」(1970年)を録画して見た。70年の3月から4月にかけての短い間に長崎の伊王島から北海道中標津に移住する家族を描いたロードムービーだが、前年から始まった「男はつらいよ」のキャストがチョイ役で総動員されていた。主役の民子に倍賞千恵子、義父に笠智衆、チョイ役には前田吟、上野の安宿の主人でテレビ版「男はつらいよ」を見て爆笑する初代おいちゃんの森川信、ごみ捨て場にやってきて一言つぶやくだけの、先日他界したおばちゃんこと三崎千恵子、そして青函連絡船で絡む渥美清。
今はリゾートの島として生まれ変わった伊王島の40年前の映像や、鉄道、万博、東京をはじめ各地の様子も歴史的資料として観賞できる。おそらく、主役たちは実際に日本を同じ季節に縦断しつつ、列車の中でロケ撮影をやっていったのだろう。だから渥美清(寅さん)に向こうから愛想笑いをされると、思わず移動ロケに疲れた倍賞千恵子(さくら)は素で笑ってしまうのだと思う。その手法もすごい。

「山田洋次監督が選ぶ日本の映画100」(喜劇編)と、クランクインした「東京家族」に期待したい。

江戸スポ03.08

久しぶりにアイススケートに行く。1月末に行って以来だと思う。3月になって、江戸スポの一般開放日も増えてきたが、その分チビッコや学生が増えてきた。

家での用事を済ませて10時30分に滑走開始するが、11時45分からスケート教室でエリアが限定されてしまうので、広く滑れるうちにスピードに乗った滑走をしておく。しばらくぶりのスケートなので脚がだるくなった。

で、結局11時30分の整氷後の滑走エリアは約半分になってしまったので、12時で終了とする。



帰りにホームセンターに寄ってRVボックスを2つ買い、車内の整理作業をする。
結局、車内からある程度のモノを排除しないと整理はつかない。RVボックスは頻繁には使わないものと、寒い時のパドリングウェアを収納したらいっぱいになってしまった。とりあえず、何度かに分けて整理作業を進めるつもり。