2018年12月、2019年1月に読んだ本

この間、読書量は減っている。理由は、毎日の通勤時間帯にダウンロードしたラジオ番組を聴くのが習慣化しており、帰りもネットでラジオを聴いているためである。おもにTBSラジオの番組を聴いている。そのため、混んだ電車の中で本を広げるのはなかなかしんどくなってきている。そうでなくても冬はスキーのことが頭の半分くらいを占めているので上の空であることが多く、落ち着いて読書ができていない。

・佐藤 徹也 著「東京発 半日徒歩旅行」(ヤマケイ新書)

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気楽に公共交通機関を使って散歩気分で出かけられるプランがたくさん載っている。スキーシーズンが終わったらこの本を使って多摩方面などへ出かけてみたいと思う。


・松本 修 著「全国マン・チン分布考」(インターナショナル新書 集英社インターナショナル)
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性器の呼称の分布を追った真面目な言語学の本だが、著者は「全国アホ・バカ分布考」を書いたテレビ業界(「探偵!ナイトスクープ」プロデューサー)の人である。内容は極めて学術的だが、文章は平易で読みやすい。研究者が羞恥心からしり込みする性器の名称を徹底して追っている。日本の言語学・辞典作成の権威たちが怠ってきたことを告発する部分は特に圧巻。

・木庭 顕 著「誰のために法は生まれた」(朝日出版社)
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著者はローマ法の研究者。法を大上段から論じるのではなく、「近松物語」「自転車泥棒」などの映画や、ギリシア悲劇などの古典文学作品を高校生と味わい、論じることで法の本質をえぐり出そうとしている。読みやすくはあるが、法律そのものを扱うわけではないので、法律論としてはちょっとインパクトに欠けるか?

・南塚 信吾 著「『連動』する世界史」(岩波書店 シリーズ日本の中の世界史)
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外国史研究者による日本の歴史と世界史との接点を追求するシリーズの第一回配本。読み始めてすぐに意欲的なシリーズだと感じた。著者はハンガリー史が専門だが、アヘン戦争をめぐる19世紀の列強の個別状況や日本でのアヘン戦争に対する対応、米国のペリーをはじめとする列強との関係について論じている。専門を外れて文章を書くことは研究者にとってはとても勇気のいることだが、非常に分析は明晰で、いろいろと参考になる論考である。味わってゆっくり読んでいるのでまだ4分の1ほどしか読んでいないが、今後が楽しみな本である。