2016年12月に読んだ本から

・西谷 修 「アメリカ 異形の制度空間 」(講談社選書メチエ)
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これからアメリカはどこへ行こうとしているのか?まだ正式に大統領に就任していない人物の発言に世界が右往左往し、日本の首相は節操なく就任前の彼に会いにわざわざ出向いていく。冷静に考えれば異様である。そもそもアメリカ合国(この国名も意訳)だけがアメリカ大陸の他の国々を差し置いて「アメリカ」と呼ばれるのか?誰もが抱くが突き詰めようとしない疑問から著者は歴史的に説き始め、アメリカ合衆国が持つ排他的な「自由」の淵源を探り当て、それが世界に発信され押し付けられる現実をえぐり出していく。新聞で見つけた小さな書評コラムから購入したが、時間をかけて読むにふさわしい内容だった。

・浜本 隆三 「クー・クラックス・クラン: 白人至上主義結社KKKの正体」 (平凡社新書)
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白い目出し三角帽に白いガウンで有色人種に対して集団でリンチを行う白人至上主義の秘密結社、KKK。そのルーツと紆余曲折はどのようなものだったのか?KKKの名前は有名だが、その歩みは意外と知られていない。冒頭のコスチュームも、実はモノクロ映画でコントラストを明確にするための演出によって知られたものらしい。アメリカが抱える多民族性ゆえに、社会の中心たろうとする白人たちの不安と不満がこのような秘密結社を形成させた、というのは、秋の大統領選挙と通底するものがある。

・乗松 優 「ボクシングと大東亜」(忘羊社)
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現在途中まで読み進めている。読了後にあらためて書きたいと思っているが、今のところ読書に集中できない出先や、半分寝落ちしながら小刻みに読み進めているのでなかなか入り込めないでいる。戦中の「大東亜」という忌まわしき呼称を「東洋」にすり替えて興業としてのボクシングによって賠償や補償を抜きにして再びアジアに関わっていこうという動きがあり、そこに敗戦までの右翼やかつての革新官僚、暴力団などが関わっていたという。ちゃんと通して読めばかなり面白そうなのだが・・
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