7月に読んだ本

前半は仕事で忙しく新書中心だったが、どれも粒ぞろいの良書だった。
後半は仕事山行中の読書なのでコンパクトでボリュームのある「ハングルの誕生」を読み、月末は大著「黒船前夜」(ハードカバー大判の350ページ)にチャレンジ中である。8月は久しぶりに「罪と罰」を読み直そうと思っている。あと図書館から借りた鎌田 慧の「沖縄(ウチナー)」も読まなくては・・

・篠原 初枝 著「国際連盟」(中公新書)


読んでいて、いろいろと知らない国際連盟の内幕を知ることができた。もう忘れかかっているけれど。仕事に活用できそう。

・吉澤 誠一郎 著「清朝と近代世界 19世紀」(岩波新書)


岩波新書から出始めた中国現代史シリーズの1巻目。基本は清朝末期の歴史だが、周辺地域史(モンゴルや朝鮮半島、チベット、ヴェトナムおよび日本)も視野に入れて書かれている。

・野間 秀樹 著「ハングルの誕生」(平凡社新書)


この本は言語学的アプローチが少し高度でやや難しいが、新書というコンパクト奈啓蒙書としては出色の本だと思う。ハングル文字は非常に合理的で優れた文字だといわれているが、漢字文化圏の朝鮮半島で15世紀に生まれたこの文字がなぜ画期的なのか、ということがよくわかるような内容になっていた。

・渡辺 京二 著「黒船前夜 ロシア・アイヌ・日本の三国志」(洋泉社)



ただいま読み始めたばかり。ロシア人のクリル諸島(千島列島)への南下の下りを読んでいる。こういうマージナルな地域の歴史を描ききることは大変勇気のあることだと思う。
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7月のスカイツリー

梅雨なのでちょっとの晴れ間を見つけて撮影しないとなかなかいい写真が撮れない。
7月3日現在の高さは6月と変わらず398m。それは展望台建設に集中しているためだろう。
テレビのみならず駅のポスターなどでもスカイツリーをみるようになってきた。
先日散歩の途中でツリー直下を歩いたら凄い群衆。かつては寂れていた十間橋にも、逆さツリーを撮影しようとする人が必ずいる。
本当に完成したらツリー周辺はどうなってしまうのだろうか。大規模な再開発などがなされて街自体が大きく変わってしまうのはちょっと・・・
わが家のベランダくらい遠くから(直線距離で3km程度だが)眺めているのが平和でよろしい。
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6月に読んだ本

久しぶりの更新。6月はすべて図書館から借りた本。

・笠原清志 著「社会主義と個人 ユーゴとポーランドから」(集英社新書)


社会主義が論じられるとだいたい社会経済システムの話になってしまうのだが、筆者個人の体験を元にした個人的な交流を中心に述べた本であった。特に日本では今でも評価が高いポーランドのワレサ政権が、国内ではさほど評価されていないことが新鮮であった。

・西寺郷太 著「マイケル・ジャクソン」(講談社現代新書)


マイケルジャクソンが亡くなって1年。今でも追悼のテレビ番組や映像、音楽が流れてくる。先日のWOWOWでは、映画”THIS IS IT”をはじめとして丸一日マイケル特集をやっていた。著者はマイケル研究家のミュージシャンとしてよくテレビなどに登場してきた人物である。ジャクソン兄弟の生い立ちから新書の中でコンパクトによくまとめている。ただ、筆者が若いせいか、文章後に付け足されている「(笑)」が時々鼻につく。

・難波匡甫 著「江戸東京を支えた舟運の路 内川廻しの記憶を探る」(法政大学出版局)


「内川廻し」というのは利根川方面から運河を使って江戸に物資を運んだ河川ルートをいう。昔は房総半島を回ってくる海路は危険が大きく、関東各地から河川ルートを使って物資が運ばれてきた。地方からの物資が最後に江戸に向かって運ばれる河川が、わが家のそばを流れる中川であったり小名木川であった。以前ここをカヤックで漕いだことがあるが、現在ではほとんど見向きもされず、水深が浅いので舟もほとんど通らない。わずかに親水性を上げるための土木工事が行われてはいるが、結局ハゼ釣りのポイント以上にはなっていない。
東京やその近郊の水路はもっと見直されるべきだと思う。
この本は筆者がモーターボートで実際に東京から銚子方面まで移動したルポと水運史が重ねて描かれている。それなりに興味を持って読んだが、千葉県の水路は実際に見たり漕いだりしたことがないので実感が湧かない。いつか行ってみようか、と思っている。

・姜尚中・玄武岩 共著「大日本・満州帝国の遺産 興亡の世界史18」(講談社)


満州関係本はどうしても一度は手に取ってしまう癖があるが、この本は岸信介と朴正煕を
軸に描いた本。しかし、どうも満州史専門ではない姜尚中氏が手がけているのが気になる。先行研究は踏まえているが、読んでいくと修辞に拘るところが気になり始め、岸と朴の「評伝」として読んだほうがいいのではないかと思いながら読み切った。
岸は満州国の官僚として国家改造に辣腕をふるい、戦後は戦犯として雌伏しながら戦後政治に深く関与して首相にまで登り詰めた。朴は教員としての職を捨て、満州国で陸軍学校に入学し、戦後は日本協力者としてやはり光が当たらなかったが、60年代から軍事力を存分に行使して大統領に登り詰め、強権政治を行い、最後は暗殺された。二人は満州帝国が生んだ「危殆」であるという。もちろん岸と朴の政治家としての個人的つながりも太い。
この二人の関係を知るだけでも興味深く読めるのだが、私が最も興味を引いたのは、韓国併合後に朝鮮半島から満州に移住を余儀なくされた朝鮮人集団である。もっとこのへんに光を当てる本はないものかと思う。



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