2019年6・7月に読んだ本

・阿部 幹雄「那須雪崩事故の真相 銀嶺の破断」(山と渓谷社)
51bEf5un5vL._SX338_BO1,204,203,200_
那須茶臼岳での大規模雪崩事故は記憶に新しい。新雪が降った直後に何故スキー場のゲレンデ外まで出て、見ただけで雪崩発生ポイントとわかる地形に高校生たちを登らせたのか?まず競技山岳部(個人的に好きではない部活動だ)を指導する大人たちの問題があるのだが、生徒たちにもプライドをかけた競争意識があり、エスカレートさせてしまった部分があるようだ。新刊である。

・佐藤 優「君たちが忘れてはいけないこと 未来のエリートとの対話」(新潮社)
41SHLbaYa6L._SX346_BO1,204,203,200_
これまた新刊。いつも本を求めて彷徨う東京堂書店で那須雪崩事故の本と一緒に購入。佐藤優が灘高の生徒たちと対話する(佐藤が灘高におもむくのではなく、灘高生が上京して佐藤を訪ねる)ことで構成された本。加藤陽子の「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」と同様の手法である。最新の情勢を踏まえた対話なので面白い。これは続刊なので、最初の本も電子書籍で買い求めて読んだ。

・佐藤 優「君たちが知っておくべきこと 未来のエリートとの対話」(新潮文庫 電子版)
41zEvar4s6L._SX349_BO1,204,203,200_
ということでこれが最初の本。少し前の出版なので、現実と違う部分があるが、それでも読みやすく面白い。

・近藤 信行「田淵行男 安曇野のナチュラリスト」(ヤマケイ文庫)

41SPXHrRVdL._SX340_BO1,204,203,200_
登山中に読むために持参した文庫本。田淵行男は女房の実家のあった豊科の見岳町の交差点に面して自宅を構えていた。亡くなった後も表札が出ていたのを記憶している。ちゃんと読んでみて、田淵が信州人ではなく鳥取出身で、幼くして両親を失い、その中で上京して教員となり戦前はエリート教員だったことを初めて知った。ただの蝶好き・写真家ではなかった。豊科にある田淵行男記念館にも寄ったことがあるのだが、すっかり忘れていたのだろうか?


・シェルパ 斎藤「ニッポン10大トレイル」(エイ出版社)
51c0-jhES2L._SX348_BO1,204,203,200_
ロングトレイルを実踏して紹介した本。この中に先日歩いた裏岩手縦走路も含まれている。シェルパ斎藤たちは乳頭山から北東に下山して三ツ石山荘に登り、縦走路を北上して八幡平から後生掛温泉まで歩いている。我々は秋田駒から回り込んで玉川温泉→焼山→後生掛温泉→八幡平→裏岩手縦走路→岩手山に向かっているので、向きが逆である。この山域は他にも縦走ルートが取れて、東北では最も距離を稼げるトレイルになっている。他にも歩いてみたいルートがきれいな写真とともに紹介されている。

・信濃川 日出雄「山と食欲と私」1〜10巻(新潮社 電子版)
61tZUTgs9cL
下山してヒマになったので暑苦しい中つい電子書籍で大人買いして読んでしまった。ここで紹介されているレシピは実際の登山でも使えそうだが、毎回毎回新しいレシピを考えて昼にもバーナーで調理する人って、実際には少ないのでは?
Comments

2019年3月〜5月に読んだ本


・橋本 治「思いつきで世界は進む」(ちくま新書)
51dl39bavll._sx304_bo1002c204002c203002c200_
惜しい人を亡くした。

・伊藤 正一「黒部の山賊」(ヤマケイ文庫)

41heabcq7ml._sx352_bo1002c204002c203002c200_
遅ればせながら読んだ本。


・小笠原 弘幸「オスマン帝国」(中公新書)
41vyxjfrnbl._sx319_bo1002c204002c203002c200_

・橋本 倫史「ドライブイン探訪」(筑摩書房)
41zm6bya1hl._sx344_bo1002c204002c203002c200_
ドライブインは昭和の産物だがとても懐かしい。

・大西 英文「はじめてのラテン語」(講談社現代新書)
41zp790jm7l._sx284_bo1002c204002c203002c200_
電子書籍で購入、途中まで読んだ。

・ヤマザキマリ・とりみき「プリニウスⅧ」(新潮社)
51-mn5wmphl._sx351_bo1002c204002c203002c200_-2
うーん、ますますこれからどうなっていくやら・・
Comments

2019年1・2月に読んだ本と観た映画

12月、「アリー/スター誕生」をTOHOシネマズ日比谷観る。スッピンのレディー・ガガが健気でかわいい。
1月、「ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~」を観ようと思ったが悲しい結末は明らかなので観ずに終わる。ホイットニー・ヒューストンは同い年なのだ。
2月、「
ヴィクトリア女王 最期の秘密」をヒューマントラストシネマ有楽町で観る。主演のジュディ・デンチはヴィクトリア女王を演じるのが2度目だそうだ。インドから連れてこられて結局帰れなかった主人公の相棒が「イギリスは野蛮だ」と言っていたのが印象的だった。
「ファースト・マン」をTOHOシネマズ錦糸町オリナスで観る。アームストロング船長は子供のころのヒーローだ。「ブレード・ランナー2049」でも主人公のレプリカントを演じたライアン・ゴズリングは表情を抑えた演技をさせるととてもいい。後にラジオで深い解説を聴いてもう一度観たくなった。
「ヴィクトリア女王」を観に行った有楽町の映画館でやっていた「小さな独裁者」を観るかどうか逡巡する。結構えぐいシーンがあるらしく、遠のいている。
3月、
「グリーンブック」をTOHOシネマズ錦糸町楽天地で観る。アカデミー作品賞を取って客の入りも良いようだ。ロードムービー、音楽関連映画、といったところは個人的に琴線に引っかかる。そこまでメッセージ性の強い映画ではないが、コメディとして楽しかった。

・山とスキー編集部「山スキールート 212」(山と渓谷社)
41-yl6spcjl._sx373_bo1002c204002c203002c200_
結構分厚いルート紹介本で、「ハイグレード山スキー」(東京新聞出版局2007年)や「山スキー百山」(山と渓谷社2015年)以来のものだと思う。
地方に行くと県の山スキーエリアを紹介した本を見かけることがあって、偶然の邂逅を大切にして買うことにしているが、全国的に販売される大手出版社から出るものは最近少なくなってきた。ネット情報がより有用になってきたからだろう。しかし「山スキールート図集」などは古典的で写真もメチャクチャ古いが、この中に忘れられたツアールートが書き込まれていたりする。
この本の内容としては、やはり山スキーができるエリアの中から厳選する方式なので、マイナーなルートまで紹介できているわけではない。


・木畑 洋一 著「定刻航路を往く」(岩波書店 シリーズ日本の中の世界史)
41k8py-kdfl._sx339_bo1002c204002c203002c200_

・小谷 汪之 著「中島敦の朝鮮と南洋」(岩波書店 シリーズ日本の中の世界史)
51j3bpyymul._sx342_bo1002c204002c203002c200_

このシリーズはとても面白い。イギリスが開いた帝国航路を行き交った日本人の手記を通じて幕末以後の日本人の
アジア観を知ることができるのが前者、作家中島敦が少年期に住んだ朝鮮と、太平洋戦争開始前後に社会人になってから赴任した「南洋」を活写したのが後者。
Comments

2018年12月、2019年1月に読んだ本

この間、読書量は減っている。理由は、毎日の通勤時間帯にダウンロードしたラジオ番組を聴くのが習慣化しており、帰りもネットでラジオを聴いているためである。おもにTBSラジオの番組を聴いている。そのため、混んだ電車の中で本を広げるのはなかなかしんどくなってきている。そうでなくても冬はスキーのことが頭の半分くらいを占めているので上の空であることが多く、落ち着いて読書ができていない。

・佐藤 徹也 著「東京発 半日徒歩旅行」(ヤマケイ新書)

515Ztl65VUL._SX307_BO1,204,203,200_
気楽に公共交通機関を使って散歩気分で出かけられるプランがたくさん載っている。スキーシーズンが終わったらこの本を使って多摩方面などへ出かけてみたいと思う。


・松本 修 著「全国マン・チン分布考」(インターナショナル新書 集英社インターナショナル)
51faFAHb0dL._SX304_BO1,204,203,200_
性器の呼称の分布を追った真面目な言語学の本だが、著者は「全国アホ・バカ分布考」を書いたテレビ業界(「探偵!ナイトスクープ」プロデューサー)の人である。内容は極めて学術的だが、文章は平易で読みやすい。研究者が羞恥心からしり込みする性器の名称を徹底して追っている。日本の言語学・辞典作成の権威たちが怠ってきたことを告発する部分は特に圧巻。

・木庭 顕 著「誰のために法は生まれた」(朝日出版社)
51LxbENtxrL._SX342_BO1,204,203,200_
著者はローマ法の研究者。法を大上段から論じるのではなく、「近松物語」「自転車泥棒」などの映画や、ギリシア悲劇などの古典文学作品を高校生と味わい、論じることで法の本質をえぐり出そうとしている。読みやすくはあるが、法律そのものを扱うわけではないので、法律論としてはちょっとインパクトに欠けるか?

・南塚 信吾 著「『連動』する世界史」(岩波書店 シリーズ日本の中の世界史)
41+JoUpXlwL._SX338_BO1,204,203,200_
外国史研究者による日本の歴史と世界史との接点を追求するシリーズの第一回配本。読み始めてすぐに意欲的なシリーズだと感じた。著者はハンガリー史が専門だが、アヘン戦争をめぐる19世紀の列強の個別状況や日本でのアヘン戦争に対する対応、米国のペリーをはじめとする列強との関係について論じている。専門を外れて文章を書くことは研究者にとってはとても勇気のいることだが、非常に分析は明晰で、いろいろと参考になる論考である。味わってゆっくり読んでいるのでまだ4分の1ほどしか読んでいないが、今後が楽しみな本である。
Comments

2018年10・11月に読んだ本など

暑かった夏以後劇場で見た映画は、「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」「ボヘミアン・ラプソディー」の2本。秋は忙しかった。ともに実在の人物を主人公にし、一定年齢以上なら同時代を共有したスーパースターを描いた映画だった。
「ボヘミアン・ラプソディー」は現在かなり評判がいいが、そこまで評価が高まる映画だとは予想していなかった。封切り3日目に日本橋で観た時にはすでにパンフレットが売り切れていたところをみると、業界でもそこまで客が入るとは予想していなかったのだろう。
音楽が主役の映画だから、少し奮発して音響効果の優れた大画面のドルビーアトモスで観た。夫婦割ならそこまで厳しくはない。予想通り、圧巻だった。最後のライブエイドの20分の4分の3は涙が止まらなかった。その後パンフレットを購入がてら日比谷で2度目の一人鑑賞。これも涙をグッとこらえて最後まで見た。劇場を出てからも頭の中でクィーンの曲がリフレインし、帰ってからも動画や曲をかける始末。CD時代になってから「グレイテストヒット」ともう一枚くらいしか持っていないのでアルバムの片隅にある曲を思い出してYouTubeなどであらためて聞いてみる。
振り返れば中学から高校くらいまでクィーンよく聞いていたし、友達とよくクィーンを語っていたなぁ・・・青春ドンピシャのミュージシャンの映画は泣けてくるよ・・・

さて、読んだ本と読みかけの本です。
・J・ウォーリー・ヒギンズ「秘蔵カラー写真で味わう 60年前の東京・日本」(光文社新書)
51cF8scQPxL._SX306_BO1,204,203,200_

新書だともったいないくらい美しいカラー写真に彩られた昔の日本。自分が生まれる少し前から生まれた直後くらいの日本全国の写真がちりばめられている。東京生まれ・育ちではないので懐かしいと思う風景はないが、地方の写真には何かを感じる。著者は軍属として来日し、軍を離れてからも国鉄やJRの仕事を現在まで続けながら日本各地の鉄道をカメラに収めているという筋金入りの『鉄』ということだが、そちら方面はあまり詳しくないので、外国人でこんなに日本の鉄道に入れ込んでいた人がいたとは驚きだった。読むべき文字は少ないので分厚い割にはすぐに読み終わってしまう。しかし手放したくなくなる。

・臼杵陽「『中東』の世界史」(作品社)
41hN-yb5zZL._SX344_BO1,204,203,200_

臼杵さんは中東の専門家である。若いころ、土曜日にアジア経済研究所で開かれた研究会に顔を出していたことがあり、そこの若手研究者としてお見かけしたことがある。その後イスラエル・パレスティナ問題に関する書物や、日本のイスラーム研究史に関わる書物を問うている。個人的には10年ほど前に発汗された「大川周明 イスラームと天皇のはざまで」(青土社)が印象にある。
今回の本は、中東からの切り口で近現代の世界史を見るとどうなるのか、というテーマの本で、今のところ3分の2ほど読んだが、いとおしいので読み終えるのがもったいなく、わざとゆっくり読んでいる。


・輿那覇潤「知性は死なない 平成の鬱をこえて」(文藝春秋)
31x+oNsuCZL._SX348_BO1,204,203,200_
電子書籍で購入して読んだ。かつて「中国化する日本」で有名になった若手研究者がその後鬱になり、大学の教職から離れて治療を進め、回復する中で書いた書物である。内容は重々しいが難しい論理や表現で書かれた本ではなく、一般の読者にも取りつきやすい。しかしどうにも評価しにくい本である。

・馬場公彦「世界史の中の文化大革命」(平凡社新書)
31SRSQtMNiL._SX303_BO1,204,203,200_

これまた電子書籍で購入し、半分までは読んだが現在中断している。早く読まなくては。インドネシアと文化大革命の関係に対する理解は自分の中で深まったと思う。
Comments