山猫インドア備忘録

普段はぼんやりしている男の備忘録です

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2017年12月に読んだ本

・遠藤 正敬著「戸籍と無戸籍 『日本人』の輪郭」(人文書院)
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ラジオ番組に出演していた著者のトークを聞いて購入。学術書ともいえる重厚な研究であった。
近代の戸籍は壬申戸籍から始まるが、まもなく戸籍の本来の意味は失われていった。現在、本籍地とはどの程度の意味があるものなのか?
子どもが警備員のアルバイトをする際に、戸籍謄本の提出が必要とされてやむなく遠隔地から発行してもらった。しかしこの本を読んで考えてみれば、そんな大げさな書類を提出させることは社員差別に無頓着な会社であることを宣言しているようなもので(つまり日本国籍を有しないと雇用されないということ)、CMでも派手な会社宣伝を行っている大手警備会社のくせに、とんでもないブラック企業だったことがわかる。
戸籍の代わりに住民票があり、こちらの方が現在は意味が大きい。しかしさらにさまざまな番号(その時その時の国家の都合で多重に番号を割り当てられている)で我々は管理されていて、ほとんど戸籍は無意味だ。しかも無戸籍の人が多数存在し、生活上不都合を被っているのは理不尽である。


・岩鼻 通明著「出羽三山 山岳信仰の歴史を歩く」(岩波新書)
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夏に月山に登り、ずいぶん前に湯殿山神社のご神体を拝んだが、出羽三山の山岳信仰に興味を持ったため、購入し東北のスキー場行脚の最中に読んだ。山岳信仰って、なぜかわからないが魅かれるものがある。この本を読むと、自分で修行をしようとまでは思わないが、出羽三山に残されたさまざまな登山口から実際に登ってその文化を体験してみたいと思わせる。
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2017年10月・11月に読んだ本

読書の秋なのに多くの本は読めなかった。なんだか年を追うごとに忙しい。忙しいことを理由に読書しないのは怠慢を棚上げしているに過ぎないのだが・・・

・山口 裕之著「大学改革という病」(明石書店)
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教育に関する改革は必要だとは思うが、朝令暮改的な改革は意味がない。最近の教育改革はちょっとした社会現象に左右され過ぎている。特に近代資本主義社会では、実利を追求しすぎ、それを教育に負わせることに躍起になっている。かなり抑圧的な時代であっても、まっとうな人を輩出してきた歴史をどう捉えたらいいのだろうか。

・明治大学現代中国研究所編「文化大革命 造反有理の現代的地平」(白水社)
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文革についての論文集。広西で相当ひどい虐殺・暴力事件が行われていたことについては、この本で知った。文革期の破壊はすさまじい破壊だったということは聞いているが、日本でこのようなできごとが起こりうるだろうか?習近平の権力が圧倒的になり、党規約に「習均平思想」なるものが書かれるようになった現在、文化大革命の狂気を理解することは大切であろう。


・カレン・アームストロング著 小林朋則訳「イスラームの歴史」(中公新書)
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イスラームの理解のために必要な本の一冊であろう。コンパクトにまとまっているが、この本を読む前にある程度教科書的な知識は必要かもしれない。
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2017年8月・9月に読んだ本から

この夏は、宗教関係の本をよく読んだ。それに飽きてきたので上記の2冊を読んだ。

・高谷 好一著「世界単位 日本」(京都大学学術出版会)
「世界単位論」(同出版会から既刊、未読)の続編で、世界単位とは地域の風土に根ざした文化圏ということのようだ。日本国外の地域風土については、実際に現地を訪れた経験が踏まえられていて興味深い。日本史と絡めた後半部分については、かなり独断的な推論に基づく部分もあり、著者の土台とする学説の信頼度が私にはよくわからない。

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・岩﨑 周一著「ハプスブルク帝国」(講談社現代新書)
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オーストリアハプスブルク家の歩みを中心に現代まで追った啓蒙書で、類書はほかにないだろう。帯の宣伝文句通りよくわかる。1,000円もする新書で、かなり分厚く、往復の電車で読み切るのにずいぶん時間がかかった。



宗教関係の書物は面倒くさいのでまとめて挙げておく。これでも一部であり、強皆おる部分だけ読んだ本もある。
特に島薗進、櫻井義秀の著作は、死にまつわる現代人の問題をよくえぐり出していると思う。
最近は遺品整理や散骨も含めてビジネス化が進んでいるらしいが、どう考えたらいいのだろうか。

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夏休みの工作

押し入れの襖紙がすごい色になっていたので、張替えをした。かなりうまく行ったと思ったのだが、結果は不満足。
その作業のかたわら、カッターで紙を切り抜いて夏休みの工作をした。別に宿題がある訳ではなく、たまたまウェブ上に作りたかったアンドロイドの展開図があったので、勝手ながら厚紙に印刷して作業に没頭した次第。作成手順は自分で考えるしかない。

作ったものは、「攻殻機動隊SAC」にわずかに登場する、ジェイムスン型義体をもつメディテック社社長のイワサキである。
おちょくったようなボディだが、ニール・R・ジョーンズのSF作品に登場するジェイムスン教授とボディが似通っているのでそう呼ばれるらしい。

作成には3日を要した。細かい作業が多く、疲れたが、作成手順を考えて細かい作業に没頭するのは嫌いではない。素材が紙なのでどうしてもアラが目立ってしまう。

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作成途中。まず胴体をつくり、脚と腕を作成する
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完成。脚と腕の胴体との接合部は部品がなく、苦労した。
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タチコマの手ぬぐいをスクリーンに。腕の一部につまようじ使用。
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2017年7月に読んだ本から

複数冊平行して読んでいるのだが、仕事山行やら外出が多く、いずれも読破していない本が多いので、かろうじて読み終えた以下の2冊。

・川本 三郎著「『男はつらいよ』を旅する」(新潮選書)
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個人的には1970年代半ばまでの初期の『男はつらいよ』シリーズが好きだ。著者も述べているように、昭和の記録としてさまざまなものが「動態保存」されているからだ。もちろん、本編のドタバタストーリーもエネルギーに満ちあふれている。しかし、さりげなく東京下町や地方の風景が切り取られているのはたまらない。

・桜田 美津夫著「物語 オランダの歴史 大航海時代から『寛容』国家の現代まで」(中公新書)
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新書は移動時の読書用に持ち歩くことが多い。しかし今回はあまり移動中や仕事山行中のひとときを読書に当てることができず、末尾の現代オランダについては飛ばし読みになってしまった。
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