久しぶりの個人登山・田代山

仕事山行ではない個人山行(無雪期)を久しぶりにした。昨年初秋の三本槍岳以来。しかも今回は単独。

今回の撮影写真と動画をQUIKで勝手に
スライドショーにしたもの

しばらく前から行ってみたかったのは、福島・栃木県境にあり、山頂部が一面湿原になっている田代山と帝釈山。湯ノ花温泉から田代山林道を詰めたところが登山口で、アクセスに時間がかかり、田代山林道は未舗装である。6月にしては日曜日の天気がよさそうだったので土曜日の仕事の後で決行決定。

まずは土曜日夕方に別宅へ移動。久しぶりにオール高速で行ってしまった。休日割が適用されて3,000円ほど。
翌朝、5時45分に別宅発で塩原温泉経由でいつもの高畑スキー場へのルートで湯ノ花温泉へ。塩原温泉手前の長かった工事がようやく終わり、トンネル出口で左折することなく橋で次のトンネルに向かうことができるようになっていた。

湯ノ花温泉から先では携帯の電波がつながらない可能性が高いので、7時前に登山届を携帯(登山コンパスアプリ)から提出。田代山林道に入る。林道手前で片側交互通行の信号があって赤で点滅していて時計が動いていないので、前で止まっていた車にいったん停止後に前進して欲しいと伝え、後に続いた。未舗装林道でカーブミラーもあまりないので、前の車が露払いをしてくれるのはとても有難い。3回ほど降ってくる車と離合した。

田代山林道を15kmほど走ったが、ヘアピンカーブの部分は舗装されていて、それ以外の土や砂利の路面はフラットで轍も少なく、普通の乗用車で走行可能だ。私の車のように車高が若干高くて四駆だともっと楽。昔、オフロードバイクで栃木県側から数回抜けてきたことがあるが、現在は田代山林道は栃木県側には通れないようだ。駐車場は2つあって、登山口目の前の路肩はいっぱいだったので300mほど手前のフラットな駐車場に停める。トイレもあって悪くない。露払いをしてくれた車の単独女性登山者にどこまで行くか聞いてみたが、帝釈山は目指さず、田代山の木道をぐるっと回って帰ってくると言っていた。午後から檜枝岐村の天気がよろしくなく、1時間に4ミリの降水確率がある。4ミリだと降り始めたらすぐに濡れてしまうのでかなり警戒を要する。私も帝釈山まで脚を伸ばして下山が午後2時〜3時くらいになると危険なので、とりあえず晴れているうちに田代山山頂にたどり着いて様子を見ながら進むか戻るか考えることにして出発。7時30分である。

登山口で7時45分。沢を渡ってすぐに登りになり、細い尾根を乗り越えたところで水場。尾根裏の小さな沢に豊富に水が流れている。自宅から1.5リットルの水と500ミリリットルの麦茶を持って来たので水場は帰りのお楽しみ。ここから標高差300m強の急登が始まる。登山口から1時間で小田代というちょっとした湿原で少しフラットになるが、田代山山頂部の湿原に飛び出るまではずっと樹林帯の急登。風が通らず暑い。田代山の斜面に大きめの雪田が見える。登山口からちょうど2時間で田代山山頂部に出た。まあコースタイム通りである。

湿原に出ると、ちょうど向こう側に雪を豊富にいただいた大戸沢岳が見え、雲がかかってはいるが左に会津駒、右に三岩岳らしき姿が見えた。かなり雪が多く、三岩岳の山開きが7月初旬にずれ込んだのもわかる。まだ残雪だけで十分なスキーができそうなくらいだ。足元にはチングルマやイワカガミ、ワタスゲ、
タテヤマリンドウが咲き乱れている。湿原上の木道は一方通行になっていて、一番奥に避難小屋(弘法大師堂)と立派なトイレが2棟ある。避難小屋周辺の休憩者が非常に多いので、小屋裏のベンチで小休憩。9時30分。小屋裏には残雪が残っている。

田代山から帝釈山へピストンすることに決定。往復で2時間強だから、12時前には田代山に戻れるだろう。
いったん田代山西側の暗い尾根を下って、1915mで最低鞍部、そこから2000mまで尾根を緩く登り、最後の標高差50mが岩場の登りになりそうだ。歩きながらオサバグサを探す。あちこちに小ぶりなオサバグサを発見する。スズランのようにも見えるが、花びらの白さは可憐だ。

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オサバグサ

後ろににぎやかな3人の女性が歩いていてとても楽しそうだ。山登りってこういう登り方が一番楽しいと思う。思わず彼女たちの疑問(向こうの雪山は何か、あの飛び出ている山頂はどこか、あとどのくらいか)などに答えてしまった。そんなこんなで帝釈山には10時30分到着。山頂からはようやく燧ケ岳と日光白根の山頂が見える。会津駒の連山よりも燧ケ岳の方が残雪は少ない。15分休憩して、田代山へ戻る。帝釈山は檜枝岐側の馬坂峠からも登れるので、馬坂峠から帝釈山を経由して田代山を回ってくる登山者もいるようだ。

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田代山の湿原から会津駒の連山を臨む(左が会津駒、真ん中が大戸沢岳、右が三岩岳)

田代山に戻ったのが11時30分、やはり小屋前は激混みなので少し離れたベンチでビスケットを食べて湿原の残り半分を歩き、下山を始める。高齢者の団体をごぼう抜きして水場で新鮮な山の水を汲み、12時45分に登山口に戻った。コンプリート。すでに朝林道で先導してくれた女性登山者の車は消えていた。私も湯ノ花温泉で汗を流すべく林道を走り(ちょっと四駆のアドバンテージを使って攻めました)、湯ノ花温泉共同浴場の1つ、湯端の湯に浸かって汗を流し(民宿山楽で日帰り入浴券購入=200円)、往路を別宅まで。別宅で1時間ほど腰を伸ばしてウトウトした後、国道294でひたすら南下、谷和原インターから常磐道・首都高で帰宅。

いやー、一人で登るのもいいものだ・・