ブレーキレバー交換の呪い

ロイヤルノートン号のブレーキブラケットが貧弱で、ツーリングの下り坂でのブレーキを頻繁にしていると親指の股のところが辛くなる。フォーク抜き輪行が可能なように、ブレーキワイヤーが上出しになっているレトロなブレーキだったのだが、フォーク抜き輪行は私にとって実用的でないのでワイヤーを外して輪行することもなく、さらに下ハンを握るとレバーが遠くて指がかかりにくい。

GC202
今まで使ってきたダイヤコンペGC202(ブラケット色は茶色)

という不満があったので、しばらく前に交換用のブレーキレバーは購入済みであった。TRPのレバーである。こいつを、雨の土曜日の午後から装着することにした。

trp
TRP RRL SR。レバー部分の穴がステキ。
しかも、カンパニョーロのように内側のボタンを押すとレバーの根元が引っ込んでブレーキの間隔が開く、スグレモノ。

まず昨年巻いたバーテープをはがす。これで交換は2回目なのだが、一番いやらしいのはバーテープの糊がハンドルにしっかり螺旋状に残ってしまうのを剥離する作業。これが大変面倒くさい。ロイヤルノートン号はスレッドステムなのでハンドルそのものを自転車から外して作業。

なんとかきれいに剥がしたのち、古いブレーキレバーを取り去る。次に装着するレバーのため、位置を印しておく。古いレバーの周囲のゴムのブラケットカバーは劣化しているので強引に切って廃棄。オオマエジムショで以前買っておいたブラケットを装着しておいて、古いレバーは保管する。ここで新しいブレーキレバーを仮止めしてみる。いい感じ。

次いで、ブレーキワイヤーをブレーキレバーに連結するために、インナーワイヤーを抜く。ハンドルからレバーを外した状態でインナーワイヤーを取り付け、スプレーグリスを吹いたアウターチューブに通す。レバーをハンドルに通して仮止めしておいてから、手でブレーキそのものを握ったままブレーキ本体にインナーワイヤーを取り付け、ワイヤーのエンドにストッパーをはめてカシメておく。遊びの調整もこの時にやっておく。インナーワイヤーとアウターチューブは長すぎるので本当ならカットした方がよさそうだが、ちょっと考えがあって今までの長さのまま。だから若干余りぎみである。

今回のレバーはワイヤーがブラケットの中を通ってサドル側に出てくるので、ワイヤーをバーテープで巻き込んでしまおうと思う。そのため、ハンドルの湾曲部を中心にガラステープでワイヤーを仮止めする。土曜日はここまでで終了。

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土曜日の最終形。背景がゴチャついているのはご愛嬌。

日曜日、雨も上がっているので家の近くでレバーの位置を最終確認する。何度か走って、なるべく手前に持ってくるようにした。自宅に戻ってブラケットがズレないようなくらいのトルクで締める。ヘックスボルトがレバーの奥に着いているので、レンチの長い方を軸にして回さねばならず、レンチだけでは強いトルクで締めつけられない。補助としてアルミパイプを使ってテコの原理で締め上げた。

次いで、バーテープを巻く。色は茶色に戻した。ディズナのステッチ入りのテープだ。自分でバーテープ巻くのも二度目なのでコツはわかっている。
感触を確かめたいので、昼をまたいで下町ポタリングに出かける。御徒町まで行って、戻ってくる。帰りにちょっとした買い物、お昼、さらに家の近所で床屋にも行く。
ブレーキレバー、いい感じだ。以前よりも効きが良くなって、リアブレーキなど強めに握るとロックする。もちろん、下ハンを握った時の指の届き方はかなり改善された。一番うれしいのは、手元変速のブラケットのように長くなって、複数のポジションが取れることだ。フロントバッグをハンドルに直に装着している分、ハンドルを持つポジションが制約されているが、ブラケット周りでいくつか持ち手を変えられるのは疲労の軽減につながる。バーテープもかなりうまく巻けた感じはするが、しばらく走ったらわずかに甘いところを発見してしまった・・

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4枚の写真は同じところで撮影しました。さて、屋形船も通っていったこの緑の橋のある場所は?
解答は末尾に・・

スッキリして、床屋直後だったのでヘルメットを被らずにハンドルにあごひもを引っかけ、フロントバッグの上に乗せて帰ってきたら、家のごく近所で段差を乗り越えた際にヘルメットがハンドルとフレームの間にはまり、ハンドル操作ができなくなって左側にコケた。この瞬間ほど、へアセットよりもヘルメットを被る方がどれだけ大事か痛感したことはない。普段必ずはめるグローブも近所なのでしなかった・・

幸い、低速だったので頭も打たずダメージはないが、左掌と左脚に擦過傷ができた。バーテープを換えたばかりの自転車もハンドル左側に擦過傷を負った。交換して直後ののダメージに落ち込む。柔らかいバーテープなのでいずれ近いうちに擦れるだろうとは思っていたが、「新しい部品を付けるとそこから傷がつく」(マーフィーの法則みたいだ←古いけど)何と皮肉なことだろう。

ところで、フォーク抜き輪行はしないと決めたのだが、前輪のフェンダーを外さないで(ボルト二ヶ所で止めてある)輪行袋に入れるとなると、この自転車はハンドルを抜いて、フォークをまっすぐにして入れないといけない。それでもフェンダーはわずかに出てしまう。今回の改造でハンドルを抜きづらくなったはずだ(ブレーキワイヤーをカットしなかったのはその恐れがあったから)。そこで、今度は縦型ではなく横型で輪行してみようと思う。家にあるコンパクトリンコウバッグ(女房用として買った)が横型として使えるし、使い慣れたオーストリッチの縦型輪行袋も横型として使えるはずだ。そうすれば、ハンドルを抜かなくても輪行できるかもしれない。

その後、輪行袋に入れてみました。解体作業でまず、ブレーキレバー横のボタンだけでブレーキ解放しタイヤが外せるのは画期的。いろいろ試行錯誤してみましたが、縦型でハンドルを外してフォークに絡めれば何とかなりそうです。今回の新規要素ではないのですが、分割式リアフェンダーの組み立てが一番面倒くさい。タイヤとフェンダーの間隔をうまいことつくってあげないとフェンダーとタイヤが擦れます。
やっぱり輪行はアプレ山岳スペシャル号の方がはるかに楽です。


写真の場所は、浅草橋近くの神田川と隅田川の合流点、柳橋でした。