ウロコ板で日光山王峠

2月初めにかけて忙しくなってしまうので、今回の週末スキーは近場で軽くハイクアップして滑ることにした。場所は昨年にも行った日光山王峠。東京を朝6時30分に出ても9時過ぎには日光アストリアホテル前の駐車場にたどり着ける。

9:30から歩き始める。最初は除雪された道路を少し歩き、道路脇でスキーを履いてFINDR86 XCDのウロコを効かせて歩き始めた。今回は昨年と違って雪がどこにもあり、峠山頂までできる限りスキーを履いて登りたいので、なるべく等高線の間隔が開いている斜面を求めて学習院大学の保養施設がある西側から斜面にとりついた。

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ここは木も細くて雪面もきれい

緩い斜面だが雪がクラストしていて、ウロコが効きにくく、横滑りしてしまうので難儀した。しばらく登ると斜度が少し増し、スノーシューのトレースがある夏道と合流したので、むりやり斜登行&キックターンを繰り返してもロスが大きいかと思い、斜度がある部分だけスキーを外してスノーシューの後を追った。

すぐに斜度が緩んできたので再びスキーを履く。樹間が広いところでは快適に斜登行&キックターンで登っていかれるが、それほど長くはない。暗い針葉樹林になり、雪面に折れた枝が散乱していて歩きにくくなったが、もう標高差はわずかになってきた。峠の頂上をまっすぐ目指して登りきり、11:20に峠到着。標高差は300mほどしかないが、ゆっくり登ったので汗こそかいたが足にマメはできず、快適に登ってこれたと思う。

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峠頂上目の前
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FINDR86 XCDのウロコは効きがいい

板を外して標識に立て掛け、写真を撮っていたらスノーシューの親子連れが峠に到着した。夏道のスノーシューの跡は彼らだったのだろう。彼らは山王帽子岳に登ると言っていた。彼らが去った後、前日スーパーで買った調理パンを食べ、山専ボトルに入れてきたお湯でカップラーメンを作って食べ、昼食とした。

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天気は晴れ、風がなくて快適だったが熱いカップラーメンは最高だ

ほぼ12:00、滑走に入った。最初は林間の薮がうるさいので林道を降り、右手にカラマツ林が見えたら右手に入る。カラマツ林の見通しはいいのだが、雪がまだクラストしていて滑りにくい。センター86mmのFINDR86 XCDはクラスト雪でもそれなりに滑れてしまう。

1650mくらいでさらに右手に進路をとって登ってきたルートの近くに出たが、1600mくらいで左手に進路をとりすぎ、右手に沢が出てきてしまった。幸い、沢の窪みは横移動すれば回避できるので、ウロコ板の強みで若干登りつつトラバースし、事無きを得た。そこからやや快適な斜面になったが、すぐに学習院大学の保養施設の敷地だ。敷地に踏み込まないよう、左手に進路をとってゆるゆる進んでいくと、平坦になってもう終了である。滑りは30分しかかかっていない。

駐車場でゆっくり片づけと着替えを済ませ、帰路についた。今回、スマホでトラックデータを取りながら登ったが、電波が終始入るので機内モードにはせず、また一人で寂しいのでネットラジオなど聴きながら登ったら当然ながらバッテリーの減りが著しかった。余計なことをせず、機内モードで登るべきだった。

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赤:登り 青:滑り

ウェッジを噛ませる

先日手に入れたG3 FINDR86 XCDにはウェッジが装着されていず、部品が余っていたので装着してみた。
T2エコをビンディングのつま先に引っかけてみたら、かかと部分が3cmほど浮き上がっていた。

ビンディングの分解には、アンチアイスプレートの取り外しがちょっと苦労したが、マイナスドライバーをつま先部分から強引に突っ込んで解決した。

作業自体は単純で、つま先部分にアンチアイスプレートから見えるナットを入れて、金属部分を外してウェッジを噛ませるだけなのだが、どうしても片方のウェッジを入れるとアイスアンチプレートを押えるネジがまっすぐに入らない。ねじ込んでもビスがひねくれるだけ。アンチアイスプレートはつま先が浮いたまま。ネジ穴はまっすぐに見えているのだが、どうしてもうまくいかない。

いろいろ試行錯誤してどうしてもうまくいかず、ウェッジの装着自体を諦めかけた時、ナットのネジ山がビスとうまく噛んでいないことに気付いた。幸い、古いタルガがあったのでそこからナットを借りてきたら簡単に解決した。しかし、部品の精度が悪過ぎる。これが理由で汗流しながらポジドライバーで何度もビスを回した結果、指の皮がはがれる代償を払った。

古いタルガからクライミングサポートを外し、移植した。こちらはヒールプレートを取り払って装着するだけでコトは済んだ。

30分で作業は終わると思っていたのに、ずいぶん時間をかけてしまったよ・・・

G3 FINDR86 XCD

極太ウロコ板(ステップソール)を入手した。表題のものである。「ファインダー」ど読むのならスペルが違っているが、G3が公表している名前のままである。白と青のシンプルな色構成で、ウロコがないモデルもあり、こちらは白と赤である。XCDシリーズはウエストの幅によって94、86、そしてスティンガー78の3種類があるみたいで、86はスピットファイアXCDの後継モデル。

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板のセンターに背骨のような突起があって、下のような昔のヒッコリー一枚板を彷彿とさせるのもよし71e53a89
http://www.heavysnowker.com/archives/51644657.htmlより引用させて頂いた

実は今年になるまでシングルキャンバーのウエストの太いウロコ板(ステップソール)が出ているとは知らなかった。どうやらVOILEやG3という、今までウロコ板とは無縁だったメーカーが作り始めたらしい。今まで私が使ってきたウロコ板はBDポーラースター、カルフ10thマウンテンで、いずれも細くて軽く、今回入手したFINDR86は固定観念を打ち破ってくれるモデルだった。
122-86-109というディメンションは、14年モデルK2WAYBACK126-88-113)にかなり近い。ウロコにも限界はあるので保険にシールは持っていくことがあるが、シールもK2と共用できるかもしれない。そう思って今回はトップとテールに穴を開けてもらった。その後シールを貼ってみたが、テール部分でわずかにエッジが隠れる程度で、ピッタリといってよい。

細板も軽快でいいのだが、登った後の最初の滑りで滑り方を早く思い出さないと何もさせてもらえないうちに下山ということになりかねない。10thマウンテンはセミダブルキャンバーとそのディメンションで、後脚の押え具合がよみがえるまでに15分くらいかかってしまう。いつもゲレンデで滑っているWAYBACKと同じようなディメンションなら、乗り換えて苦労することもなかろう。ウロコ板のくせにトップロッカーである。
そして、パウダーや悪雪滑走での安心感がある。どうやら、FINDRは登りもいいらしい。ウロコ部分が他の板よりも長く、効果が大きいそうだ。ただ、板の長さは5cm刻みで、私の身長だと172cmと177cmのどちらかになるが、ウロコ部分の長さはどちらも同じ。ということはフラットソール部分の面積がより大きい177cmの方がわずかに滑りがよいと判断した(おそらくほとんど変わらないと思うけど)。

ビンディングはG3のタルガT9にした。タルガを付けるのはずいぶん久しぶり。スティンガー78との板の重さの違いは片方でほぼ100g、ノーマルタルガとT9のビンディングの重量差は片方60g。完全な相殺はできないけど、少しでも軽いビンディングをチョイス。

カラファテで受け取って、その週末に早速会津高原高畑スキー場に持ち込んで滑走してみた。コンディションは氷点下から日差しを浴びてかなり暖かくなった日と、吹雪でパウダースノーが乗った日の2日間。

まず、リフトまでの移動、リフトを降りてからの移動で滑らないので注意が必要。緩斜面では本当にスピードが乗らない。ウロコの効きが強い板だ。中斜面・急斜面ではちゃんと滑るので不安はないし、ウェスト90mm前後の板で滑るのと同じ感覚で滑れるから、多少雪面が荒れていてもオタオタすることはない。ただし、スピードは急斜面でノーマルソールの6〜7割くらいになるので、時間的余裕ができ、ゆっくり動作してあげればかえってノーマルソールの走る板よりテレマーク姿勢を着実にとれるのだが、常にブレーキがかかっている状態で動作するので、ノーマルソールで同じ動作をするよりも筋肉に負担が来る。

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高畑スキー場ではリフト乗り場直前に勢いをつけて若干登らないといけない部分があるが、スキーを逆ハの字にしなくても、ウロコが効いてスタスタまっすぐ登れる。ゲレンデ脇の林に入って歩いてみる。本当はザラメ雪が一番効くのだが、しっとり系パウダーも、乾いたパウダーもそれなりにウロコが効き、うまくキックターンすれば後ろにズレることなく登っていかれる。登坂力はかなりあるとみた。

以上が初日は10時30分から15時ころまで、二日目はリフト始動から2時間、他の板に乗り換えずに滑ってみた感想だが、二日目のパウダー滑走でも安心して滑ることができた。この板で、春は一人で山に入って遊んで来れるような期待感がある。

年始、高畑へ

1月3日〜5日、また南会津へ向かった。初日は午後から滑れればいいかと思って出発はゆっくり。

11時30分くらいに会津高原高畑スキー場に到着したが、雪は相変わらず少なく、ブッシュが見える始末。まずはステップソール板(カルフ10thマウンテン)とT4の組み合わせでお試し滑りをしてみる。久しぶりに履いたT4の靴底はT2に比べ薄い上に、足先が寒い。
1本目のリフトを降りて緩斜面を滑り始めたら、K2 WAYBACKの感覚でターンしようとしてしまうので全くエッジが噛まず、あたふたする。ステップソールがブレーキになって滑りにくいわけではなく、センター68mmの形状とセミダブルキャンバーの特性から両スキーが暴れ、テール形状からターン後半に後脚が抜けてしまうようだ。
15分ほど滑って、だいぶ慣れてくると倒し込んで深くターンすることも可能になってきた。オフピステに歩いていって毎回最初にこのような状態になるのは困るなあ。この日は3時までステップで滑って終了。年末と同じ檜枝岐の民宿に投宿。山菜料理が豊富に出て満足。ネコと遊んで満足。栃木から一人一車で来られた5人の中高年アルペンスキーヤーと同宿だった。

4日は午前中ステップソールで滑り、圧雪緩斜面中心だが、慣れてきたら急斜面にも挑戦してみた。緩斜面だとステップカットがブレーキとなり、高い所にあるリフト乗り場まで歩かないといけない。急斜面では何とか転ばずに滑り降りることができるが満足は行かない。11時台に板と靴を替えるべく車に戻ったら、激しい雨になった。このまま雨が降り続いたら止めてしまうところだ。濡れたウェアをタオルで拭いてエアコンで乾かし、みぞれになった頃に車を出て軽く昼飯を食う。
午後はWAYBACKとT2で滑る。やはり安心感が違う。昼時に雨で午後は滑走者が激減してプライベートゲレンデ状態になっていった。風は強く、大粒の雪になってきたので積もりそうなものだが、風が強過ぎてアイスバーンはアイスバーンのままだ。視界も悪いし、ゴーグルのスポンジが濡れて不快である。2時頃中腹の無料休憩所で休み、上部のコースを一通り滑ることに決めて3時までがんばった。長いペアリフトは寒さで苦痛である。どうしてこんな寒い思いをしてまでスキーをするんだろうと自問自答する。

檜枝岐も猛吹雪で、歩いて2分の外の風呂にも行くのが億劫。内風呂を使わせてもらった。檜枝岐カップというレースが見送りになったので団体客が宿泊キャンセルし、自分の民宿も周囲の民宿も宿泊客が極端に少なそうだ。またも山菜料理・イワナ料理・蕎麦・餅まで頂き、ネコとも遊んで大満足。

5日、全日午後からの雪が積もっていれば楽しそうと思って9時から1時間少しゲレンデで滑ってみる。風で新雪の多くは跳ばされていて、吹きだまりで遊べた程度だった。上部のコースをひとわたり滑って11時近くにゲレンデを出た。この日は定番の湯ノ花温泉には行かず、ステップソールを使うべく、下郷町の観音沼森林公園へ向かう。途中、駒止トンネル前後の降雪が激しかった。本当は旧道が除雪されてさえいれば、駒止湿原をスキーで歩くと楽しいと思うのだが、旧道は除雪されないうえ、こんな日では無理だ。
12時台に観音沼森林公園の殺風景な駐車場に車を停め、ステップソールを引っ張り出して真っ白な沼の周りの遊歩道を歩く。沼を回り込んで嶽観音にお参りして、沼の北東側の小高い丘まで張り巡らされた遊歩道を登って行く。急なところは階段になっていて、雪が少ないのでスキーを外して歩くのを基本としたが、脱ぎ履きが面倒でそのままスキーで突っ込むとソールやエッジが石やコンクリートに当たり、ドキッとする。

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裏から参拝してしまった
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門には玉砂利があるので回り込んだらやっぱり玉砂利があって板を傷めた
境内ではスキーは脱ぐべし
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遊歩道はこんな感じに。柔らかくて歩きやすい

とりあえず展望台まで登ってみるが、景色はドヨンとした雪雲ばかりで面白くない。汗が冷えて寒いので下りに入るが、遊歩道は電光形に下っているので雪の下は階段だ。スキーを脱いだまま歩いて降りて、少し緩くなったところでスキーを履いてみようと試みたが雪が薄くて滑るどころではないので、結局下りは歩きになった。トイレは閉鎖されていて、秋の紅葉シーズンには人が多く訪れるのだろうが、こんなに寒いのでは勘違いして上がってきた人か、写真撮影に来た人の車しか見かけなかった。歩いたのは約1時間半くらいか?それでもいい汗をかいた。なお、観音沼周辺をスキーで歩くことについては、
「薮と雪」のブログからアイディアを頂いた。

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展望台

帰路は下郷から甲子トンネルを抜けて白河から国道4号でひたすら南下。高速は割引率が低いはずだからなるべく乗りたくない。宇都宮からは新4号バイパスでぐんぐん南下、午後7時に帰宅した。

細身セミダブキャンの10thマウンテンは軽快でいいのだが、WAYBACKから乗り換えた時のギャップをどう埋めるか、これはどんなにベテランになっても10分〜20分は切り替えにかかりそうだ。オフピステでは滑り始めのオイシイところであたふたし、ずっこけ、結局何もさせてもらえないまま林道を下山ということになりかねない(昨シーズンの山王峠がそうだった)。

以下妄想だが、WAYBACKと似たようなシングルキャンバーのステップ板を使えばかなりの部分解消するように思える。漠然とショップのウェブページを見ていたら、G3のFINDR86に目が行った。極太ステップ板。一昔前なら意味を感じなかったが(だからカルフのガイドは買わなかった)、ウロコのブレーキが利いてスピードが出ないことを除けばさほど滑りを変えなくてもいけそうだ。ピボット式の重いビンディングも不要、というか組み合わせ的にミスマッチ。NTNとかTECKビンディングって何ですか?という板だろう。昔ながらの拇指球で踏むビンディング、O3やO2はカタログ落ちしてしまったが、G3タルガならまだ現役だ。外したO3ビンディングはどこに仕舞ったんだろう?
シンプルな3ピンビンディングだと最軽量になるがライザーシムが欲しくなる。らくちんステップイン3pinという手もあるが、原型のテレブルドッグは雪詰まりに弱く、雪が凍るとブーツがセットできないという、長所を帳消しにする大欠点(10thマウンテンに着いていて、今回の観音沼でも悩まされた)がある。

FINDR86の立体的な形状がまた昔のヒッコリーの板に似ていてそそる。今シーズンは一人で危険の少ないオフピステで遊びたいと思っているので、物欲が強まってきてしまった!
(実はすでにカラファテ詣でをして相談してしまった・・)