日光から足利へ(細尾峠・草木湖・山境林道・長石林道)

仕事が山積しているのだが、今の季節を逃すとサイクリングに最適な日をみすみす逃してしまうので、数日前から浮上してきたルートを走りに行った。

計画したルートは文字にすると、
日光駅まで長い輪行をして、以前走った細尾峠を越えて足尾に出て、粕尾峠には登らずにそのまま国道をしばらく下って群馬県みどり市に入り、沢入から草木湖の東側を通過して国民宿舎サンレイク草木の裏手から林道三境線で山越えをし、桐生市の桐生川ダム上流の最奥集落の上に出る。桐生川ダムから栃木県佐野市の老越路峠に登ってそこからは長石林道で足利市に南下して足利市街を経て東武の足利市駅まで。
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総距離は93kmほど(朝の北千住までの7kmをあわせて100km)。ちょっと高を括っていた。細尾峠がチマコッピ(最高地点。約1200m)だが、あとは登り口から標高差300m未満なのでそんなに苦労はしないだろうと思ったのが間違いだった。栄養補給の適当さ、ソロゆえの休憩の取り方のミス、谷あいの向かい風、部分的だが強烈な斜度にやられ、三境林道では何度か停止して自転車を押す始末。以前問題なく登れた最後の長石林道でも停止と押しをやってしまった。ちょっと無理なサイクリングをしてしまった。まあ、競争ではないし、一年のうちでも最も日の長い季節なので日が暮れることもなく、自分が納得できればそれでいいのだが。

6時31分北千住発の区間快速列車に乗るべく自宅を出たのだが、すぐにボトルを忘れて取りに戻ってから北千住に行ったら、輪行準備が終わった頃に列車が出てしまった。区間快速は山歩きの人が多くて混む上に輪行袋の自転車を置く場所がないので、乗れずに悔しいということはあまりない。次善策を考えつつ、1時間以上待つ特急に乗ったり次の区間快速を待つことはせず、南栗橋行きの急行の先頭車両に乗った。こちらは運転席のすぐ後ろに自転車を置けたのだが、しばらく座席には座れず、座れたら部活の高校生が輪行袋のすぐ近くでじゃれあうので気が気ではない。案の定、一人がよろめいて自転車を蹴った。あとで見たら、リアブレーキが少しずれていた。

南栗橋から新栃木まで普通列車で、新栃木から一本遅い区間快速に乗れ、比較的順調に東武日光駅に9時20分頃たどり着いた。とにかく日本指折りの観光地。中国人観光客がとても多い。駅の入口脇で自転車を組み立て、9時40分に走り出した。標高550mの日光駅からいきなりゆるい登りが始まる。10時20分に細尾集落に入り、細尾峠の登りにかかる。登り始めに路面に落ちている棒だと思って乗り越えたら、ヘビだった。細尾峠はつづら折れ30余りの峠だが、かつては人馬が通った道だし、1978年までは当時の非力なエンジンに対応した国道でもあったので、一つ一つのカーブのあとの斜度が適度で好きだ。確かカーブ番号23あたりまでは比較的緩やかで、その後から少し斜度が増していく。細尾集落から50分ほどかかって1200mの頂上着。新緑がきれいだった。
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細尾集落にて
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緑濃い峠道
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峠頂上

下り。地蔵坂という名前がついているつづら折れを下り、国道122号に出て足尾駅を目指した。漕がなくてもどんどんスピードが乗る快適国道だが、交通量は多い。11時45分に足尾駅で休憩。わたらせ渓谷鉄道の列車が入ってくるらしく、木造の足尾駅を見物する人がいた。国道122号が渓谷鉄道と平行しているため、国道を下ると撮り鉄たちがあちこちでカメラを構えていた。だが、やってくる列車はSLではなくて、ディーゼル機関車だった。

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風情ある足尾駅

沢入駅入口から国道を離れ、駅前をかすめて草木湖の東岸沿いの道路に入った。カーブが多い上に若干の上り下りがあって、これが次の林道でボディブローのように効いた。サンレイク草木(標高480m)で昼食をとることも考えられたが、北千住の駅コンビニでおにぎりを3つ買って一つづつ食べていた上にコーラを飲みながら峠を越えたので空腹感はなく、林道入口でおにぎりを一つ食べてそそくさと三境林道に入ってしまった。単独だと休みもそこそこにしてしまうのは登山でも出てしまう悪い癖だが、今回もやらかしてしまった。この林道、沢の右岸を登って橋で対岸に出て山の中腹を巻いていく形状をしているが、沢を渡るまでの急坂がキツイ。途中でやめて別ルートにしようかと思ったくらいで、思わず足を着き、休憩を入れ、時には押し歩くはめになってしまった。モモの筋肉が張り、自転車の押し歩きをするとふくらはぎの後ろも痙攣しそう。山を巻く部分に入ると斜度は少し落ち、標高800mくらいまで来ると下りが入る。気持ちよく下ってしまうと、トンネルの少し手前の林道分岐からトンネルまでの標高差100mがまた急坂になる。ここでも息も絶え絶えになってしまった。トンネル手前で少し休憩し、真っ暗なトンネルを潜って下りに入る。
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トンネル手前で
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林道には珍しいトンネル。照明なし!

三境林道を下りきって、桐生川に沿った県道に出ると釣り人の車が入っているが、道幅が3mほどしかなくて気を遣う。梅田湖にかなり近づかないと道幅は広がらない。

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蛇留淵というところで

梅田大橋のたもとで休憩。最後のおにぎりを食べて、自販機でまたコーラを買う。このまま桐生市街へ降りていくか、もう一つ峠を越えて足利市街に降りていくか、今日のコンディションだと前者の方がいいかもしれないと思い始める。しかし、走行距離は足利へ降りる方が短そうだ。以前通ったことがある長石林道なので、登りの様子はわかる。老越路峠まで飛駒の方から登ったときはきつくて道幅も狭くなり、自動車のやり過ごしで停止を余儀なくされたが、梅田湖からだと標高差は100m程度だ。峠まで行かれれば何とかなると思って走り始めた。もう停止時に写真を撮るのも面倒くさい。
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なんとか老越路峠に着いて、少し息を整え、長石林道に入る。最初は平坦、沢を渡って向きが変わった瞬間から標高差さらに100mの登り。普段なら何てことはないのだろうが、さすがに80km走って獲得標高も1000m近くになり、前述のようなお疲れモードでは乗り越えられなかった。細い道で対向車が降りてきたので路肩にいったん止まったら、次の漕ぎ出しが億劫になった。頑張っても仕方ないので、押し歩きして頂上直下から乗車した。あー、情けない。頂上で足利市街方面から登ってきたヒルクライマーと休憩し、先に下り始める。すぐに道は左右に分岐していて、右に下れば松田ダムの直下までダウンヒル。それは前回走ったし、あと一つ峠を越えないと市街地に行かれないのでパス。左方向へ向かう。「名草の巨石」ってやつも一度見てみたいが、時間がないし登り返しが面倒なのでパスして名草集落への細い林道を降る。途中コンクリ舗装もあり、握力が無くなってきたのでハンドルを握るのが辛い。一気に下って釣り堀を左右に見ながら、勘定谷戸という場所に出てそこからは快適な道路になった。足利インターチェンジ近くで旧道に入って市街地に入り、足利学校脇を抜けて渡良瀬川を田中橋で渡ったらもう東武の足利市駅。到着は16時を回っていた。

輪行のため自転車をバラし、輪行袋に入れて改札を通ったら、人身事故で東武スカイツリーラインが不通だと!幸い久喜駅までは各駅停車が動いたので、久喜駅からJRに乗り換えて上野東京ラインの15両編成の列車に乗った。いやー、JR速い。ところで上野東京ラインって上野から先はどこを走るんだろう?毎日通勤で山手線ホームから見える高架線を走っていることはわかるんだが、実際上野・東京間を乗車して通過したことがないので、近くにありながらわからない。最初は上野から自走する気力もあったのだが、もはや今日は自転車には乗りたくないので、自宅最寄り駅まで邪魔になることを恐れながら電車で自転車を運んだ。駅から自宅まで自転車を担ぐのは辛い。

猪苗代湖1周サイクリング

わざわざ年休を取って、土曜日にカーサイクリングに出かけた。体調回復傾向の女房を伴って、会津まで行く。ただし、サイクリングは私だけ。

チタンシクロクロスアプレ号を輪行袋に包み、車の後部座席に横置き(サドルが下)で積んだ。自転車を車に積み込むのが久しぶりだったので、通常輪行と同じ縦型で後部座席に突っ込もうとしてどうもおかしいなと思い、横置きで入れて肩掛けベルトを後部座席のヘッドレストにかける、ということをしばらく思い出せなかった。

朝7時頃に自宅を出て、東北道で郡山まで行き、磐越道で猪苗代まで走った。幸い渋滞はなく、10時40分頃目指していた会津レクリエーション公園の駐車場に着いた。早速自転車を組み立てる。輪行袋は車内において行かれるので準備が楽。ウェアも家から着てきた。もちろん、レーパンの上にはズボンを履いて運転してきた。

ほぼ11時に出発。車とともに残された女房はレクリエーション公園内を散策して昼寝でもする予定だったらしいのだが、私が出て10分もしないうちに公園内に熊が出たとのことで公園自体が閉鎖となって、久しぶりの運転を強いられて3kmほど戻った遊覧船乗り場(長浜・翁島港)の駐車場で待つことにしたそうだ。

そんなことを知らない私は湖畔の道路を南下した。レクリエーション公園が猪苗代湖の北西隅にあたるので、集落が少なく湖水浴場も点在する西岸を南下することになる。木漏れ日が美しい湖畔は結構複雑な湖岸線になっていて、自転車で走るにはうってつけだ。山菜取りの地元の人が所々にいる。

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猪苗代湖の南岸から磐梯山を仰ぐ

普通、湖畔の道路はずっと平坦であるものだが、猪苗代湖の湖畔道路は2ヵ所ほど登りがある。最初の登りは中田浜から沼上まで。1ヵ所つづら折れがあって、勾配15%の標識が出ていた。ヒーコラ言って登り、下る。短くてよかった。その後再び平坦になるが、崎川浜の南から林道が伸びていて、これを走る。標高差にしたら大したことはないが、初めてなのでどこまで登ったらよいかよくわからない。林道自体は10kmほどらしいのだが、やっと登りが終わったと思って快調に下っていくともう一回登りがある。斜度12%の登りがあった。最高地点は最後のほうにあり、約700mだった。そこから急に下っていけば再び湖畔に出る。あとは快調に湖畔道路を辿っていくと、秋山浜・青松浜という南岸の湖水浴場に出た。確か火野正平の「こころ旅」の目的地になったところだ。

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飯豊山、翌日会津盆地へ下っていく道路から見えたが、雪を被ってとても美しかった

舟津という集落から県道を外れて湖水浴場を左手に見る湖岸沿いの道を走った。12時を過ぎて少し腹が減ってきた。浜路という集落の辺りで自家製パン屋を見つけ、思わず休憩。パンとジュースを買ってお昼とする。女房もレクリエーション公園にいたら昼が食べられないと思って余計にパンを買った。携帯を見たら不在通知が女房からあって、掛け直したことで上記の熊の一件を知った。完璧な一周にはならないが、熊が出たんじゃ仕方ない。

パン屋さんにはロードバイクが2台止まっていたが、話をしたら新潟から来られたご夫婦のようだ。旦那さんは猪苗代湖一周を何度か経験されていたが、奥さんは初めてらしい。確かこのパン屋も火野正平の番組で見た記憶がある。

その後は県道で車に抜かれながらひたすら北上、上戸浜あたりで国道と合流して、トラックも通る49号線を時速30km平均で巡航して長浜(翁島港)に着いたのが13時45分。3kmほど残してはいるが、だいたい51kmを3時間以内で走りきれた。

一人だったらさらに裏磐梯の桧原湖一周(約30km)を第2ステージとして想定するところだが、女房が疲れているみたいだったので予約した宿になだれ込んだ。スキー場のセンターハウスも兼ねたホテルで最近にない贅沢ができた。

翌日、そのまま帰るには惜しい天候だったので、会津盆地から会津西街道沿いに南下し。途中大内宿の近くの湧き水を汲んで、田島・塩原経由で帰った。

猪苗代湖は標高も高くて涼しく、サイクリングにはとても適した場所だ。初心者でも何とかこなせる一周の距離があり、林道や峠も走りたくなければ国道とトンネルを走ることにはなるがパスできそうな感じである。
それにしても会津とは何と自転車で走るに楽しいところか。

メイストームと乗鞍岳

連休中はものすごい風が吹いた。これでは山での遭難も多発する。
少雪だったスキーシーズンを3年ぶりの乗鞍岳で〆ることにして、登山者・スキーヤーが比較的少ない5日、6日に決行することにした。今回は単独ではなくて吐月工房氏が相方である。13年春に乗鞍に行ったときも吐月工房氏が相方だった。乗鞍ではもう何度も位ヶ原山荘でご厄介になっているが、つねに相方は吐月工房氏で、最も信頼が置けるパートナーである。

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今シーズンは2人ともあまりスキー登山ができていないこともあって、まったりのんびりを主眼として5日の最終便バスで位ヶ原山荘へ上がり、夕方少しだけ遊んでメインの行動は6日とした。これが正解だった。絶妙のタイミングでスキーを楽しみ、その直後に雨となった。

私は5日8時30分に出発、中央道の上り線渋滞を横目に順調に11時に塩尻北インターを降り、我がソウルフードを食べて乗鞍高原に向かった。松本平は晴れて暑いくらいだが、ひどい南風で畑の土ぼこりで舞い上がり空気が茶色い。しかも北アルプスの上には厚い雲がかかっている。

13時少し前に待ち合わせ場所の三本滝駐車場で吐月工房氏と落ち合うが、標高約1800mの三本滝駐車場はさすがに寒い。風の強さに不安を感じながら、ゆっくり仕度してバスを待った。バス最終便に乗る人はこの天候と連休最終日という条件では少ない。他の乗客は30分程度位ヶ原山荘まわりを散策して再び下る観光客(外国人も若干名)だった。

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5日夕方、人気のなくなった山荘前(風が冷たい!)

位ヶ原山荘に余計な荷物を置かせてもらい、シールなどだけを持って小一時間遊びに出かけてみる。2350mの標高がある位ヶ原山荘から見える範囲にはさすがに雪があり、乗鞍岳の斜面には例年と同じくらい雪が付いているようにも見える。富士見沢と鶴ヶ沢の間のゆるい尾根上を登ってみたが、下部は例年になく薮が出ているように見えるし、何しろ雪が硬くパックされている。標高2530mくらいまで登ってハイクアップを終了とした。シールを剥がして滑降に移っても、雪の状態が悪くてまともなターンもさせてもらえない。革靴の吐月工房氏はハンディがある分、私よりも苦労していた。

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硬い斜面を登る

山荘まで降りて、雲がなくなった稜線を恨めしげに眺めるしかなかった。

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左から主峰剣ケ峰・蚕玉岳・朝日岳
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夕暮れの富士見岳

山荘の宿泊客はほとんどアイゼン装着の登山目的の方々だ。特に興味を引いたのが若い女性と初老(実は私らと同じくらいかな)の男性の2人。若い女性があまりにも山小屋に似つかわしくなく、天然な感じがあふれ返っている。少し会話したら、山に登ること自体がこれで2度目、春の乗鞍岳しか登ったことがないそうで、昨年の写真を嬉しそうに見せてくれたが、山荘の談話室にあったマンガの「岳」を今回初めて読んでハマってしまったらしい。通常は「岳」の映画を観て、次ぎにマンガを読んで、同性のお友達と都会の近くの低山をファッションにこだわって歩くのが山ガールだと思うのだが、すべてが逆から始まっているのが不思議だ。

標高2350mの贅沢な夕食を頂き、夜空の星を寒風吹きすさぶ中で一瞬だけ見た。

翌朝は冷え込む予報、しかも天候は晴れから雨へと転じていく。早く出たいところではあるが、アイスバーンを登る道具は確信犯的に持ってきていないし、朝食も一番遅くに頼んでおいた。しかしやることもなくなるので8時前には登行開始。予報に反して朝の気温は高めだったので、歩いているうちに雪が緩んでくれればラッキーだ。

屋根板を登り、位ヶ原から除雪前の県道沿いのトイレまで歩いていたら、摩利支天直下の急斜面をトラバースしていた二人組の後ろの人が30mくらい滑落するのを見てしまった。「とまれとまれ!」と叫びながら祈っているうちに大怪我なく止まったが、精神的にダメージが大きいようで横ばいでないとトラバースができなくなっているのを見た。ケガがなくて幸いだったが、パートナーがすぐに助けに行かないのも見てしまったので、何だか後味の悪いものを見てしまった。何であんな急斜面を歩くのだろう。スキーヤーたちが辿ってくるコースであれば絶対に滑落なんて起こらないはずなのに。

ちなみに、前夜少し話をした女性もあとで聞いたらもっと滑落したらしい。幸いケガなく、パートナーもすぐに助けに行き、本人もいっそ下まで滑り降りようとしてわざと滑り降りたところもあるらしいのだが、下に岩などがある危険な場所でなくてよかったと思う。それにしても天真爛漫なこの女性、恐るべし。

登山者はめいめい硬い雪面を歩いているようだが、我々軟弱臆病スキーヤーの限界は標高2800mあたりだった。もう肩の小屋より上は硬くて、テレマークスキーで滑っても面白くない。朝日岳と蚕玉岳の間の沢の中間点手前でシールを外し、沢に滑り込む。最初はクラストで慎重に、少し高度を下げたら快適な雪の状態に変わったので、ここからは天国に転じた。気持ちよくターンを描いてトイレ上を横切り、道路沿いに尾根を巻いて通称「すべり台」を登る。さすがにこっちはスキーヤー天国で、10名ほどがシール登行している。県境の稜線2790mまで登って、大休止の後すべり台を途中まで滑降、2650mほどで左手の道路と合流して、富士見沢へと滑り込む。2550mまで滑り降りた。

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まだ槍・穂高が見えるが雲の色が・・
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「すべり台」を登るスキーヤー
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富士見岳から剣が峰方面。かなり空模様が怪しくなってきた

最後は道路最高地点を目指してシール登行し、鶴ヶ沢を滑る。11時45分に2700mの県境道路最高地点にたどり着いたら、だいぶ黒っぽい雲が西から迫ってきた。鶴ヶ沢をほとんどノンストップで滑り降りて、林間を辿って位ヶ原山荘上の県道に降り立つ。これで今シーズンは終了。もう悔いはない。

山荘でコーヒーを頂き、13時30分のバスで下山する頃には、雨が本降りとなっていた。あらためて絶妙のタイミングで無事下山できたことを噛みしめた。

今シーズンのスキーは残念ながら少雪に泣かされた。せっかく買った会津高原高畑スキー場の9,800円シーズン券だが、スキー場全面オープンが1月中旬にずれ込み、やっとこさ元を取ったような回数しか行かれず、ゲレンデパウダーも1回のみ。2月上旬はインフルエンザでダウンし、病み上がりで参加した高谷池ヒュッテ泊のツアーは季節外れの雨で大谷ヒュッテに変更、横滑り大特訓ツアーとなった。3月は消えゆく雪に焦ってステップソールでの歩きに切り替えたが、これはもう少し探求したいところだ。4月の単独燧ヶ岳も雪が少なかった。まあそれでもこの乗鞍岳で全て取り戻してお釣りが来た。乗鞍大雪渓のウェブでは、我々が下山した翌日も荒天が続いたとレポートされている。

「安全第一」「命あっての物種」。細々と、でもケガなく長く続けて行きたいものである。
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今回のトラック。内側のループが5日、外側が6日。

琴平峠〜長谷場閑馬林道〜塩坂峠〜館林サイクリング

連休はまとまった休みがとれないし、どこに行っても混雑しているのでサイクリングが吉である。
渋滞を尻目に気持ちよく走れるのは最高の気分だ。

ということで、いつもの北千住駅から栃木駅まで東武線で輪行。輪行が素早いのはチタンシクロクロスアプレ号なので、今回も朝6時過ぎに自宅を出て7km先の北千住駅に向かう。乗ろうと思う電車にギリギリ間に合わないことがままあるので、少し焦る。6時28分に駅東口に着いて、自転車をバラして輪行袋に入れる。サドルバッグをちょっと大きめのものに替えてきたためか、輪行袋のしまりが悪い。余計なことで時間をロスして電車に乗れないと困る。が、44分に輪行準備が完了して48分の南栗橋行き急行に乗れた。輪行準備に約15分というのは自分としては早い。

南栗橋で新栃木行き先頭車両に乗れば、8時09分に栃木駅到着。駅の外でゆっくり自転車を組み立てて、8時40分頃には出発できただろうか?組み立て途中にやはりオジサンから話しかけられて、応対している間に時間が過ぎていった。12月にも登った琴平峠へのアクセスは最短ルートで行かれた。峠の手前では代掻が始まり、中には田植えの済んだ田んぼもある。カートのサーキットからキツイ屈曲路の登りが始まる。12月と違って路面に落葉などはないが、久しぶりに坂を登るので息が苦しい。頂上に着いて写真を撮っていたら、下から登ってきたヒルクライマーたちに追いつかれ、下りで4人ほどに抜かれた。まだまだ先は長いのだ。速い人はお先にどうぞ。

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代掻がはじまった
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琴平峠頂上

葛生に降りて、古越路トンネルから一つ西の谷(佐野市船越町)に向かう。トンネルは通りたくなかったが、トンネル経由の方が距離が短い。谷に降りきって右折し、谷の奥へ入っていく。途中で現在地確認をしていたらロードバイク集団が同じ方向へ走っていった。彼らは琴平峠で出会った集団かもしれない。

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5月ですなあ・・

長谷場町というところから左方向の谷に入っていく。長谷場閑馬(かんま)林道で、最初は川沿いに谷の奥へ向かっていくが、沢から離れた途端に斜度がグッと上がった。峠までの標高差は200m弱だが、林道なので普通の道の規格をはみ出て斜度がきつい。1台のオフロードバイクに抜かれたが、とても楽そうに登っていって先で写真など撮っている。こちらはバイクに抜かれるときによたよたしていて邪魔になるといけないので路肩に停止してやり過ごし、次に漕ぎ始めたら斜度がきつくて根性が萎え、押し歩きをするというていたらくだ。

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きついヘアピンで思わず止まった

金原山の頂上直下を通ったら下り。下りも斜度がそこそこあって、集落が出てきたところで一休みしないと走り続けられなかった。それにしてものどかな集落だ。

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のどかな山奥の集落で思わず休憩した

閑馬川に沿って下るようになると道幅が広がり、40km以上も出てしまう道になった。ボトルの水ではなく、炭酸飲料が飲みたい。県道に出て右折し、すぐに左折すると塩坂峠への登り口だが、そこにあった工場の入口の自販機でサイダーを一気飲み。これで塩坂峠への登りも完璧だ!とはならないのが現実。相変わらずスーパーローギヤで歩くより少し速いスピードでしか登れない。別荘なのか、あまり人気のない家を脇に見ながら登って行くと、やっぱりきつい坂。それでもこちらは前の林道よりは少ないあえぎで登りきった。標高差は約200m。

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塩坂峠の庚申塔

下ると北関東自動車道の下をくぐる。峠の名前にもなっている塩坂という集落がある。本当は歩いて登る塩坂峠の道があるらしいのだが、峠の頂上に庚申塔がいくつも立っていたので頂上は旧道と同じだろう。

足利市街に出たので、まず袋川という川に沿って南下し、JR両毛線の線路を渡ったところで食堂に入ってお昼とした。久しぶりにサイクリング途中で食堂に立ち寄った。いつもコンビニばかりだからたまにはいい。

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お昼はやや贅沢なとろみのある塩ラーメンと半ライス

腹がふくれたところで渡瀬川の右岸に渡ってサイクリングロードを走る。川沿いは南風が強くて単調ですぐに飽きる。右側の養豚場からかぐわしい匂いが漂ってくる。南栗橋までサイクリングロードを使って行ってしまえば帰りの電車は乗り換えなしで楽だなと思ったのだが、あまりに単調な走りと向かい風と強い日差しで挫けた。今日は挫けてばっかりだ。

高橋大橋という橋でサイクリングロードから離れ、館林市街へ向かう。過去にも自転車をバラして電車に乗ったことがある館林駅の交番近くの日陰で自転車をバラし、トイレに寄りたかったが14時58分の急行に乗ってしまう。館林を出て2つ目くらいの駅から輪行バッグを抱えた初老の男性が乗り込んできたが、越谷あたりで降りてしまった。こちらは少しお話などしたかったのだが、すぐにうたた寝体制に入ってしまったので声もかけられなかった。

最寄りの東武線駅で下車して再び自転車を組み立て、家路についた。日が長くなってきているので本当は日暮れまで走りたかったのだが、今日はもう体力の限界だ。太ももまわりがとてもだるい。

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今回走ったルート(琴平峠手前からログ取り開始、琴平峠の下りはうっかりアプリを終了させてしまったので直線になっている)