日光から足利へ(細尾峠・草木湖・山境林道・長石林道)

仕事が山積しているのだが、今の季節を逃すとサイクリングに最適な日をみすみす逃してしまうので、数日前から浮上してきたルートを走りに行った。

計画したルートは文字にすると、
日光駅まで長い輪行をして、以前走った細尾峠を越えて足尾に出て、粕尾峠には登らずにそのまま国道をしばらく下って群馬県みどり市に入り、沢入から草木湖の東側を通過して国民宿舎サンレイク草木の裏手から林道三境線で山越えをし、桐生市の桐生川ダム上流の最奥集落の上に出る。桐生川ダムから栃木県佐野市の老越路峠に登ってそこからは長石林道で足利市に南下して足利市街を経て東武の足利市駅まで。
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総距離は93kmほど(朝の北千住までの7kmをあわせて100km)。ちょっと高を括っていた。細尾峠がチマコッピ(最高地点。約1200m)だが、あとは登り口から標高差300m未満なのでそんなに苦労はしないだろうと思ったのが間違いだった。栄養補給の適当さ、ソロゆえの休憩の取り方のミス、谷あいの向かい風、部分的だが強烈な斜度にやられ、三境林道では何度か停止して自転車を押す始末。以前問題なく登れた最後の長石林道でも停止と押しをやってしまった。ちょっと無理なサイクリングをしてしまった。まあ、競争ではないし、一年のうちでも最も日の長い季節なので日が暮れることもなく、自分が納得できればそれでいいのだが。

6時31分北千住発の区間快速列車に乗るべく自宅を出たのだが、すぐにボトルを忘れて取りに戻ってから北千住に行ったら、輪行準備が終わった頃に列車が出てしまった。区間快速は山歩きの人が多くて混む上に輪行袋の自転車を置く場所がないので、乗れずに悔しいということはあまりない。次善策を考えつつ、1時間以上待つ特急に乗ったり次の区間快速を待つことはせず、南栗橋行きの急行の先頭車両に乗った。こちらは運転席のすぐ後ろに自転車を置けたのだが、しばらく座席には座れず、座れたら部活の高校生が輪行袋のすぐ近くでじゃれあうので気が気ではない。案の定、一人がよろめいて自転車を蹴った。あとで見たら、リアブレーキが少しずれていた。

南栗橋から新栃木まで普通列車で、新栃木から一本遅い区間快速に乗れ、比較的順調に東武日光駅に9時20分頃たどり着いた。とにかく日本指折りの観光地。中国人観光客がとても多い。駅の入口脇で自転車を組み立て、9時40分に走り出した。標高550mの日光駅からいきなりゆるい登りが始まる。10時20分に細尾集落に入り、細尾峠の登りにかかる。登り始めに路面に落ちている棒だと思って乗り越えたら、ヘビだった。細尾峠はつづら折れ30余りの峠だが、かつては人馬が通った道だし、1978年までは当時の非力なエンジンに対応した国道でもあったので、一つ一つのカーブのあとの斜度が適度で好きだ。確かカーブ番号23あたりまでは比較的緩やかで、その後から少し斜度が増していく。細尾集落から50分ほどかかって1200mの頂上着。新緑がきれいだった。
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細尾集落にて
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緑濃い峠道
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峠頂上

下り。地蔵坂という名前がついているつづら折れを下り、国道122号に出て足尾駅を目指した。漕がなくてもどんどんスピードが乗る快適国道だが、交通量は多い。11時45分に足尾駅で休憩。わたらせ渓谷鉄道の列車が入ってくるらしく、木造の足尾駅を見物する人がいた。国道122号が渓谷鉄道と平行しているため、国道を下ると撮り鉄たちがあちこちでカメラを構えていた。だが、やってくる列車はSLではなくて、ディーゼル機関車だった。

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風情ある足尾駅

沢入駅入口から国道を離れ、駅前をかすめて草木湖の東岸沿いの道路に入った。カーブが多い上に若干の上り下りがあって、これが次の林道でボディブローのように効いた。サンレイク草木(標高480m)で昼食をとることも考えられたが、北千住の駅コンビニでおにぎりを3つ買って一つづつ食べていた上にコーラを飲みながら峠を越えたので空腹感はなく、林道入口でおにぎりを一つ食べてそそくさと三境林道に入ってしまった。単独だと休みもそこそこにしてしまうのは登山でも出てしまう悪い癖だが、今回もやらかしてしまった。この林道、沢の右岸を登って橋で対岸に出て山の中腹を巻いていく形状をしているが、沢を渡るまでの急坂がキツイ。途中でやめて別ルートにしようかと思ったくらいで、思わず足を着き、休憩を入れ、時には押し歩くはめになってしまった。モモの筋肉が張り、自転車の押し歩きをするとふくらはぎの後ろも痙攣しそう。山を巻く部分に入ると斜度は少し落ち、標高800mくらいまで来ると下りが入る。気持ちよく下ってしまうと、トンネルの少し手前の林道分岐からトンネルまでの標高差100mがまた急坂になる。ここでも息も絶え絶えになってしまった。トンネル手前で少し休憩し、真っ暗なトンネルを潜って下りに入る。
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トンネル手前で
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林道には珍しいトンネル。照明なし!

三境林道を下りきって、桐生川に沿った県道に出ると釣り人の車が入っているが、道幅が3mほどしかなくて気を遣う。梅田湖にかなり近づかないと道幅は広がらない。

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蛇留淵というところで

梅田大橋のたもとで休憩。最後のおにぎりを食べて、自販機でまたコーラを買う。このまま桐生市街へ降りていくか、もう一つ峠を越えて足利市街に降りていくか、今日のコンディションだと前者の方がいいかもしれないと思い始める。しかし、走行距離は足利へ降りる方が短そうだ。以前通ったことがある長石林道なので、登りの様子はわかる。老越路峠まで飛駒の方から登ったときはきつくて道幅も狭くなり、自動車のやり過ごしで停止を余儀なくされたが、梅田湖からだと標高差は100m程度だ。峠まで行かれれば何とかなると思って走り始めた。もう停止時に写真を撮るのも面倒くさい。
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なんとか老越路峠に着いて、少し息を整え、長石林道に入る。最初は平坦、沢を渡って向きが変わった瞬間から標高差さらに100mの登り。普段なら何てことはないのだろうが、さすがに80km走って獲得標高も1000m近くになり、前述のようなお疲れモードでは乗り越えられなかった。細い道で対向車が降りてきたので路肩にいったん止まったら、次の漕ぎ出しが億劫になった。頑張っても仕方ないので、押し歩きして頂上直下から乗車した。あー、情けない。頂上で足利市街方面から登ってきたヒルクライマーと休憩し、先に下り始める。すぐに道は左右に分岐していて、右に下れば松田ダムの直下までダウンヒル。それは前回走ったし、あと一つ峠を越えないと市街地に行かれないのでパス。左方向へ向かう。「名草の巨石」ってやつも一度見てみたいが、時間がないし登り返しが面倒なのでパスして名草集落への細い林道を降る。途中コンクリ舗装もあり、握力が無くなってきたのでハンドルを握るのが辛い。一気に下って釣り堀を左右に見ながら、勘定谷戸という場所に出てそこからは快適な道路になった。足利インターチェンジ近くで旧道に入って市街地に入り、足利学校脇を抜けて渡良瀬川を田中橋で渡ったらもう東武の足利市駅。到着は16時を回っていた。

輪行のため自転車をバラし、輪行袋に入れて改札を通ったら、人身事故で東武スカイツリーラインが不通だと!幸い久喜駅までは各駅停車が動いたので、久喜駅からJRに乗り換えて上野東京ラインの15両編成の列車に乗った。いやー、JR速い。ところで上野東京ラインって上野から先はどこを走るんだろう?毎日通勤で山手線ホームから見える高架線を走っていることはわかるんだが、実際上野・東京間を乗車して通過したことがないので、近くにありながらわからない。最初は上野から自走する気力もあったのだが、もはや今日は自転車には乗りたくないので、自宅最寄り駅まで邪魔になることを恐れながら電車で自転車を運んだ。駅から自宅まで自転車を担ぐのは辛い。