山猫アウトドア備忘録

最近はたまにしか外で遊べない男の備忘録です

Sidebar
Menu

ステップで、かぐら霧ノ塔・雁が峰

一週間週末スキーを空けた。16日の日曜日、天気予報が好転したので、西吾妻山に行こうと思ったが、写真を見るとかなり密林を登らなくてはならないような気がして、かぐらスキー場から霧ノ塔・雁が峰を経てゴンドラ下のコースに出るルートに切り替えた。久しぶりのかぐらバックカントリー、しかもまた単独。

今回はステップソールで極力シールを使わずに歩くつもり。結果、気温が上がってザラメになったので機動力を発揮して3時間弱で終わってしまった。やはりこのコースは雪質と天候に恵まれれば、ノーシールでステップソール(ウロコ板)の方が行動が敏速になる。

朝5時20分ころに自宅を出る。もう明るい時間だ。順調に首都高・外環・関越を走って、8時ころかぐらスキー場のみつまた駐車場にたどり着いた。山から戻ってきたら駐車場は料金所あたりまで埋まっていたので、それなりに客が来ているが、下山コースの方までいっぱいになってるわけではない。

リフト券を久しぶりに買う。いろいろと乗り継がないと山頂近くまで行かれないので、一日券(4,700円)を買う。半日券でも行かれそうだが、13時を回ると一日券との差額を払わなければならないのでリスクが高い。しかしリフト券は高いよね。

かぐらゴンドラは少し太い板だとラックに入らないし、177cmのG3finderだと中に持ち込んでもつかえてしまう。ぜひスキーラックの形状を工夫してもらいたいものだが、機械力で1800m以上まで連れていってもらっているので文句は言えないか?

9時20分ころ、ゲレンデからのゲート前で登山届を提出し、自動のビーコンチェックを通過してゲート外に出る。ゲート部分だけはスキーを脱がないとウロコ板では登れない斜度だった。多くの人がこれから登ろうとしているが、みなシール装着に時間がかかっている。私だけウロコ板なのでそのままスタスタ歩き始めた。G3finderのウロコの効きはたいへんよろしい。最初はシール登行の人々と同じような斜度でも無理なく登れた。最初の1984mピーク手前までで約30分。きれいな雪面だったので標高差50mほど滑ってみた。雪は素直で、テレマークターンが決まる。これはいいぞ。

IMG_0581
定番の苗場山

そのままうねった尾根筋を滑り、1920mピークで10時20分。その後「三角」の急斜面は直登せず、右から巻いた。ATスキーでVoileの極太ウロコ板を履いて登っている人がいたが、シールで登っていた。一言二言言葉を交わしたが、私がノーシールでここまで来たことに驚いていた。ご本人は「まだウロコ慣れしていない」のでシールをつけていると言っていたが、拇指球で曲がらないブーツとtechビンディングでウロコは効くのだろうか?

「三角」を巻いたらそのまま休憩なしで霧ノ塔まで。山頂で11時。時間に余裕が出てきたので、「三角」から尾根を一本滑れば良かった。北東側のピークに滑り込む前に少しだけ滑ってから登った。

IMG_0583
ハイライトへ

さて、ここからハイライトである。ここまでで他の人々を何人か抜かしてしまったようで、滑り出しはこの日の2・3番手くらいだったようだ。悪雪だと苦しむが、どうやら今日はきれいにターンさせてもらえそうだ。気持ちよくターンして、ちょっと寄り道して1886mピーク手前まで。黒岩の平の北側の斜面も滑りやすかった。浅い沢で一休みして、尾根を巻いて雁が峰へ。右手は大きなクラックが何本も見えている。雁が峰へはわずかに登るが、ここもウロコ板だとストレスフリー。雁が峰山頂には、前夜テント泊したらしい集団が10名ほど。みなtechビンディングのATスキーだ。

IMG_0588
せっかくのシュプールがよく見えない
IMG_0589
雁が峰と巨大なクラック

12時に雁が峰山頂を後にする。最初の緩斜面ではウロコが邪魔してスピードが出ない。「檜屋敷」まではそれでも滑りやすかったが、最後の急斜面は雪が重くて難儀した。アルペンターンでやり過ごすが、滑った後からナットウ雪崩が起こるので真下に向かって滑れず、トラバース気味に高度を下げた。

kagurakirinotou_map

ゴンドラ下の連絡コースに出たのは12時20分。あとはスピードが乗らないウロコ板でタラタラと降るだけ。最後のリフトも13時前に乗れたので、結果半日券を買っていれば1,200円ほどお得だったのだが、これは仕方ない。最後にかぐら名物「下山コース」に入ろうとしたが、まだ午後も浅くオープンしていないようなので待ちきれずみつまたロープウェイで下山。チケット売り場で下山報告をして終了。

帰りも関越の渋滞が発生する直前に通り抜けられたようだ。近所で給油して、車を片づけ、ウィンターワイパーをようやく取り換えて帰宅しても16時台だった。車のスタッドレスタイヤを夏タイヤに履き替えるか、このまま夏もスタッドレスを使って秋に新しいスタッドレスにするか、悩ましいところだ。
Comments

三岩岳・行きはよいよい帰りは・・

満を持して南会津の三岩岳に単独で登り、滑った。登りは標高差1200mをよく登ったと自分で思うが、降りはクラスト&生コン雪でほとんど何もさせてもらえなかった。徒労感の大きい山行であった。

天気予報を眺めつつ、4月2日の日曜日が"The Day"だと思った。もし登りがサクサク行って時間に余裕があれば窓明山まで周遊してくるとよいのだが、単独であの雪庇近くの稜線を歩くのは危険だ。稜線伝いに歩く必要のないルートも想定してはいるのだが、何にしても単独はまずい。三岩岳の往復にして、それでも余力があるなら翌日窓明山だけにしたからアプローチしてもいい。3日夕方には雨または雪の予報で、自分の体力と判断力がしっかりしていれば滞在を一日伸ばしてもいいと思えた。結果は三岩岳山頂往復だけで終わってしまったのだが・・

前日の1日夜に南会津の道の駅「番屋」まで行く。高畑スキー場への道中なので通い慣れた道だ。もう路面の凍結もないだろう。道の駅で車中泊して、翌日5時40分に目覚め、準備して登山口に向かう。しかし途中で再びもよおしてきて、営業最終日の高畑スキー場のセカンドハウスのトイレをお借りする。ゲレンデに入ってないのに緊急事態で申し訳ない。

登山口の路側帯にはすでに6台くらいの車が止まっていて、準備を始めていた。みな同じ集団のようだ。集団に遅れた3人が私より少し先に歩き始めている。7時30分過ぎに私も歩き始め、夏道の国体コースの尾根を登り始めた。とにかくこの山は最初が急で尾根が細い。先行する3人のうちの女性がスキー操作に手間取っていて、一人の男性にサポートしてもらっている。あまり慣れていないのか?ルートが選べる場所で抜かせてもらった。どうやらこの2人も、少し先行した1人も、そのまた先に登っている6〜7名も、同じパーティのようだ。どうしてバラバラになるんだろう?

2017-04-02-08.28
樹間から三つ岩が見える
2017-04-02-08.55
だいぶ尾根が広がってきた

細い尾根をクリアして、980mほどの鞍部に来た。沢の方から登ってきてここで合流するトレースがあった。帰りはこの沢を滑ってもいいかと思いつつ、さらに高度を上げる。1309mの広いピークは巻いて、沢道との合流点で9時45分。一息入れて、ここから標高差400m一本調子で上がっていく尾根を登って行く。幸い、先行者のトレースがあってコース取りは楽だ。しかしヒイコラ言って11時10分ころそれまでのキツイ尾根をクリア。メロウな斜面がここから始まる。

2017-04-02-10.34
標高差400m尾根の半分まで来た
2017-04-02-10.58
だいぶ近づいてきた

11時40分ころ、避難小屋のあるべき場所に到達するが、すべて雪の下なのか、建物の陰も形もない。尾根の上部あたりから風も吹いてきているので、身体が冷えないようにさらに登る。雪面にはシュカブラが見られ、滑るにはあまりよろしくない状況だ。次第に斜面は緩くなるのだが、結構長く感じる。先行していた6〜7名がめいめいに滑り降りてくる。滑っているところを見てもバラバラで、1つのパーティのようには見えない。

2017-04-02-11.18
窓明山方面の尾根にデカイ雪庇が・・
2017-04-02-12.00
山頂直下の半モンスター

12時30分に見覚えのある三岩岳山頂にたどり着き、夏道のない2070mの最高地点に足を伸ばし、12時40分に到着。会津駒や燧ヶ岳、日光白根もよく見える。若干風があるので体温を奪われる。早々にパンをかじり、シールを剥がして滑降準備を整え、13時に滑降開始。

2017-04-02-12.40
会津駒方面

滑り始めてすぐに、これは手ごわいと感じた。クラスト・シュカブラによる段差、テレマークターンはかろうじてできる程度で、先のことを考えると安全にスピードを殺して滑るほかない。最初の急な尾根で抜かせてもらった3人のうち男性2名とすれ違う。あれ、女性は?と尋ねたら下の方で登っているという。ちょっとなーと思いつつ、出会ったらそこで待っていてくれと伝言を頼まれる。こちららからも、質問として980mからスキーヤーズレフトの沢を下ったことがあるか聞いてみたが、やはり危ないので降ったことはないとのこと。私も単独で午後の腐れ雪の表層雪崩に巻き込まれる危険は避けたいので、素直に尾根筋で降ることにした。

1人取り残された女性は避難小屋のあたりにいるだろうかと思ったが姿はみえず、1699mから標高差400mの尾根を滑り始めたら出くわした。周辺に木がなく風を遮れないので、シールを剥がしてもう少し高度を下げたところで待っていたらどうですかとアドバイスし、彼女がスキーを履くまでとどまっていたが、その女性が作業中ずっとしゃべっているのでだんだん聞くのも億劫になり、準備ができて樹林帯まで降りたところで先行させてもらった。しかしおしゃべりのおかげで彼らがどういうパーティかわかった。要するに福島のバックカントリースキーの団体なのだが、混成部隊になるらしい。力量の差も大きいので同じ山に行っても行動がバラバラになるようだ。それなら10人ものパーティを組まなくてもいいのに。

1309mピークを高まわりして細い尾根に入り込んだらあとは苦行となった。よくいえば総合力が試される細尾根だが、実態はめちゃくちゃ重い生コン雪でターンができる幅もなく、ワンステップターン・ツーステップターン・斜滑降・キックターン・横滑りなどを駆使して下降した。最後に沢状地形に入り込んだがここもクラックが多く、安全に降るのは難しい。14時50分、ようやく道路に出た。太もも、腰、ヒザの負担が大きかった。

うーん、長くあこがれた三岩岳を昨年初夏に下見をし、こうして春山にもスキーで登れたのだが、正直言って尾根筋を滑ってくるコースはスキー向きではないと感じた。本当は沢に入り込んで豪快な滑降ができればいいのだが、沢の両側の尾根が急なうえに、単独ではリスクが高すぎる。

汗みどろのウェアを車中で取り換え、例によって湯ノ花温泉に向かい、200円で生き返る。東北道に乗ったら大きな事故渋滞が発生していて、岩舟JCTから先渋滞を抜けるのに2時間以上かかるという。上河内SAで夕飯を食べながら作戦変更し、北関東道を水戸方面に走って途中で新4号バイパスに乗ることにした。新4号はいつもより交通量が多かったが、2時間渋滞に巻き込まれるよりはおそらく速く、草加から安行方面に折れて首都高で帰宅した。

mitsuiwadake_map
赤=登り、青=降り
Comments

粟立山&菱ヶ岳

インフィールドのツアーに参加した。26日は妙高市新井の西方に見える粟立山、27日は上越市安塚区の関田山脈北側にあるキューピッドバレイスキー場近くにある菱ヶ岳。粟立山は春山の悪雪、菱ヶ岳は季節外れのパウダーだった。

2017-03-25-17.21
25日夕方の妙高山

25日夕方に現地入りして道の駅あらいの場内にあるビジネスホテルに連泊した。朝の集合は道の駅なので至近距離だ。インフィールドの中野さんがやってきて、ガイド1名、ゲスト3名で粟立山のふもと集落、西野谷からシールをつけて8時過ぎに歩き始める。最初は林道に沿って歩き、林道から外れて万内川に沿って登り、9時30分ころ標高500mあたりから尾根に取りつく。まだまだ朝早くて雪面が凍っているのに上から滑ってくるスキーヤー、ボーダーが3〜4パーティ。日の出ころから登り始めたようだが、滑っていて面白い時間帯なのだろうか?

2017-03-26-08.45
万内川沿いに登り始める
2017-03-26-10.19
急な尾根を登った

急斜面の尾根を登って行くと、次第にかかとにマメができる兆候が感じられる。私以外のゲスト2名は山スキーなので急斜面の登行は速い。マメを作らないように、ここはペースを若干落としてでも小股で登行するしかないので、先行する3名とは少し距離をとってついていく。こんな調子では行きたいと思っている三岩岳に登ることは厳しい。粟立山は標高差1000m弱だが、三岩岳は標高差が1200mもある。三岩岳から窓明山を経由するなら山中1泊しないといけない。一人で登るなら、天候を見極めて朝早く登り始め、シールの付け外しが最少になる三岩岳山頂往復しかないか・・

2017-03-26-10.53
先行してもらい、マイペースで
2017-03-26-12.01
南側に大毛無山が見える
2017-03-26-12.21
ようやく粟立山山頂を越えた

11時近くになって標高900mくらいで再び林道に出て、標高1000mくらいで林道から離れて粟立山の山頂に南南東から詰め上がる。12時10分に粟立山山頂着。山頂にはスキートレースはなく、午前中に滑っていた人たちはみな途中からドロップしたようだ。もうひとつ北の小ピークに登り、12時45分ころに北東の沢にドロップ。重くなった雪が斜面に落ちて4番目に滑っているとデブリの中を滑る感じであまり気分は良くないが、そこそこアルペンターンでこなせる雪だ。標高1000m近くまで滑ってから、シールをつけてわずかに登り、さらに北東に延びる流浜谷源頭部を滑る。ここも気持ちがいい。標高800mくらいまで滑り降りて、右岸には岩崖しかないが、ピンポイントで崖のない場所から尾根を越えると登ってきた急な尾根を越えることになり、そのままトラバースして林道の標高900mあたりと出合い、その後は林道北側の広い尾根を滑降する。ここまで来るとスキーのトレースが至るところにある。

2017-03-26-13.45
2017-03-26-14.52
重い割には滑れる雪だった

標高が下がるにつれて重い雪となり、長く滑ると太ももに強い負荷がかかる。万内川沿いの林道に降りたのが14時40分ころ、あとは滑らない雪をまっすぐ滑り降りて、ほぼ15時に終了。

解散した後も宿がすぐ目と鼻の先なので楽だ。汗を流して、ホテルの並びのラーメン&定食屋で夕飯を食べ、早めに就寝。真夜中に起き出してATPテニスマイアミ大会の中継を観る。ストレートで終わるかと思いきや、フルセットにもつれ込んでいるうちに寝落ちしてしまった。

27日は朝から雨。というか、前夜から降り続いていた。標高が高くなれば雪になるはずで、この日の山はかなり移動してキューピッドバレイスキー場から菱ヶ岳となった。新井からスキー場までの移動に約1時間。昔は細い3ケタ国道しかなかったが、一部無料供用されている上沼自動車道を使った。移動中、そしてスキー場の駐車場でも雨だ。

初めてこのスキー場に来たが、標高が低い割には積雪量は豊富で、しかも標高差500mを稼ぐゴンドラがある。この日のゲストはテレマーク3名、山スキー1名で、昔なじみのMさんも来ていた。

2017-03-27-12.25
どんよりとした空に雪が降る
2017-03-27-14.22
いいブナ林だ

9時に動き始めたゴンドラを降りると案の定雪だ。視界もあまり良くない。出発は9時40分。まずシールをつけて信越県境まで登り、いったん西側のブナ林を標高差150mほど滑走。菱ヶ岳の南面から山頂に登る。前日と違って初心者がいるのでゆっくり登ってくれてありがたい。山頂に11時45分着。視界は悪く、風も冷たいのでシールを剥がして再び南面を滑走し、途中から火炎石に向かって閉鎖された国道に出る。この国道がくせ者で、右手が崖になっている斜面をトラバースしなくてはならない。慎重に一人一人距離をとって移動し、850m付近で国道から離れて西側のボウルを750mまで滑降。ここの雪が良かったので、登り返して2度目を滑る。

2017-03-27-12.26
寒い!

750mで北に向かってトラバースし、国道に出たところで再び西側に広い緩斜面が広がっている。ただし、地形図を見ると最初が崖で、雪面に長大なクラックが入っているようだ。気持ちよく滑っていたらクラックのことを忘れかけ、クラックを飛び越えてしりもちをついてしまった。もっと大きなクラックだったら危なかった。

2017-03-27-14.57
かなり降った場所の国道
2017-03-27-15.33
埋もれる標識
2017-03-27-15.34
スキー場が近づいてきた

堰堤そばの道路からもう一度トラバースして国道の屈曲部分に出るとスキー場と駐車場が見える場所に出た。ただし、除雪のための事前堀りがあったようで、スキーを脱がずに国道を横切るのはテクニカルだった。あとは駐車場に出るだけだが、最後の最後に除雪のデブリ跡をクリアする必要があった。16時過ぎに駐車場着。菱ヶ岳をぐるっと一周してくるルートだったが、雪質がこの季節にあっては非常に良く、滑走を堪能できた。

しかし菱ヶ岳と同日、那須連峰の麓のスキー場では異常な積雪があって栃木県の山岳部高校生が雪崩に巻き込まれて多数が負傷し、引率教員含め8名もが命を落とした。那須一帯で一度に30cm以上の積雪があること自体が極めて稀なことだと思うのだが、登山中止は賢明な判断だったとはいえ、なぜビーコンも持たせずにラッセル訓練などしたのか、まずは高校生であっても、ビーコンの扱い講習から始めるべきだったのではないのか。傍から見ている者は事後から何とでも言えるが、あまりに高校生たちがかわいそうだ。私も少年たちとともに山に登る仕事山行が恒例だが、たまたま幸運に恵まれているに過ぎない。責任感を持って当たっているつもりではあるが、事故は絶対に起こしたくない。
Comments

舟鼻山・雪原歩きと急斜面滑降

先週の記事の最後にウィッシュリストとして挙げておいた、会津の舟鼻山へ行った。
舟鼻山は南会津町・下郷町・昭和村の町村境界にある、1200mほどの山で、国道400号の舟鼻トンネルの昭和村側出口が出発点になる。山の形状は山頂部が平坦なテーブルトップマウンテンで、山頂部が高層湿原の苗場山とは違い、ブナ林におおわれている。計画では山頂部から伸びる尾根を歩き、御前ヶ岳を往復するつもりでいたが、新雪歩きによる時間切れで次回持ち越しとした。

朝5時30分過ぎに自宅を出て、高畑スキー場へ向かうルートで南会津町まで。352号線で檜枝岐方面へは向かわず、会津田島の西側を経て400号線で北上。トンネルを越えるうちに雪深くなってきた。舟鼻トンネルを潜って昭和村に出るすぐ右側に除雪されたスペースがあるはずなのだが、まだ雪に埋もれていて入れない。そのままゆっくり進んで旧道との分岐の道路反対側にわずかなスペースを見つけたのでそこへ駐車。まだ車は一台も停まっていなかったが、すぐに会津ナンバーの車が来て、会津若松から来たという山スキーのおじさんが舟鼻山へ向かうというので、少し会話した。登行のルート取り、注意すべき箇所などを教えて頂く。結局、この日舟鼻山に入ったのは我々2人だけだった。

準備は会津のおじさんの方が早く、古いキャンバー板とジルブレッタ金具、普通のスキーブーツで先行して行った。私も準備が出来て9時20分に出発。まず道路脇の雪上に出て、スキーを履き、旧道を進む。最初の左カーブでおじさんのトレースが道路の右に逸れていっていたので、後を追わせてもらった。トンネルと旧道の間の緩い尾根を登って行くのだが、おじさんのトレースはシール登行で直線的。私はウロコ板finder86なので、斜登行が多くなる。新雪なのでスキーがずれ、ウロコの効きがあまりよくない。

舟鼻峠で休憩中のおじさんとまた出会い、ここからは林道をショートカットして舟鼻山の急な北斜面に向かう尾根を登って行く。相変わらずおじさんはシールなので直線的に先行していくが、私は斜登行&キックターン。つづら折れの林道に乗り上げる直前が急で、ウロコ板では厳しかった。

何とか舟鼻山北斜面のつづら折れ林道に乗って、そこからは林道沿いに歩いていかれる。時々右の斜面を見ていたら、植生が薄い部分が目に付き、林道の上方から一度滑ってみたくなる。ウロコ板だし、そういう遊びを交えないと面白くないよな、と思った。最初の右急カーブを曲がらず、直進して東北東方面に伸びる尾根の上でおじさんと休憩する。おじさんの言葉が早口の会津弁なので聞き取りにくいが、単独山スキーヤー同士、会津の山について少し語ることができた。尾根からは田島の町並みが遠望できる。

再び林道に戻り、より雪深くなって雪が吹きだまり、林道らしくなくなった場所を先に登って行く。おじさんはどうやら山頂までは行かないようで、シールをつけたまま下山していった。その姿を見送ってから、アウターを着て下の林道にドロップイン。後で確かめたら標高差は30〜40mに過ぎず、4ターンほどしたに過ぎないが、北面のパウダーを味わうことができた。下の林道からはアウターを脱いでザックに括り付けるだけで歩き始められる。ウロコ板の機動力はすばらしい。

2017-03-12-11.07
ほんのわずかだけど楽しんだ

その後も下の林道へ滑り降りられるポイントのあたりをつけつつ歩いていく。しかし左側の崖からの落雪にも気をつけなければいけない。若干際どい部分が1ヵ所あったが、そこを抜けて左にカーブすると急になだらかになり山頂部に到達する。今までとは違い、嬉しくなるくらいなだらかだ。

2017-03-12-11.43
動物の足跡を追って山頂部に出た
2017-03-12-11.44
新雪が板にくっつく

林道から外れて林の中を歩いてみたり、岬のような突端まで行ってみるが、新雪におおわれてどこもきれいで、ここにテントでも張って一泊したら楽しいだろうと思う。どこを歩いても動物の足跡しか見当たらない。フラフラしている間にもう12時を回っている。北西方向に伸びる尾根の最高点で周囲の雪山を木の枝の向こうに眺めながら調理パンの昼食を摂る。尾瀬方面の雪山、那須方面の雪山、北側の博士山の裏には飯豊連峰も見えたが、初めて見る方向からなので多くは山座同定ができない。

2017-03-12-12.21
右上に博士山、その左に飯豊が見えるのだが・・

このころから御前ヶ岳までの道のりが結構あることに気付く(いまごろ遅い!)。御前ヶ岳の山頂と歩くべき尾根は見えてはいるのだが、ここまで油を売りながら3時間もかかっている(ザラメ雪ならもっと時間短縮できただろう)。とりあえず丸い1203mピークの手前まで行ってみるが、ここで13時を回ったので御前ヶ岳を諦める。次回にして、舟鼻山のフラットな雪面をもっとしっかり歩いてみよう。

2017-03-12-12.52

ということで地形図上で「舟鼻山」の文字がある1226mのピークと、1230mのポイントを探しつつ歩き、最後は1204mピークから駐車した場所へ急な尾根を滑降することに決めた。後から地形図を見たら、1226mの南西側にもう少しだけ高い1230mの線が描かれていて、さらにその先に1229mの三角点がある。ここも踏んでおけばよかった。

1226mに近づくと、それまでの広葉樹林から広場のような場所に出た。晴天なので、目安になる物体がなくて不安になるような場所ではない(ガスっていると目印がなくて往生するだろう)。広大な雪原に一人トレースをつけていくのが嬉しくなってしまうような場所だが、ここはゴルフ場でも田んぼでも畑でもなく、山頂だというところがすごい。何度も振り返って自分のトレースを写真に収めた。

2017-03-12-13.02
うおー、視界が開けた!
2017-03-12-13.08
雪原を一人歩く
2017-03-12-13.14

2017-03-12-13.13
すばらしい!向こうはおそらく那須連山。二岐山がその左に見えた

雪原を歩いていくと、1230mのポイントは全く特徴のない場所だった。ここから林道に戻り、1204mの表記のある尾根に入っていく。尾根の突端に立つと、北斜面の尾根は急過ぎて下が見えない。かなり急だ。恐る恐る滑り込んだが、わりと木が混んでいて、しかも風のおかげか、雪面が1mくらいの段差の連続になっているので思い切った滑りはできない。少し西方向に尾根を回り込むとクラスト気味になる。登ってきた林道の途中においしそうな雪面の場所があったのだが、降り始めてしまったからもう後の祭りだ。尾根の前半、1100mまでは雪の段差でコケないように斜滑降とキックターンを交え、シュテム操作で慎重に高度を下げるしかなかった。トラックを見るとやや北西方向に振り過ぎてしまったようだ。その後は尾根も広がって雪の状態も少しよくなり、会心のテレマークターンなどはできないが、無難にこなして滑り降りることができた。安心なのは道路がすぐそばで、ある程度下に降りれば道路を右手に見ながら滑れるということだ。道路脇の雪を最後は歩いて、14時過ぎに駐車ポイントに戻ることができた。一応、単独でのスキーハイクは無事終了した。下山のルートは一考の余地ありだが、舟鼻山はとてもいい山だった。また来たい。

2017-03-12-14.14
駐車ポイントから

その後は下郷町まで県道でショートカットして、弥五島温泉・郷の湯で汗を流す。シャンプーも石鹸もなく湯に浸かるだけだが330円とリーズナブル。帰路は往路と同じルートは取らず、国道289号で甲子トンネルを越えて白河インターから東北道に乗る。3月半ばになったので、冬の間渋滞知らずだった東北道も岩舟JCTから先は渋滞だ。関越道と違って下道の代替路線が4号バイパスくらいしか思いつかず、その4号バイパスと東北道は宇都宮以南で距離が離れてしまうので、我慢して東北道の渋滞につきあう。ノロノロ運転はそんなに長くはなく、家の近所で給油・洗車を済ませても20時に帰宅できた。

hunahanayama_map
歩行・滑走距離合計7km、獲得標高差570m(山頂部で意外とアップダウンがあった)
山頂部では反時計回りに歩いている
Comments

野沢温泉スキー場〜馬曲温泉

1年ぶりのインフィールドツアーに参加した。野沢温泉スキー場のゲレンデトップ、毛無山から尾根沿いに木島平村の馬曲温泉を目指す旅系のツアーである。このツアーに参加するのは記憶と記録に間違いがなければ2005年以来2度目になるが、前回とは北入谷の北側の尾根を滑った。今回は大きく南下して赤ダレ谷に沿って最後は林道と棚田を滑り最奥の家屋まで出るという、よりロングなコース(移動距離はGPSによれば約10km)となった。

野沢温泉は遠いので、前夜発で千曲川沿いの道の駅で車中泊。集合は8時30分柄沢駐車場なのでゆっくり目だ。8時すぎに準備が整ってリフト券売り場の前で待っていたら、ゲスト6名とガイドの中野さん、サブの瀬下さんが揃った。リフト、ゴンドラ、リフトを乗り継いで、少しだけコース脇を歩いて登り、毛無山の中継アンテナ塔へ。野沢温泉スキー場は外国からの客が多く、ゲレンデ内の放送も英語のものがあった。またゴンドラ待ちの列がどんどん解消していくのはゴンドラが板持ち込みの立ち乗り式だからだろう。

ゲレンデはカチカチだが、やまびこゲレンデまで上がると木金に降ったパウダーが残っていた。天気は快晴でやや暑い。

2017-03-05-10.06
毛無山山頂から裏へ

まずは少し降ってシールをつけ、尾根沿いに歩き、よさそうな北斜面を一本滑る。雪が軽くて最高の雪質。先週のクラスト雪と比較すると天国で、ここで止めてもいいくらい、と思ってしまう。シールをつけてドロップポイントを越えて1633mピークに登り、そこから南面を滑降。やや雪が重いが、まあまあだ。緩斜面になって樹間も広くなり、奥志賀林道まで滑り降りる。ここでほぼ12時。

2017-03-05-10.56
最高にいい雪質だった

2017-03-05-12.12
道路標識近くまで雪がある

シールを再びつけて林道沿いに少し歩き、林道が緩く北東側にカーブするあたりから右側の斜面に取りつき、尾根に乗って1649mピークに到達。ここから馬曲温泉に向かって滑っていく。14時少し前。下降の尾根は少しだけ南側に伸びているので、最初に右手に見える枝尾根に入り、再び北斜面に滑り込む。ここもやや重だが動作をゆっくりすればターンが決まる。あまりにも雪の状況がいいので嬉しくなってしまう。左手の枝尾根が明瞭でなくなるころ、スキーヤーズレフトにコースをとって夏道とクロスし、しばらく下降すると林道が現れる。ショートカット気味に下降していくと赤ダレ谷を渡る橋に出合い、橋を渡って沢の右岸に出て、あとは林道沿いに直滑降していけば馬曲集落最奥の家屋に出る。ところが林道の右側が急斜面で崩れる可能性があり、また林道上にストップ雪がまばらにあって安心はできない状況。ガイドの中野さんがスキートップが引っかかって久しぶりに大転倒するところを見た。最奥家屋ではスキーを外すが、そこから下は棚田があり、そこはスキーを着けて滑り込めた。スキートップが段差で引っかからないように注意して滑らなければならない。
2017-03-05-13.43
1649mピークあたりから見た鳥甲山方面

2017-03-05-14.12
最後のいい斜面を滑り降りる中野師匠。いつもながら参考になる滑り

15時30分、舗装された道路に出て終了。野沢温泉に車の回収に向かった中野さんたちを待つ間、馬曲温泉につかった。ここは山スキーをする前から立ち寄ったことがあるが、日曜夕方ということもあるのか、駐車場が満車状態になっているのを見たのは始めてだ。確か10年前もここまで多くはなかったのではないか。内風呂と露天風呂が500円で入れるが、今回は汗まみれだし、脱ぎ散らかすものも多かったので内風呂だけに入った。いい泉質だと思うのだが、惜しむらくは循環であること。

風呂から上がってマッタリしてから野沢温泉スキー場に戻り、自分の車で帰路に着く。どうせ関越道は激しく渋滞しているはずなので、前夜お世話になった道の駅で少し休み、佐久平PAで夕食を食べてまた少し後部ベッドで横になって腰を伸ばし、20時過ぎに再出発。ゆっくり走行車線を走っているうちに渋滞は次第に解消に向かい、1箇所だけ残っていた高坂SAあたりの渋滞もさほど速度を落とすことなく通過し、あとはスムーズに東京へ。給油をして23時に無事帰宅。しばらくあの滑りの感覚がリフレインしそうだが、これから悪雪の時期になってくるからそうそう美味しい思いだけ味わえるわけではない。

今月後半から少しだけ自由になる予定だ。行きたいところはたくさんある。北東北は遠いけど、福島県で滑りたい山がいくつかある。再び南会津へ行って高畑スキー場からいつも見ている標高差1300mの三岩岳や、ウロコ板でテーブルトップの舟鼻山へ行ってみたい。吾妻連峰にも行ったことがない。またウロコ板といえば関田山脈。人気の鍋倉を外して、もう少し北の稜線を歩きたい。とりあえずインフィールドの粟立山は仮予約しておいたけど・・
Comments