山猫アウトドア備忘録

最近は一人寂しく外で遊ぶ男の備忘録です

Sidebar
Menu

18東北巡業登山旅行(その1・磐梯山八方台コース往復)

今年も東北の山に行きたくて6日間の行き当たりばったり旅をした。東北の山はなぜか何度でも行きたくなる。仕事山行で各地の山を訪ねているし、個人的にも家族でお手軽登山をしたり、個人的にも16年夏に飯豊連峰縦走や17年夏の一人登山旅、18年春の山スキー旅をしてきた。今回は一人旅でなく、最初から最後まで女房連れの二人旅、今まで逃してきた山を4日間連続で登ってきた。概要は以下の通り。

8月1日 移動&磐梯山八方台コース往復
8月2日 南蔵王連峰・屏風岳までピストン
8月3日 東成瀬コースで焼石岳ピストン
8月4日 阿仁ゴンドラを使って森吉山ピストン


昨年のような鳥海山ピストンや月山ピストンのような大きな日帰り山行がないのは、女房連れなのでなるべくライトな登山にしたかったのと、白山の仕事山行で疲れ気味だったことがある。しかし、昨年やり残した磐梯山に登れたし、最近あこがれていた焼石岳に登れたことも収穫だったし、昨年旅の積み残しだった森吉山の山頂に立てたことも嬉しかった。

毎日の宿泊は女房連れなので車中泊では疲れが取れないだろうと思い、その日その日にネットで安いビジネスホテルや公共の宿などを予約して宿泊した。もういい歳だし、運転疲れも出てくるので、車内ベッドではなくちゃんと休息が取れる方がいい。

8月1日(水)晴れ
bandai_map
磐梯山地図(標高1194mの町村境から中ノ湯を経て頂上往復)

朝6時台に東京を出発。本当ならもっと早く出るべきだが、二人になるとそうも行かない。それでも9時台には磐梯山の西の肩を通る磐梯山ゴールドライン(無料)を登り、磐梯山の肩にあたる標高1200mの八方台に到着し、準備して10時直前に歩き始める。駐車場がいっぱいになっていることを恐れたが、平日なのでかろうじて駐車可能だった。
八方台コースはあまりにも短くお手軽コースなので、本当は裏磐梯スキー場から火口原からの急斜面を登って頂上を極め、中ノ湯から裏磐梯に戻るループコースを計画していた。しかし出発時刻が遅くなったことや女房にとっては久しぶりの登山(しかも連チャン)となることから最短コースを選択。
中ノ湯まではウォーミングアップ、崩壊した中ノ湯の建物を横目に次第に急登になってくる。1630mの弘法清水で汗だくの顔を洗って水を汲み、弘法清水小屋でおいしいナメコ汁を注文して頂く。磐梯山は日帰りが原則なので小屋といっても売店だが、管理している女性は赤埴山直下まで延びる林道を使って毎日1時間程度かけて小屋まで登ってくるという。それはそれで大変な仕事だ。
20180801_024654067
吾妻連峰(ここもいつか薮漕ぎ縦走しなくては)
20180801_024702005
弘法清水小屋

弘法清水から山頂までのコースタイムは20分程度だが、登山道はさらに急になり、左方はかつての爆裂火口のガケになっている。山頂に着くと、ようやく猪苗代湖を見下ろすことができ、周囲の山々も遠望できた。飯豊連峰の稜線が雲で見えないが、残雪はしっかりと見える。登山口から標高差600m。
下山は弘法清水小屋からお花畑を経由して15時頃(メモを取っていなかったのでアバウト)下山する。
20180801_032404992
猫魔ヶ岳の手前にアルツ磐梯、向こうに猫魔スキー場。背景に会津盆地と右手に飯豊山
20180801_032428767
猪苗代湖。東北屈指のいいロケーションである。

汗だくの登山ウェアから着替えて車内で登山ウェアの消臭をして車内干しして移動開始。この日は檜原湖沿いから白布峠を越えて天元台を横目に米沢に入り、その北の高畠町の高畠駅に併設されたJR直営の宿に投宿。宿は安普請だが、駅に立ちより温泉が併設され、通勤・通学者とクロスしつつ風呂に入ったり食事をとったりしたのが新鮮であった。
Comments

18東北巡業登山旅行(その2・南蔵王連峰稜線歩き)

8月2日(木) 晴れ
zao_map
南蔵王地図(エコーラインの「ー」あたりから屏風岳往復)

朝、普通に食事をして8時に高畠駅を出て上山から蔵王エコーラインを刈田峠まで上がる。蔵王猿倉スキー場と坊平スキー場を横目に、夏用リフトを通り抜けて宮城県に入り、刈田峠近くの路肩の駐車場に着いたのが9時過ぎ。結構時間がかかった。しかしもうここは標高1600m弱であり、下界が20度台から30度に達しようという中、20度ちょっとで大変涼しい。このままここで昼間読書などして過ごしたい衝動に駆られるが、登山の支度をして歩き始める。だいたい10時過ぎ(メモ取り忘れ)。とりあえず宮城県最高峰の屏風岳までのピストンである。
20180802_224002935
肌触りのいいコケ

道路は刈田岳直下なので、本当の刈田峠までは登山道を下る。屏風岳までの縦走路はさほどアップダウンがないので磐梯山のような苦労はなかろう。まず刈田峠避難小屋を外から見学し、1530mの鞍部に下り、そこから1700m弱の前岳に登り、標高差30mほど下ってから1750m弱の杉ヶ峰に登る。1650m程度まで下降すると芝草平である。女房は体調がすぐれず、芝草平で行動食を食べて戻るというので11時30分に別れる。こういうことはあまりしたくないが、同じコースを戻るのだし、視界もよく分岐はないので大丈夫だろう。
20180802_020826910
芝草平へ下っていく
20180802_025213269
屏風岳山頂には誰もいず
20180802_033208015
立派な木道があった

一人で芝草平を過ぎてペースを上げて屏風岳に12時着。山頂の三角点は1816mで、その手前の樹林帯のピークの方が数メートル高いようだ。行動食のパンをかじりながら東を見ると、蔵王町や村田町方面が見える。時間があれば南屏風や不忘山まで脚を伸ばしたいところだが、今回はここで終了し戻る。雲も湧いてきて、暗くもなって来た。芝草平では風が強く、ウインドブレーカーが欲しい。
20180802_035445897
刈田岳頂上までジグザグに有料道路が通っている

駐車場に戻ったのは14時頃か(メモ取り忘れ)。先に帰ってきて車内ベッドで寝ていた女房の調子はあまりよくないようで、後部座席で横にさせながら移動開始。
蔵王エコーラインを戻って上山から東北中央自動車道に乗り、13号線と部分供用している自動車専用道を使って秋田県入り、湯沢市内のビジネスホテルに到着。夕方、湯沢駅前をぶらつくが、駅舎が新しいのに駅前商店街は寂れていて悲しくなる。なぜかトヨタのディーラーに敷設された書店が意外にも売り場が広く、秋田の山を扱った無明舎出版の本をゲット。近くのスーパーで朝食を買い、ホテル内のレストランで夕食。明日はメインイベントの焼石岳である。
Comments

18東北巡業登山旅行(その3・焼石岳東成瀬コース)

8月3日(金) 晴れ
yakeishi_map

朝6時台にホテルを出て、空いた国道13号を北上、十文字から国道397号でジュネス栗駒スキー場方面へ。パークゴルフ場を過ぎてしばらく登ると左手に焼石岳登山口への林道分岐があり、比較的フラットな砂利道を数キロ進む。標高930mに駐車スペースがあり、登山口だ。すでに2台のクルマが駐車されているが、神戸ナンバーと滋賀ナンバー。ずいぶん遠くから遠征に来ている。

7時45分、登山開始。焼石岳登山は今回の東北巡業のメインだが、最初は岩手県側の中沼登山口かつぶ沼登山口から登ろうと思っていた。しかし女房連れなのでなるべく短い登山ルートが好ましく、登山口の標高が高いほどありがたい。気づいてみると秋田県側の東成瀬村からのルートは好条件で、歩いている最中も変化があって飽きさせない。途中に避難小屋こそないが、結果的にこちらを歩いてよかったと思った。

登山者が極端に少ないので熊に警戒しつつ、歩き始める。まもなくすずこやの森ルートと合流し、大森山の中腹をトラバース。すでに岩手県に入っている。標高1050m前後だが、6合目くらいまでほとんど標高が変わらない登山道であり、歩きやすい。途中、5合目の「釈迦ザンゲ」で高台に登って視界を得られるが、ずっとブナの樹林帯である。
20180802_232528798
釈迦ザンゲから西焼石岳方面

「釈迦ザンゲ」とはユニークな名前がついているものだが、そこからはゆっくりと標高を下げ、胆沢川に近づく。幅5m程度に細くなった胆沢川を3回徒渉する。最初は水が左から右に流れていたが、2回目の徒渉は右から左に流れている。3回目は左から右だ。沢が何本もあるみたいなので頭が混乱してくるが、要するに川が蛇行しているところを串刺すように登山道が貫いていると考えると納得がいった。登山道に徒渉が入るのは変化があっていいが、増水時は渡れない。6合目は「与治兵衛」。胆沢川の水を秋田側へ引こうとした人物の名前だそうだが、いい名前だ。胆沢川から少し離れて尾根の上を登山道は延び、7合目「柳瀞」。ちょっとした広場があって小川もあり、浄水すればテント泊できそうだ。8合目が「長命水」。長命水はいい清水が2箇所からジャンジャンわき出ている。まもなく焼石沼があるが、過去にはこの辺で牛の放牧が行われていたらしい。電子地形図には沼のそばに建物が描かれているが、そんな建物はすでに撤去されている。沼の見学は下山時にして、平坦でお花畑になっている沼周辺を後にする。ようやく登りがきつくなってきて、9合目の焼石神社に詰めていく。登山道の脇には細くなった胆沢川の源頭部があるようで水の音がして、植物も豊富だ。樹林帯をすでに抜けているので日差しが強い。
20180803_000918064
徒渉点
20180803_013457520
ハクサンシャジン
20180803_015156315
タカネナデシコ
20180803_041835426
ヤマハハコ
20180803_042433422
長命水

焼石神社で標高1430m。溶岩ドームのようになった焼石岳山頂に向かうルートは大きな岩の連続で歩きにくい。20分ほどで11時30分山頂着。山頂は3人ほど。休憩と行動食摂取。しばらくすると岩手側からおばさん3人組、さらに泉水沼の方から団体が登ってくるのが見えたので、11時50分には山頂から下る。同じ道の下りではなく、泉水沼方面に下り、東焼石岳方面への周回路を使って焼石神社へ散策する。登りの岩だらけルートを回避した。若干時間は要したが、焼石神社から下山する。焼石沼に近づくと、源頭部の沢水が一時的に集まっているだけなので水はきれいで浄水すれば飲めそうだ。沼のほとりは平坦地があって快適な幕営ができそう。
20180803_022901387
山頂到着

長命水で帰りの水を汲んで長い下山ルートに入る。釈迦ザンゲで14時45分、登山口に降り立ったのが15時30分。東成瀬ルートを使った登山者がおそらく我々の他に4〜5人(先方に見かけるか追い抜かれた)、最後に作業者3名とすれ違っただけだった。静かで変化に富み、景色も良くて水も豊富、文句なしの登山路だった。こんな登山ルートを頻繁に歩ける秋田の人が羨ましい。
20180803_030720392
泉水沼と山頂
20180803_032819046
標高1500mに雪渓がまだ残っている
20180803_041326877
焼石沼(正面のポコが焼石山頂)

駐車台数がゼロになった林道のどん詰まりから移動。横手市を過ぎて真昼岳のふもとの美郷町の公共温泉宿泊施設へ。久しぶりの和室でゆったり休んだ。真昼岳、和賀岳登山はまたの機会に。
Comments

18東北巡業登山旅行(その4・阿仁ゴンドラから森吉山)

8月4日(土) 晴れ・曇り
moriyoshi_map
森吉山地図

朝8時に美郷町の宿を出て、農道と105号線を使って森吉山阿仁スキー場へ。2時間強かかった。角館から105号線を使ったアプローチは遠くて時間がかかり、女房は車酔い。10時30分頃ゴンドラ乗り場にたどり着いて、ゴンドラ往復券(大人1名1800円)を買い求めてゴンドラに乗る。11時10分頃ゴンドラを降りて歩き始める。昨年時間切れで途中までしか行かれなかった森吉山のリベンジである。
20180804_023226611
雲が垂れ込めてきた森吉山
20180804_023843624
ニッコウキスゲ
20180804_023849058
ヤマブキショウマ
20180804_024812274
トイレ工事中の阿仁避難小屋

15分ほどで昨年の到達点である石森、そこから山頂に向かって右手へ。避難小屋は立派で、屋外トイレの新設工事中。資材が小屋のそばに置かれていた。ゆったりした登山道を登って12時20分山頂着。ゴンドラを使って10時以降に登ってきた登山客が子供や団体も含めて20名ほどか。さすがに登りやすい山である。前日の焼石岳とは事情が異なる。
20180804_032111927
山頂

風もやや強いので山頂直下のベンチで風をよけて行動食を摂り、30分ほど休憩して下山にかかる。まっすぐゴンドラ駅には降りず、森吉神社と敷設の避難小屋を見学する。女房は冠岩の隙間を通ってみたらしいが、私は避難小屋内部の整備状況に関心があった。避難小屋は広くて床も新しく、何よりトイレが充実している。トイレは飯豊の門内小屋で見た自転車ペダル漕ぎによるおがくずと汚物を混ぜるタイプのものだが、合理的で悪臭もせず、いい設備だった。しかし、森吉神社の避難小屋とトイレ増設中の阿仁避難小屋の距離が近過ぎないか?歩いたら20分程度だ。冬のことなどを考えたら避難小屋は複数あって決して悪くはないが。
20180804_044345719
冠岩
20180804_045429080
神社の立派な避難小屋
20180804_044822082
小屋内部
20180804_044740153
自転車漕ぎトイレ

ゴンドラ駅14時15分。機械力で下山。せっかくなのでヒバクラ岳方面へも脚を伸ばしたかったが、またの機会に。

日曜日から雨になるらしい。移動してどこに行くか悩んだが、もう山登りを連日続けるにも疲れてきた。岩手県の北上市のビジネスホテルがたまたま取れたので、五城目まで回り込んで秋田自動車道でワープ。昨年末の単独スキー場行脚の途中で宿泊した北上市のホテル近くのスーパーで買い物、ついでに夕食も済ませる。
さすがに疲れ、泥のようになって寝る。

8月5日(日) 雨
朝から雨なので、登山はせず、震災後初めて三陸沿岸を通って車窓から状況を監察することにする。
国道107号線で大船渡へ。盛駅に寄ってみる。三陸鉄道南リアス線は来ているが、JR大船渡線はBRTというバスだ。ほとんど復興しているように見えるが、津波によって更地になっている場所は多く、津波がきた場所には必ず標識が立っている。防波堤や河川の土手のかさ上げなど土木工事がすごい。
もっともすごかったのが陸前高田だった。平地はまたかさあげ工事の途中で、巨大な防波堤が築かれ、かつて中心街だったところにはまだほとんど建築物がない。
気仙沼まで行くと大船渡と同じような景観があり、陸前高田の違いが際立つ。
南三陸町はプレハブの商店街が有名になったが、「さんさん商店街」に立ち寄ってみた。ちょうど豪雨が降り始めた時分だったが、観光客は多く、プレハブの店が繁盛していた。ちょっとお高めの海鮮丼を雨宿りしながら食べ、津波被害を撮影した写真館に立ち寄って記憶を呼び覚ます。
大谷海岸の道の駅に震災前に立ち寄ったことがあるが、震災以来道のつき方も変わってしまい、三陸自動車道が延伸したりしたので、今回はどこが道の駅なのかよくわからないままに通り過ぎてしまった。おそらく、海水浴をしている家族を見かけたあたりだったのだろう。
三陸自動車道で石巻を通過し(高速からは震災の名残は何も感じない)、仙台東道路、仙台南道路を経由して東北道に乗り、結局郡山のビジネスホテルへ。日曜日夕方に無理矢理東京方面へ車を走らせても、渋滞にハマるだけである。
ホテルは駅から遠くインターに近い場所だったが、ホテル近くに隠れ家のようなレストランを見つけて夕食とする。

8月6日(月) 雨・曇り
郡山から国道294号線をもっぱら使ってケチケチ一般道走行。栃木県に入る頃には雨が上がった。前日夜、山形県では豪雨に見舞われ、最上川ですら水位が危険になったらしい。
烏山、茂木と南下して、益子あたりから新4号バイパスに接近し、新4号バイパスを南下、五霞インターから圏央道・東北道を使って帰宅。東京は蒸し暑い。先日の広島・岡山・愛媛の豪雨災害で心配していた愛媛の友人から暑中見舞が届いていた。豪雨の直後、こちらからメールを出して心配を伝えたら、大変な思いをしたに違いないのに大丈夫だと返信してくれた。その彼がわざわざハガキで暑中見舞を送ってくれ、恐縮する。
Comments

仕事山行・白山加賀禅定道

例年の夏の仕事山行。今回は荒島岳と白山がターゲットで、2013年の同時期にも同じ山に行っている。ただし、13年は荒島岳のふもとの幕営地で雨に降られ、冬用フライシートをまちがえて持ってきたために1つのテントが漏水、白山では幕営できず、南竜ヶ馬場のケビンを借りるはめになり、さらに御前峰へのアタック途上で雷雨に遭って二度目のアタックで頂上を踏んだ。このような忌まわしい記憶(荒島岳ふもとでのアクシデントには私は立ち会っていない)がある。

それから5年経ち、例年になく早い梅雨明け、そして連日「烈暑」という条件の中、今回は白山からの下山にロングルート、加賀禅定道を選択した。白山は標高2702mの御前峰とその周辺の火口湖ばかりではない。御前峰だけに注目すれば、高山の中ではかなり短時間で山頂に立つことができ、お花畑もあちらこちらに見られるお手軽登山が可能だ。しかし白山の稜線は南北に長く、南の岐阜県西部や福井県東部から別山を経るロングアプローチが可能だし、北部は中宮温泉や岩間温泉、今回の一里野温泉などへ長い稜線を歩くこともできる。東西の横断も可能だ。多くは昔から修験のために使われてきたルートでもあるが、近代登山と昨今のマイカー登山の隆盛で南北の長いルートで人に出くわすことは稀である。そのぶん、なかなか手ごわいルートともいえる。

7月24日
朝いちの新幹線「かがやき501号」で金沢へ。金沢から登山口の市ノ瀬への路線バスもあるが、朝東京から新幹線でアプローチすると金沢駅6時・7時発の急行バスには乗れず、歩き始めが12時を回ってしまう。そこで、JRで金沢から小松まで行き、乗合タクシーに乗って1時間早く登山口にたどり着く。
IMG_1396
別当出合から砂防新道を登る

登り始めは11時20分。砂防新道という現在人気の最短ルートで登る。13年は雨の中の登山だった。その記憶も薄れていて、登り始めの石段の急登行が辛い。中飯場というところにトイレと水場があり、みな休憩するところだが、またそこからの登りがきつかった。バルトロ75を背負うのは6月の金峰山以来だが、今回は個人持ちの食料、水、バーナー、簡易浄水器まで背負っている。重い。最短のルートということは平坦地が少なく一本調子の登りであり、次に休憩するポイントの甚ノ助避難小屋までがとても長く辛い。コースタイムよりも時間を使ってたどり着いた。ここで大休止。幸い、午後になっても雨が降る感じはしない。甚ノ助避難小屋からしばらく登った南竜分岐からは20分のトラバースで南竜ヶ馬場の幕営地に着く。白山には大きな登山小屋が2箇所あり、一つは室堂センター(750人も泊まれるらしい日本屈指の山小屋。ただし幕営不可)、もう一つが南竜ヶ馬場(150人宿泊可。少し離れた場所にケビンが数棟、幕営地は広く水は豊富、高山植物に囲まれロケーション最高、しかしトイレ老朽化し強烈な臭い)がある。南竜ヶ馬場の幕営代は1泊300円と破格に安い。今どきの北アルプスあたりの幕営代は高すぎる。到着は15時だった。マイテント(カミナドーム2)を張ってくつろぐが、夕方までは暑い。
20180724_054213159_20180724_054503893_
お花がきれい(としか言えないのが悲しい)
20180724_055208837_
別山を望む
20180724_092312058_
崩壊しそうなトイレ棟を除けば天国のような南竜ヶ馬場の幕営地

7月25日
天気はよい。この日は朝5時30分に出発して御前峰とお池めぐり。サブザックや大型ザックの雨蓋だけで身軽に行動する。展望新道というルートで室堂まで登るが、途中によさげな水場が2箇所ほどある。高山植物が豊富で、高度を上げていくと植生も変わっていく。室堂が近くなるとかなり密度高くクロユリが咲いていたり、コバイケイソウやハクサンコザクラが目立つようになる。しかし高山植物の花の名前がいつまでたっても脳内で豊かにならない。歴史の人名はよく記憶できるのに、どういう訳だろう。
御前峰は数年前のようにガスることもなく、風も穏やかでよかった。剣が峰は登れないはずだが、山頂に立つ人が1名。御前峰から下り、剣が峰や大汝峰の間にある池をめぐって歩いていく。大汝峰の登りは岩場で、少年たちもあまり登りたくなさそうなのでパスして室堂センターへ下る。南竜ヶ馬場への帰路はトンビ岩コースを歩いたが、岩場の急下降部分が少しあって、翌日の登りに使うにはしんどそうだ。
20180724_215034754_
展望新道を歩く
20180724_231828356_
御前峰山頂から大汝峰方向を望む
20180724_234125156_
剣が峰はその名の通り
20180725_024728685_
私でもわかるハクサンコザクラちゃん

7月26日
いよいよ山頂部を越えて七倉山・四塚山方面へ縦走する。5時50分発。室堂までは年長者だけが持った水を回し飲みして耐え、室堂からは年少者も年長者も水を各自2L以上満タンにして歩く。なぜなら、加賀禅定道の水場に期待ができず、この日宿泊する奥長倉避難小屋にも水がないからである。私もかれこれ4L弱は背負った。ザックがずっしり。室堂で子供たちを連れて毎年白山登山をしているらしい40代と思しき女性ガイドから、私はもう45Lザックが限界だけど、百四丈の滝が見えるから禅定道はいい、と言われる。確かに幕営なしで禅定道を45Lクラスのザックで歩ければもっと軽快でベストだろう。70L以上のザックで歩く道ではないことは後にわかった。腰もついでに痛くなった。
20180725_234056628_
室堂センター
20180725_234146032_
2600mまで登る

御前峰の中腹を巻いて火口湖のある場所を通過し、大汝峰の西側の巻き道をたどる。昆虫研究をしているように見えた男性と会ってからは、誰一人ともスライドしないし、前後に登山者は全く見かけなくなった。御手水岩という岩があり、その脇には宿坊があったと思われる石垣の残骸があった。いまや白山北面にはあまり人が来ないようだ。七倉山への登りがとても辛そうに見える。これから尾根を下っていくのだがアップダウンはそれなりにあり、小ピークに登り下るルートが尾根が狭いゆえにすべからく直登・急下降なのである。重いザックでは辛いゆえんだ。四塚山で標高2500m。そこから2100m台へ下降していく。稜線上にある油池という水たまりから下方に水場があると標識に書かれているが、実際降り始めてみるとザレた急下降の道になったので諦めた。天池という稜線上の池は比較的大きめだが、ここで池の水を補給するにはかなり勇気がいる。もともと室堂から多くの水を運んで来ているので、いまさら補給したくもない。

20180726_004630458_
御手水岩(左端に窪みがあるが干上がりそう)
20180726_004337679_

20180726_042221068_
天池と四塚山

天池に向かうトラバース道の途中に小さな雪渓が残っていて、斜度もあって雪も硬めなので少年たちには雪渓を下から巻くようにさせた。雪渓を私が横断してみるとやはり雪慣れていないとここは難しい。キックステップで足場をきちんと作れることが前提である。
20180726_013230992_
四塚山山頂のチングルマと塚(ケルン)
20180726_032140945_
写真中心部の小雪渓の横断は慎重に

標高2000mを割り込んで樹林帯になってきた。足下は借り払われた笹が落ちていて脚の置き場が見えにくく、下手をすると足をひねる。肩のあたりにも低木が迫っている。フラフラしながら1750mほどの奥長倉避難小屋になだれ込む。15時。他に宿泊者はないが、2階の引き戸が外れている。これは雨のときに吹き込みそうだし、これから冬になったら釘などで止めないと雪が入り込んで困る。我々では修繕できないので扉を立て掛けて窓を下半分カバーしておいた。台風で水浸しにならなければいいが。
20180726_044240905_
登山道から見える百四丈の滝
20180726_210549381_
奥長倉避難小屋

この日の夜は暑く、また食欲も湧かず、提供された夕食がノドを通らない者がいた。私も水をかけて流動食化しないとノドを通過しない。疲れがピーク。

7月27日
下山コースタイムは3時間強で、2ルートある。檜新宮参道は標高1000mから急下降があるのでパス。多少距離は長くなっても、加賀新道を使って一里野スキー場のゴンドラ駅近くまで下れば林道がある。林道の方が斜度は緩い。この日も樹林帯の中を狭い尾根をひたすら歩く。風もなくなり、汗が乾かないのでぐっしょり。6時から3時間かかって林道に下り立ち、ひたすら林道を歩く。ローカル色が濃いスキー場の中の迂回コースになっている林道を歩いて一里野のゲレンデボトムに着いたのが10時40分。11時オープンの温泉施設「天領」で汗を流して清涼飲料水をがぶ飲みし、13時30分のコミュニティバスに乗る。乗る間際、近所の民宿のおばさんが冷えたキュウリとトマトをおすそ分けしてくれた。野菜が全く摂れていなかったので最高のご馳走だった。

幸い、雨にたたられず縦走が終了した。加賀禅定道はタフな道だった。飯豊連峰の縦走路を思い出したが、白山の方が人影がなく、水場や避難小屋もない。もう好んで二度と行きたくはないルートの最右翼になってしまったが、今回歩き通せたことは幸いだった。
Comments