会津・日帰り山スキー三連戦

人がいないところで山スキーをやっているのが一番コロナウィルスから遠いのではないかと思う。
少雪のシーズン、例年よりもスケジュールを前倒ししないと山の雪はドンドン消えていく。
不要不急の外出中に雪山で遊ぶというのは少し気が引けるところではあるが、人間はずっと部屋の中に篭っていることはできない。ということで、別宅ベースで会津へ出かけた。

3月12日 王博士山バックカントリースキー(単独。標高約1300mまで)
2020-03-12

昨年の3月末の王博士山でのスキーがよかったので、再び訪れることにした。国道401号線博士峠の冬季閉鎖ゲートまでは別宅から1.5時間ほど。昨年とは違い、前日に降ったらしい新雪がゲート前にあり、平日なので当然スキー目当てに来た人はいない。そもそも、この山を目的に来る人は少ない。いいブナ林が広がっているのに。

今シーズン初スキー登山なので準備にやや時間がかかり、10時出発。標高850mから道路に積もった薄い雪をシールを装着したK2ピナクル95で踏んでいく。ストックの石突きがアスファルトに当たるのが気に入らない。昨年と同じ尾根から本格的に登り始めるが、案じた通りヤブが濃い。ただでさえ狭い尾根だが、立ち上がった小枝を避けていると登る余地がない。次第に尾根が細くなり、右は小雪庇、左はヤブ、という細尾根に入り込んでしまった。少し引き返して尾根の左斜面から巻き上がるような登りを2度ほど繰り返した。
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細尾根に密集し迷路のよう

さらに天候が好転しない。予報は晴れなのだが、登り始めからどんより曇り、雪も舞っている。一向に晴れ間が見えてこないし、標高1200mあたりからはアイスバーンと新雪のミックス状態になった。シールが効きにくくなり、密なヤブも相変わらず。

12時に標高1300m手前まで来てもう一頑張りで王博士手前の1356mピークに達するところだったが、いいかげんヤブとの戦いに飽き、雪面のややこしさにもこの先の滑降時の面倒くささが読めた。一人だし、別に無理することもないので、シールを剥がして早々に滑り始める。滑っても薮をかき分けるスキーは全然楽しくない。昨年と同じ別の尾根を滑って、除雪が行われていない道路に出て、切り通し部分を避けてつづら折れの国道を串刺しにするように下り、最後はまた新雪の薄く積もった道路を慎重に下った。出発点のゲートまで板を外さずに何とか降りてきたが、一度側溝を踏み抜いてしまう失態をおかした。スキーなので下山は早く、2時間かけて登った標高差を多分30分くらいで降りてきてしまった。頻繁に現在地確認を行ったはずだが・・
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自撮りは奥ゆかしく
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無事下山。登りトレースの雪が解けてアスファルトが見えていた

帰路、昭和村の
昭和温泉しらかば荘に立ち寄り、午後早い時間から温泉を独占(500円)

3月13日 舟鼻山スキーハイキング(単独。ステップソールにて)
2020-03-13

翌日は少し軽くステップソールのハイキングにしようと思い、また昭和村の入り口にある舟鼻山へむかった。舟鼻トンネルをくぐった先にある旧道の入り口に車をつけ、そこから9時30分、ステップソールで歩き始める。舗装された旧道は斜登行しているが、陽射しが当たる場所は路面が露出している。履いたばかりのスキーを脱がねばならない場所が2ヶ所ほど。
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雪が途切れる

それでも舟鼻峠まで来ると、吹きだまりで2m弱の雪があった。今回は薮が濃い場所は避けてひたすら林道を登り詰めていく。登っている途中からかかと脇にマメができそうになってくる(その後両足カカト内側にピーナッツ大のマメできた)。T2だとTXよりもマメができやすいようだ。T2の方が1サイズ小さく幅もタイトである。マメの原因は、不整地を歩くことによってスキーとブーツが左右に傾くことではないかとにらんでいる。現在の対策は、危うい部分にキネシオテープとダクトテープを貼ることだが、十分な効果を出せていない(ストッキング状の靴下も、滑りをよくするジェルも十分ではない)。
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ステップソールは必需品

林道を登り詰めて11時に山頂部の平坦な場所に出た。このまま御前が峰まで行く時間はあるが、どうせヤブ漕ぎになるから行くのを止め、舟鼻山のフラットな山頂部とブナ林を愛でながらぐるっと一周。一昨年、広大な雪原だった所は雪が薄くて笹が出ていた。山頂で軽く昼食を摂って、林道で下山にかかる。
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賞味期限ギリギリ

一昨年は急斜面を横滑りしたが、今年は駐車ポイントまでダイレクトに滑り込めるだけの雪の量がない。だからヤブ漕ぎストレスのない林道を降りるのだが、やっぱり林道だけではつまらなすぎてヤブの薄そうな小尾根に突っ込んでみた。何とか滑り降りることはできたが、あとは素直に林道で下る。雪の途切れた、枯れ葉の積もった場所はスキーを外さず階段下降したが、それも最終的には雪は途切れアスファルトに阻まれた。

無事下山し、帰路は下郷町の
弥五島温泉に立ち寄って汗を流し(330円)、甲子トンネルを抜けて白河へ。
夕方、電車で女房が合流、夜、吐月工房ご夫妻が合流。翌土曜日は全国的に荒れ模様だそうだ。

3月14日 雨・雪で会津観光(大内宿・鶴ヶ城・会津塗)
一日中雨か雪。とても寒く、観光にして正解だった。

3月15日 グランデコスキー場から西大巓、南西尾根滑降(メンバー吐月工房氏)
2020-03-15

熟慮の結果、高速道路にてグランデコスキー場へ遠征。吐月工房氏と二人で11回綴りの回数券(5000円)を買って、リフトを乗り継いでゲレンデトップを10時40分出発し、西大巓山頂までハイクアップ。トレースがついていて。スキーだけでなくスノーシューの登山者も多い。シラビソ、コメツガの針葉樹林をかき分けながら登る。アイスバーンの上に新雪がうっすら乗っている状態。
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少し晴れ間が・・
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山頂に古いツアー標識
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会津盆地全景。米沢盆地も見えた。

約1時間30分で山頂に着くが、東斜面はほかのスキーヤーの話によれば薄い新雪の下のアイスバーン滑降になるそうで、面白くはなさそう。革靴の吐月工房氏にとっては厳しい。その上吐月工房氏の革靴ビンソンのソールがかかとから部分的に外れるアクシデント。私が持っていたダクトテープで仮補修して、ケーブルビンディングのヒールレバーをかける場所をずらして難を避ける。登った針葉樹林帯を下りゲレンデにダイレクトに戻ろうかと思ったが、アルペンの技術で滑れるというので南西尾根を滑ることに。割とトレースが鮮明で、少し下るとアイスバーンも消えて滑りやすくなる。密な林間を細かいターンでこなして、最終的には出たかった林道の橋にドンピシャで出た。これは嬉しかった。一番難しいのは最下部で小沢が割れているところ。

一方、吐月工房氏は災難が続いた。ブーツのトラブルに加えて車のキー紛失の勘違いはご愛嬌だったが、奥様がゲレンデで後ろから滑ってきたボーダーに当たられてケガをしたのは冗談では済まされなかった。

ぶつかった男性ボーダーは、ゴンドラ降り場のパトロール詰所まで報告に行ったのは当然の行為として、その後被害者やパトロールに名前や住所、電話番号を告げることもなく、事故現場をパトロールに一任して現場から逃走した。
こいつ最低のマナーである!中年のクソ野郎、当て逃げ野郎だ!
パトロールも混乱していたのか、このボーダーの身柄を確保しておくことができなかった。
相手にケガをさせたことは重大であり、すぐにケガの軽重が判断できないとしても、パトロールの調査には協力すべきであり、最後まで怪我人に付き添うべきだ。それが最低限誠意を見せるということのはずだ。自分の滑りの楽しみを優先してけが人を捨て置くなんざ、
最低である。ボードやる資格なし!
一緒に滑っていたうちの女房ですら動転し、後になってああすれば良かったのかと反省している。怪我をさせた本人も動転していたとは思うが、事後になっても自ら名乗り出るべきだ。

グランデコには幸いに軽い処置ができる診療所があり、そこまでパトロールに付き添われてゴンドラで下山し診療が受けられた。

ゲレンデでのアクシデントは大人だったらきちんと最後まで責任を背負って行動すべきである。責任ある行動、誠意を見せることができないスキーヤー・ボーダーはゲレンデに来るべからず!