CB650Rをレンタル・茨城県快走ツーリング

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八溝山地のすばらしい田園風景

金曜日の夜、ホンダのレンタルバイクページ、
HondaGOHPをさまよっているうちに、CB650Rのレンタルを軽い気持ちで予約してしまった。
2日後の日曜日は久しぶりに気持ちよく晴れそうだし、5月いっぱいまでにレンタルすれば3000円引きというクーポンがあったのも背中を押した。

前から650ccクラスのバイクは気になっていて、スズキSV650、ヤマハXSR700もレンタルして乗ってみたい候補だったが、よりによって
唯一の4気筒エンジンのホンダを一番最初に選んでしまった。とはいえCB650Rはホンダ専門のレンタル(Honda-GO)でないと借りられず、以前W800をレンタルした「レンタル819」には外車も含め各社のバイクがあるのに、CB650Rのレンタル車はない。

予約してしまってから、前日13時までに(これを過ぎるとキャンセル料100%!)キャンセルしてもいいかな?と逃げ道を作っていた。4気筒バイクは過去に所有したことはあるが、実はあまり好きではない。
甲高いエンジン音がどうにも苦手だ。だから電動バイクのあのヒューンという悲鳴のような音も馴染めない。ドコドコいってある程度振動があるバイクの方が好きなので、スズキのV型2気筒やヤマハの直列2気筒に惹かれていた(だがあくまでも、本命は空冷2気筒エンジンのカワサキW800スタンダードである)。
でも乗ってみなければ本当のところはわからない。ということでキャンセルはせずに当日を迎えた。

自宅からバスで30分、ホンダドリーム葛西店まで行き、予約開始の10時30分少し前から乗り始める。
シートは前方を絞ってあるものの、高さが810ミリあって結構不安。完全フラットな場所なら問題ないが、信号待ちで轍の凹んだ所に足を置くとつま先立ちになる。車重はほぼ200kg。エンジン幅はとても狭く、タンク下を覗き込まないとエンジンを見ることができない。エンジンの下部も横に張り出さない。4気筒なのにまるで2気筒のようなエンジン幅だ。スタート直後、マシンのパワーに圧倒される。低速がスカスカという訳ではないようで、実用域でのパワーは有り余っている。甲高い音を上げてエンジンの回転数が上がる。思わずこちらも甲高い叫声(パウダースキーと同じ高揚感)がでてしまう。慣れないうちに暴れさせると大変だし、あちこちでパトカーが取り締まっているので、ソロリソロリと環七を南下。湾岸道路との交差点で左折してすぐに右レーンから首都高湾岸線に乗る。そのまま東関東道で終点の潮来まで、まずは高速走行である。

本日のいでたちは、晴れで気温が高くなる可能性があったので、今年初めてのメッシュジャケット(メーカーはアーバニズム)。背中のフヤフヤパッドを取り除き、下にコミネのプロテクターベストを着用。胸・脇腹・脊髄のハードプロテクターが装着できる。ジャケットには肩と肘のプロテクターを残しておく。ベストの下には化繊の厚手長袖と下着として化繊の薄手Tシャツ。午前中の高速走行ではやや寒かった。
下半身はパワーエイジのポロン材質膝プロテクターを装着してその上から先日ネットで買ったコミネのメッシュレザーパンツ。このパンツ、サイズは32インチLサイズだが、最近ウエストが成長しつつある私にはかなりきつかった。返却やむなしかと思ったが、革靴の皮革を伸ばすムース(コロニルストレッチ)を腰回りに吹きつけてなすりつけ、しばらく我慢しつつ履いていたらだいぶ革が伸びた。まだ前ボタンを掛けるときはキツさを感じるが、だいぶ馴染んできたみたい。膝パッドも付属していたけれど、タイトなズボンにはまだ厳しくてサポーター型のインナーパッドを装着した。
靴下はトレッキング用ウール靴下(スマートウール)、ライディングブーツはライトグリーン色の軽登山靴(モンチュラ。ゴアテックスを謳っているが左足のみずぶ濡れになる)。

さて高速走行。最初はおそるおそる80kmで巡航、慣れてきたらそれ以上出してみる。
ネイキッドなので風圧は大きいが、安定性は非常に高い。最高出力は97馬力という怪物バイクだが、そんな出力を出す余裕はないし自分には不必要。したがってエンジンの回転数はあまり上げず、4000回転ほどで80〜100km巡航する。メーターに目を落とすとデジタル表示の数字が目まぐるしく変わる。昔乗っていたXR250BAJAのメーターは先駆的な液晶デジタル表示だったが、デジタル表示の目まぐるしさは好きになれない(四輪でもハイエースはアナログメーター)しかし優秀なのは路面の縦溝をモノともしないところと、6速80kmからシフトダウンしなくても、6速のまま追い越し車線に移ってしっかり加速していくところだ。成田空港を過ぎると車線も2車線となり、虫の高速アタックを受けてゴーグルに虫がへばりつく。甲虫だと結構ショックがある。もうそういう季節か・・大栄PAではヘルメットを被ったまま小休止して、腰用のバンテリンサポーターを巻く。これがあると長距離でも腰の疲れが出にくい。利根川を渡り潮来インターで下道へ下りる。

空いている県道を快走するために茨城県道50号線で北上。周辺に何もない県道だが、どんどん北上できる。
茨城空港近くまで北上して、県道8号線で南側から回り込む。12時30分。県道360号線との交差点にコンビニがあり、そこであんパン・クリームパンとカフェラテで軽い昼食。13時から県道360号線を北上して、空港前の交差点で左折、空港アクセス道路の県道359号で東へ。国道6号を突っ切り、常磐線の羽鳥駅で小休憩。県道140号線と42号線で石岡市の恋瀬小学校前を経由してすぐ左折、県道42号線の道祖神峠に登る。今日唯一の峠らしい峠だ(昼を食べたコンビニから道祖神峠麓の恋瀬までは音声ナビを使用)。遠く前方に1台車が先行しているので車間をかなり開けて走っていたが、もう1台その前を走っていて、頂上近くで追いついてしまった。下りは2台の車を先行させ、軽自動車を後ろに従えて3速〜4速エンジンブレーキフル稼働でゆっくり降る。もう少し攻めたかったけど、路面も滑りやすそうな要素があったし、何しろレンタルバイクだから慎重を期す。こういうバイクはライダーをイケイケ・攻撃的にするからよろしくない?
最大限抑えて走ったつもりだが、それでも
右左折直後の立ち上がりでスロットルを開くと、加速が素晴らしく、病みつきになる。
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常磐線羽鳥駅近くにて。スパルタンなフォルムである。

北関東道をくぐって県道109号線に左折し、水戸線の稲田駅まで行ってトイレ休憩。この道はずいぶん前に自転車で道祖神峠から下ったことがあるはずだ。初秋で、栗を拾って持ち帰った記憶がある。
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水戸線稲田駅横の駐車場で。集合管が印象的
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排気量はシュラウドカバーに控えめに表示

稲田駅からは国道50号を突っ切り、県道289号を使って北西方向へ。石切場があちこちにあって、道路幅も狭くなるし、ダンプがよく通る道なのか、路面が悪い上に降雨の跡があって走りにくい県道だ。だんだん馴染んだ風景になってきて、先日の舗装林道走破のツーリングの入り口になった桜川市総合運動公園まで下りてきて右折。国道50号の一つ北の道を西へ向かい、桜川筑西インターのすぐ西側にある道路で北関東道をくぐれば、あとはいつも使っている水戸線大和駅からのルートに乗ったことになる。

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県道289号線にて。田植え後の田んぼと筑波山方面の低山ををバックに。

南下開始は14時30分ごろだったか?大和駅には寄らず、県道148号、131号で筑西市明野を通過して国道294号も横断、下妻市役所から県道357号をひたすら南下。関東鉄道に平行する道だが、電車は見えない。美妻橋で鬼怒川を渡って、県道123号、134号、水海道ゴルフクラブの脇を通って県道3号に乗り、あとは利根川を渡って野田市を通過して野田橋を渡れば江戸川右岸ルートに乗れる。ところが野田市内が結構渋滞。時間の余裕はあるので多少は構わないのだが、渋滞の中で次第にエンジン熱が気になりだす。

平均燃費計も表示できるので時々注視していたら、一時24km/L近くまで行ったのに渋滞で23.5km/Lまで落ち込んだ。
やはり4気筒は燃費が悪い。この排気量なら、ツーリングでは30km/Lくらいはたたき出して欲しい。それにしてもメーター表示の操作が複雑すぎていまひとつである。
マフラーが短くて穴が上を向いているのでエンジンサウンドが大きく聞こえる分、無駄にエンジン回転を使っているような気になってしまう。そしてもう4時間以上、220kmほど走りづめなので、お尻が痛くなってきた。
CB650Rのシートは
お尻の位置の自由度が狭い。そしてサスペンションが硬めなので路面の衝撃をよく拾う。さらにバックステップなので立ち上がって姿勢を直すこともやりにくい。こういうバイクはヒザと下肢が深く曲がる分、長く乗ると脚の血行が悪くなりそう。教習所でちょっとだけ乗ったCB400SFも同じポジションだ。
ようやく操作に慣れてきたのに(
それでも最後までトラクションコントロールの味付けがよく解らず、クラッチミートも時々失敗した。1速から2速へのシフトアップ時にすっぽ抜けてニュートラルで空回しということも数回あった)、疲労がたまるのはよろしくない。レスポンスがよくてスロットルを少しひねるとエンジン回転がぐーんと暴力的に上がるのも疲労を蓄積する原因だ。マイルドなエンジンで余裕の走りができるのが大排気量車の魅力だと思うのだが・・

野田橋西詰までの渋滞をようやく左折で回避して、あとは江戸川に沿って埼玉県側の信号のない県道をひたすら走るだけ。ホンダドリーム店に着いたのは17時20分ころ。
全走行距離は274km。直前に入れたガソリンは9.76Lで燃費はメーターの表示で24kmに届かなかった(満タン法だと27.6kmだが、何故こんなに差がでるのだろう?)。面白いけどW800より確実に疲労感が残るバイクだった。

それにしてもこの日は日曜日ということもあって多くのバイクとすれ違い、同走した。印象に残ったのはCB650Rと瓜二つなCB125R(後ろからついてきた)、大和駅からの南下県道で同走したCB1100(乗り手の服装がスニーカー&ジャージで、リッターバイクに乗るには相応しくなかった・・空冷大排気量エンジンなのに残念)、そして江戸川右岸を南下するときに同走したエストレヤ(淡い青色、大きな風防を付けていた(旭風防よりも大きく見えた)。同じ足立ナンバーで、ライダーのウェアは完璧だった)。やはり
エストレヤはかわいくていいバイクだな、と後ろから見ていて思った次第だ。