山陰・若狭の旅(4・若狭内浦湾と彦根城)

朝、tsさんに指示された集合場所のヒロセオートキャンプ場の駐車場に到着。すでにtsさんは到着され、ウィスパーも組み立てが終わっている。ここは福井県の高浜町、内浦湾の最奥の入り江だ。京都府内の東舞鶴からはすぐなのだが、小さな塩汲峠を越えると若狭である。

今日はカサラノを組んで出艇する。2日間の山陰ツーリングで疲労が蓄積しており、特に手のひらにはパドルダコ、肉刺ができ、むくんでいる。tsさんは若狭から京都の海を堪能できるようなコースを設定してくれたのだが、疲労した私の身が持ちそうもないので、お願いしてライトツーリングに変更していただいた。



カサラノも順調に組み上がって8時前に出艇。湾口に向かって右手の岸沿いに進んでいくと、南方向からの吹き下ろし風に押されて進む。ダンノ鼻をかすめると右手奥に高浜原発がそびえている。原発関連施設が立ち並んでいるが、そのすぐ左手には音海という普通の漁村があり、この集落も出艇地も、原子炉から2kmも離れていない。若狭湾というのは入り組んだ美しい海岸線に14基もの原発がひしめいているらしい。いま現在は停止状態
(←これはまちがいです。8月半ば現在、高浜原発は4基中2基稼働しています)にあるが、こういう特殊な場所を漕ぐのは初めての経験だ。


高浜原発

湾口はこんなふうなのだが・・

その後は岸ベタで押回鼻から音海断崖へ。tsさんが「プチ隠岐」と呼んでいる断崖を右手に今戸鼻まで出て若狭湾の全貌を眺めてUターン。今度は内浦湾口を突っ切って正面崎に向かい、わずかに京都府に入って馬立島を反時計回りに周回し、再び正面崎近くまで戻って、最後は内浦湾の定置網を避けながら広瀬鼻を経由して戻ってきた。総距離は20km弱。
tsさんによるレポートは
こちらで。





途中、ゴロタの浜に上陸して少し早い昼食・休憩タイムとした。湾口からの出入りは、途中で風向きが変わって風に押され、楽ができた。しかしとにかく酷暑。最後にロールを数回やって、ちょっとひんやりしたが一瞬だけだ。舞鶴の予報では最高気温35度か36度というから、午後は早めに撤収したほうが身のためだろう。12時過ぎに出艇地に戻って装備を乾かしながら撤収。しばらくマッタリして、14時ころにtsさんと別れる。





この山陰・若狭の旅ではオオタガキ氏、tsさんに大変お世話になった。初見の海岸を無事漕げたのもお二人のおかげだ。いいツーリングをさせていただき、感謝。

再びクルマの一人旅になる。若狭の海岸沿いを走り、海水浴場の駐車場が満杯なのを横目に進む。小浜線に沿って走り、若狭街道で琵琶湖の西岸今津へ。琵琶湖を時計回りに回って8号線で彦根へ。今夜の宿は彦根駅前のホテル。日曜日は渋滞必至だし、京都府内に下宿している長男と合流して東京へ帰るのだ。

夜、食事がてら駅前の本屋を覗き、地方出版の本とひこにゃんグッズを買い求めたら、彦根城に行きたくなってきた。明日チェックアウト前に彦根城散歩だ。

ということで翌日は朝8時30分の開場を待って彦根城を見学。ほぼ一番乗りだったのでスムーズに回れた。国宝の城郭は姫路城、松本城、犬山城とこの彦根城4つである。圧倒的なスケールと存在感は姫路城にはかなわず、天守の大きさも姫路・松本城には劣る。私は特に郷里の松本城に対する思い入れはあるので、彦根と犬山はあまり関心がなかったが、実際に行って見るとさすがに徳川譜代筆頭の井伊家のシンボルである。小振りだが美しい。完全な平城ではなくて琵琶湖沿岸にある小山を利用しているので、櫓などと一体の建造物と捉えれば、平城の松本城よりも存在感は上回るかもしれない。


玉砂利にひこにゃん


石垣




城下の庭園(玄宮園)から眺めた天守はなかなかよい。

さて、見学が終わって汗だくでホテルに戻り、長男を拾って帰路につく。往路に使った東名はストレスが溜るので、迷わず中央道を選択し快走する。実は東京までの距離はさほど変わらない。駒ヶ岳のSAには立ち寄ったが、標高が低くなるにつれ休憩する気が失せ、結局16時に、先週とはかわって暑くなった東京下町に無事到着。

今年は「悔いなき夏」がテーマなのだが、十分な旅が楽しめた。